ビジネスマンが知っておくべき『グルメの新常識』 第20回 「パーフェクトフード」


次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第20回は「パーフェクトフード」。

○「パーフェクトフード」って何?

タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンなど、人間が生きていくためにはさまざまな栄養が必要だが、これらをすべてバランスよく摂るのはなかなか難しい。特に毎日忙しいビジネスマンの中には、ランチはデスクでコンビニ飯、帰宅しても疲れ切って夕飯を食べずに寝てしまう……なんて人もいるのでは。そんな栄養バランスのくずれた現代人のことを考えて作られたのが、人間が健康を維持するために1日に必要な栄養素の一部を1食で補える「パーフェクトフード」(あるいは「完全食」)だ。

パーフェクトフードの先駆けといわれているのが、2013年にアメリカで誕生した粉末食品「ソイレント」。ロブ・ラインハートという起業家の男性が「食事にかかる時間やコストを減らしたい」という思いから開発に着手。ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸や炭水化物などを含んだ粉末食品・ソイレントが誕生した。この粉末を水に溶かしてシェイクのようにして飲むだけで、他の食事をしなくても栄養が摂れるとアメリカ西海岸を中心に話題になり、後にプロテインバータイプの「ソイレントバー」、朝食代わりになるコーヒーテイストの「Coffiest」なども登場している。
○「パーフェクトフード」はどこで食べられる?

アメリカで話題になっているソイレントだが、日本では残念ながら未発売。しかしながら、ここ数年で日本生まれのパーフェクトフードが続々と登場し、注目を集めている。いずれの商品も基本的に店頭販売はなく、ECサイトでの購入に限られていることもあり、「実際に購入した・食べた」という人の口コミがネットやSNS上で広がっているのだ。各商品に含まれる栄養素は厚生労働省が定める「栄養素等表示基準値」や「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に基づいて計算されており(メーカーによって異なる)、日本人の体に合った商品であることも魅力の一つになっている。

ソイレントに着想を受け、2016年に日本初のパーフェクトフードとして発売されたのが、ベンチャー企業のコンプが開発した「COMP(コンプ)」だ。薬学博士でもある同社の代表が、偏った食生活で栄養失調に陥った自身の経験から開発に着手した商品で、同社のWEBサイトで購入できる。現在は主力商品である「COMP POWDER(パウダー)」(税込5,000円/12パック)、UHA味覚糖と共同開発した「COMP GUMMY(グミ)」(同5,000円/10パック)、開封してすぐ飲める「COMP DRINK(ドリンク)」(同7,800円/6パック)の計3種類で展開している。それぞれ必須栄養素である必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよく配合しており、パウダーとグミは1パック400キロカロリー、ドリンクは1パック(1リットル)1,000キロカロリーとキリが良く、ダイエットなどでカロリー調整が必要な場合も計算がしやすいのも魅力的だ。

購入者層は20~40代が多く、同社ビジネスチームディレクターの宮本善史さんは「男性のみならずここ1年で女性のお客様が倍増し、数をどんどん伸ばしています」と話す。仕事で忙しい日や、トレーニングや移動の合間の小腹を満たすのに役立てているという意見のほか、女性や高齢者から「食が細くても無理なく食べられた」「疲れているときも献立を考えなくてよくなった」などの声が届いているという。

パウダーとドリンクは豆乳風味、グミはフルーツミックス風味。初めはパウダーのみの販売だったが、現代人の幅広いライフスタイルに合うよう購入者の意見を取り入れ、商品の改良やラインナップの充実に注力している。今後の商品開発についても「タンパク質、糖質、脂質のバランス・量に着目した商品も欲しいとの声も多いため、積極的にご対応できるようにしていきます」(宮本さん)と意欲的だ。

"あの日清からパーフェクトフードが出た!"と話題になったのが、2019年3月に販売を開始した日清食品の完全栄養食ブランド「All-in PASTA(オールインパスタ)」シリーズ。開発の経緯として、カロリーは足りているのに必要な栄養が十分に摂れていない「新型栄養失調」や「隠れ栄養失調」という言葉が多く聞かれるようになった現代人の食生活に着目し、「十分な栄養を簡単においしく摂取できる食品のニーズは今後高まるのではないかと考えた」(日清食品ホールディングス広報部の青木遥さん)という。

見た目は普通のパスタだが、同社が開発・特許申請中の独自の製麺技術「栄養ホールドプレス製法」で作られており、茹でると流出しやすいビタミンやミネラルなどの栄養素を、食感の良い小麦ベースの層で包んだ構造になっている。この製法により、1食で1日に必要な栄養素の3分の1を含みながら、おいしさもキープしているという。実際に、購入者からは「完全栄養食とは思えないほどおいしい」「いつも食べているパスタとあまり違いがない」といった声が届いているという。

現在の商品ラインアップはパスタのみの袋麺タイプ(税別400円)、パスタと専用のソースが入ったカップタイプ(税別600円)など。現在は同社のオンラインストアとECサイトのLOHACOのみでの販売となるが、一食から購入できるので、まず試してみたいというパーフェクトフード初心者にもおすすめだ。
○「パーフェクトフード」を使ったラーメンを食べてみた

通販を主体としながら、さまざまな飲食店と積極的にコラボしているのが「BASE FOOD(ベースフード)」。2017年2月に麺、2019年3月にパンと、世界で初めて主食のパーフェクトフードを開発・販売し、累計50万食の売上を突破している(2019年5月時点)。2019年7月にリニューアルを行い、より食べやすい味へと改良した。生麺タイプの「BASE NOODLE(ベースヌードル)」(税込390円)と、袋から出してそのまま食べられるパンの「BASE BREAD(ベースブレッド)」(同390円)の2種類で、どちらも1食で1日に必要な栄養素の3分の1の摂取が可能だ。

その「BASE NOODLE」を使ってコラボしたのは、なんとラーメン店。煮干しをたっぷり使ったスープで知られ、海外にも数多く出店している「すごい煮干しラーメン凪(なぎ)」だ。今回は西新宿店を訪れ、ベースフードとコラボした「BASE RAMEN(ベースラーメン) すごい煮干し」(税別1,080円)を実食した。

ひと口目は煮干しのエキスがたっぷり詰まった濃厚なスープを飲み、普通のラーメンと同じように食べ進める。使われているBASE NOODLEは、全粒粉や大豆、昆布など10種類以上の食材がブレンドされたほのかな甘みを感じる麺。噛みごたえがあるがボソボソとした食感ではなく、もちっとした適度な弾力がある。筆者は「見た目も味も蕎麦に近いのかな」と感じた。もっと味気ないものをイメージしていたので、いい意味で予想を裏切られた。

麺自体に個性があるため、香り豊かで濃厚な煮干しスープとの相性は抜群。どちらの良さも消すことなく、大満足の食べごたえだ。それなのに、通常のラーメンと比べて麺の糖質50%オフ、さらにBASE RAMEN用にスープも減塩されているというので嬉しい限り。後引く味で箸が止まらず、気づけば完食してしまった。

「以前から健康を意識したメニューを作ろうと考えてはいましたが、技術や知識が足りずに実現できていませんでした」と話すのは、すごい煮干しラーメン凪を運営する凪スピリッツ広報担当の朱逸萍さん。ヘルシーメニューの導入を模索していた頃、BASE FOODから提案を受け、コラボメニューの誕生につながったという。

2018年12月からBASE RAMENの販売を開始したところ、いち早く反応したのは健康を意識し始めた30代以上の男性や、幅広い年代の女性客。「ラーメンを食べたいけどどうしても罪悪感が……」という人も気にせず食べられると好評だそうだ。

BASE FOODは他にもさまざまな飲食店とコラボ中。三軒茶屋のイタリア郷土料理店「ペペロッソ」では、BASE NOODLEを使ったパスタを提供。恵比寿のハンバーガー専門店「バーガーマニア」では、追加料金を払うと普通のバンズからBASE BREADに変更できるという。パーフェクトフードに興味はあるけど、家で調理する時間もない! という人は、飲食店でコラボメニューを楽しむのも一つの手だ。

多忙なビジネスマン、栄養が偏りがちな一人暮らしの人、毎日の献立を考える主婦など、幅広い世代の人々から注目が集まっているパーフェクトフード。健康を気にするのなら、まずは一食取り入れるところから始めてみては。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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