FLOW「PENDULUM」が描く「コードギアス」の世界とは?

UtaTen

2019/8/15 18:01

TOP画像引用元 (Amazon)


ダークヒーローという世界観


「コードギアス」は、勧善懲悪のようなシンプルなストーリーではなく、人間の思惑が絡み合った複雑なストーリーが特徴。

特に主人公のルルーシュは、正義の味方ではなくダークヒーローである点が、他のアニメと異なっている。

悲しい過去を背負ったルルーシュが、世界を敵に回しながらも自らの理想を叶えるために突き進んでいく様を描いた作品だからこそ、ファンを引き付けるのだ。

光の差す明るい物語ではなく、どこか薄暗い世界観にぴたりとハマる『PENDULUM』。
その秘密は歌詞の世界観にある。

歌い出しの歌詞は、夜明けを告げる鐘の音が印象的だ。

歌詞だけ見ると前向きな印象を受けるが、旋律はどこか切なく、悲しみを感じさせる。

遠くに見える灯りの揺らぎと、瞳の揺らぎ。

それは心の揺らぎとリンクする。
人とは違う道を選んだルルーシュのように、大きな決意の前には心が揺らぐものだ。

決して曲げないと誓った道だとしても、ふとした瞬間に不安や迷いが生じる。

その心許なさを灯りと瞳の揺らぎで表現している。

2番では、返ってくるはずのない答えを待つ切なさが歌われている。

届きはしない思いを抱えて生き続ける不毛さ。きっと長い間、答えを待ちわびたのだろう。

そんな日々と決別し、新たな一歩を踏み出した時、人生を変えるような出会いがある。

何事も動かなければ始まらない。

立ち止まるのを止めて、自分の足で自分の道を歩み出したからこそ訪れた出会いなのだろう。

夜明けと夜更けの狭間という表現が非常に面白い。まだ、過去の自分を捨て切れていない、新しい自分になり切れていないからこその表現だ。



すべては「今」につながる



この部分の歌詞を見ると、常に「風」が何かを運んできている。

ある日の感情や行動が風となり、「今」につながる何かを運んできているのだ。

これは、行動ひとつひとつが今を作ること、自分というものの未来を作っていくことに他ならない。
そう考えると、あの日の行動は何一つ無駄にはならない。

だからこそないがしろにせず、一瞬一瞬を大切にしようというメッセージにも受け取れる。

面白いのは、風が運んでくるものが「今日」ではなく「キョウ」という点だ。

作詞を手がけたKOHSHIいわく、風が運んで来るのは必ずしもよいものばかりではなく、「今日」という日であることもあれば、「凶」であることもある。

その時々、人によっても変わる「キョウ」。

一体何を運んで来たのか想像してみるのも楽しいだろう。

KOHSHIの発想力が存分に発揮された歌詞だ。

「PENDULUM」が意味するもの


タイトルにもなっている「PENDULUM」には「振り子」という意味がある。

それは以下の部分でも歌われている。

「胸の振り子」というのは、此処の中にある羅針盤のようなものだろうか。

過去でも未来でもなく、しっかりと「今」を示す振り子。それは、どんな状況であっても、目の前にある「今」をしっかり生きる、というメッセージだ。

昨日より今日、今日より明日がよい日とは限らない。

それでも、目の前にある「今」から目をそらしてしまったら、未来を変えることはできない。

だからこそ、いつでも「今」に目を向けて、前向きに努力を続けていくことが大切なのだ。

そんな、当たり前でシンプルなメッセージがFLOWらしい。



「復活」が意味するもの



サビの歌詞では「復活」という言葉が使われ、ルルーシュの復活を彷彿させる。

一方で、これまで「コードギアス」の主題歌を2度手がけてきたFLOWの存在をも感じさせる。

FLOW自身も言っているように、再び主題歌に返り咲いたFLOWという存在を作品ファンに示すワードでもあるのだ。

作品とバンドどちらにも共通するワードを放り込み、2つの意味を持たせたところにKOHSHIの作詞センスを感じる。

答えを探すことを諦めても、遠い日の約束は忘れていない。

誓ったその人と再会を夢見て、力強い一歩を踏み出す。

揺らぐことのない信念と、孤独に信じた道で闘い続ける切なさが、まさにルルーシュの姿と重なる、見事な歌詞である。

1月30日に開催された武道館ライブで歌われた映像があるので紹介しよう。

「コードギアス」の世界観とマッチした、特別な空間となっている。

PENDULUM MV
▲FLOW 『PENDULUM』トレイラー

TEXT 岡野ケイ

当記事はUtaTenの提供記事です。

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