仕事で挫折して気づいた、“ジョブズの「点と点をつなぐ」”大切さ/歌舞伎町女社長の教え

日刊SPA!

2019/8/12 08:54

―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―

こんにちは、内野彩華(うちのあやか)です。

新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗経営する歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第50回は「教育は点と点」がテーマです。

誰しも一度は挫折を味わったことがあると思います。わたし自身、いまも挫折の連続です。勝手に大きな目標を掲げてきては、それに向かってまっしぐらに努力し、うまくいかずに「あ~、わたしには無謀だった」と、ため息をつく日々。その後、しばらく腐った日々を送ったかと思うと、意外にも早く復活して、また新しい目標設定。そしてまた突っ走っています。

「いい加減、どこに向かって走ってるのか、自分でもよくわからない行動をやめたらいいのに……」と、ツッコミたくなりますが、40歳になって、今さら性格が変わるわけないし、結局のところ、「何かに向かって常に突っ走ってる自分が好きなのかな」と気持ちを切り替えています。

◆2年間で銀座店を潰して思ったこと

さて、前回の記事は「人生の設計図を描こう」というお話でしたが、今回はその真逆。

人生の設計図がきれいに描けたら一番いいけど、描けないときは、今見えるなにかに突っ走ってみようという主旨で、自分の経験をもとにお話しようと思います。

前にこの連載でも触れましたが昨年、2年間やった銀座店を潰しました。歌舞伎町の次は銀座で、その次は赤坂で、と頭のなかで次々と店舗展開を考えていたのにしょっぱなでつまずいたので、少し落ち込みました。

◆なぜ銀座進出が失敗したか?3つの理由

でも今では、失敗したことがよかったと思っています。「なぜ失敗したか」について考えることができたからです。

1つ目に、店舗を増やすなら、レジと出納帳と現金の流れをひと目でわかるようにすべきでした。お店には「信用できる黒服」が何人か存在します。彼らは間違いないのですが、結果として特定の彼らだけに負荷を負わせすぎてしまいました。

2つ目は、キャストの面接です。面接技術を持った黒服だけが担当していたので、キャストの需要に対し入店するテンポが追いつきませんでした。もっと、入店基準や時給の基準をデータ化して「黒服であれば誰でも面接できる状態」を目指すべきでした。

最後の3つ目は、営業の仕方です。銀座の立ち上げではわたしが全面的に営業に関わるつもりでキャスト10人規模からはじめ、軌道に乗ってから30人規模にしようと思っていたのですが、店にははじめからわたしがいない前提で組むべきでした。

キャストが10人では、特定の「ママ」か「シンボル的存在」に会いにくるお客様を集めないとお客様が飽きてしまいます。わたし自身、「25歳で歌舞伎町をオープンしたときには立ち上げを頑張れたのでまたいける!」と勝手に思っていましたが、40歳でしかも切羽詰まった状況でもないため、現実には踏ん張れませんでした。

◆子供が突然「中学受験したい」と言い出した

これらのことを生かして、またすぐに店舗展開に取り組めたらよかったのですが、現実には「失敗した」という現実を目の当たりにして少しやる気がなくなってしまいました。

そんな時、子供が小学4年生になり「中学受験をしたい」と言いはじめました。にもかかわらず、学校の先生が言ってることも塾の先生が言ってることも全く意味がわからないのだそうです。

わたしは「大丈夫。ママは中学受験してるし、ママも先生が言ってること、全然意味がわからなかったから」と言って、腐っていた毎日に終止符を打ち、毎日、子供の勉強を見るようになりました。

わたし自身、何事にもいつも全力投球なので日々充実しているのですが、はじめの頃はなんだか嫌でした。

もちろん、子供はかわいいですが、今までは、わたしが一歩外に出て、働いているときは、子供が熱が出てようとなにがあろうと、いつも涼しい顔で働いていて、どんな言い訳をしたとしても、家や子供を理由にだけは絶対しないぞとずっと決めていました。

それなのに、今は勉強、勉強とこどものことばかりで、なんだか情けない気分になっていました。

◆子供に教えて気づいた「効率の良い勉強法」

でも、結果としてよかったです。小学生というのは、まだまだいろいろな理解がまだらです。算数でいうと大小の概念や、かけ算、割り算の概念が根本的にわかっていません。

はじめのうちは、紙上でわかりやすい説明を心がけてましたが、おはじきを使うようになり、そのうち100個くらい入っているチョコレートや30センチくらいある長細いグミ、コップに水を入れたり、体重計で重さを測ったり……。そうやって、実際にやってみながら説明すると理解がはやいことに気づきました。

そして、何度も繰り返し説明をします。説明をしてやっと理解したと思っても、理解できたのと実践できることは、また違います。何度も同じ問題をやっていると、少しずつできるようになっていきます。

その過程のなかで、少しでもバカにしたような態度や、上から目線で文句を言うととたんに極度に能率が悪くなるのです。このことは店でも応用できました。

◆「Connecting The Dots(点と点をつなげ)」

キャバ嬢や黒服のマニュアルを作り、グループラインで営業や仕事の基本を流したりしていましたが、やはり実際にやってみせるのが1番でした。

そして、理解したらとにかく実践してもらう。何度も実践していく過程のなかで、努力した過程をとにかくほめる、悪いところには目をつぶる、そして繰り返し練習するのを温かく見守る。教育というのは、これに尽きると思いました。

今年の3月から勉強をみはじめて約半年が経ちました。一見、仕事にはなんの関係もないように思えたけど、一生懸命やってみてよかったです。教育という意味では、子供も、店も同じでした。

アップルを創業したスティーブ・ジョブズは「Connecting The Dots(点と点をつなげ)」とあるスピーチで言っていました。働いていると、「これは一体何のためにやっているのだろうか?」と疑問に感じる場面も多いでしょう。

しかし、そんなときにあれこれ深く考えるより、今の仕事を愚直に突き進めたり、やりたいことを一生懸命やることが、予想外の出会いやひらめきにつながるのだと思います。点と点は、一見、関係のないように見えても、それは必ずどこかでつながります。

<TEXT/内野彩華>

―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―

【内野彩華】

新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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