5人に1人が「繊細さん」。気がつきすぎて疲れる人が、生きやすくなるコツ

女子SPA!

2019/8/11 15:46

 情報過多の世の中、知らないところで自分の情報がひとり歩きしているようで、一時も気が抜けない、気づかいし過ぎて疲れる……。そんな人は、決してめずらしくはありません。

◆あなたも「繊細さん」かも

『「繊細さん」の本』は、HSP(とても敏感な人)専門カウンセラー武田友紀さんが書いた、「『気がつきすぎて疲れる』が驚くほどなくなる」本。では本書が言う「繊細さん」って、どんな人をさすのでしょう。

「職場で機嫌の悪い人がいると気になる」

「人と長時間一緒にいると、疲れてしまう」

「小さなミスに気づいて仕事に時間がかかる」

そう、些細なことを敏感に察知する、感じやすい人です。気にするほどじゃないと頭ではわかっていても、気になって仕方がない、気になっている自分を他人に悟られている気もして、どうにもならないループにはまってしまう。

本書によるとこれらの例は「性格によるものと誤解されてきました」と言います。ところが「エイレン・アーロン博士が行った調査により、『生まれつき繊細な人』が5人に1人の割合で存在することがわかってきました」。アーロン博士は1996年、そのような人をHSP(Highly Sensitive Person)と名付け、研究を続けています。

そう、HSP(以下「繊細さん」)は「脳の神経システムが刺激に反応しやすい」のです。「繊細さんが小さなことに気づくのはごく自然なこと」。自信を失ったり、落ち込む必要はまったくありません。

◆ストレスの原因は人間関係

繊細さんにとってのストレスは、なんといっても人間関係。仕事でもプライベートでも、接する相手の言動に反応してしまう。これがいわゆる「非・繊細さん」なら、人は人、と割り切れても繊細さんはそうもいきません。

これは当然で、「繊細さんにとって最大の罠は『相手の“わからない”という感覚が、わからない』ことなのです」と本書。繊細さんにはまず、「自分が当たり前に持つ感情が、相手には『ない』のではないか?」という疑問を持ってほしいと本書は説いています。

確かに、そもそも自分と同じ感情が「ない」のであれば、ないのだからしかたがないと、いい意味でのあきらめがつくと思いませんか。

◆過剰に傷つかないで生きる方法

「私だったらもっと言い方に気をつけるのに」

「ゴミをポイ捨てしている人を見ると、信じられない」etc……

配慮がない人を見てしまうと許せない気分になる、自分のことのように落ち込んでしまう、等々、繊細さんならではのあるあるメンタル。本書いわく「『配慮する力』にも個人差がある」と考えると、繊細さんとまわりの人がすれ違う理由が見えてくると言います。

もともと配慮や気遣いというのは、人によってレベルが異なります。配慮や気遣いを常識ととらえる人もいれば、重苦しいと嫌悪する人もいるかもしれません。「繊細さんたちのコミュニケーションには、言語外の情報が数多く含まれます」と本書が指摘するように、繊細さんと非・繊細さんには意識の違いが出るのは当然。

「世の中を見渡してみると、繊細さんの『ごく自然に配慮する』という行いのほうがハイレベル」という事実を繊細さんご自身が認めていれば、非・繊細さんの配慮のなさを、個性として達観できるのではないでしょうか。

◆「相手の気持ち」を答え合わせする方法

繊細さんの特性は、相手の気持ちをキャッチしやすいところ。たとえば、怒っているな、イライラしているな、などですが、これはあくまで感情です。その先の理由までは、残念ながら推し量ることができません。

これは私にも経験があるのですが、対相手が何やら機嫌が悪いとつい、私のせいかな、と思ってしまいますよね。繊細さんはそういった思考の流れが顕著に現れてしまい、本当はあなたのせいではないのに、私のせいだと思い込み、憂鬱になってしまう。それって、実にもったいない!

「相手の気持ちを察したら、合っているのか、ぜひ確かめてみてください」と本書。とはいえ相手に「どうして怒っているの? 私のせい?」とダイレクトにたずねるのは、さすがに勇気がいります。

まずは、食事の場面などで相手の好みを推測し、「それ、おいしい?」など、相手の気持ちを聞いてみるのがオススメ。「相手の答えが自分の予想と合っているのかをチェックし繰り返すと、『人の考えは、案外わからないものだな』と実感できます」と本書。すると自然に、「自分のせいではない可能性に目が向くようになるのです」。

個人的にも、今、繊細さんは増えていると思います。でも、繊細すぎるのは決して悪いことではありません。ほんの小さなコツで、生きづらさは解消できるのです。繊細さを自覚している方にも、そうでない方にも、一読してほしい一冊です。

―小説家・森美樹のブックレビュー―

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)を上梓。Twitter:@morimikixxx

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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