1200万円のベンツから60万円のクラウンオーナーになった母も気づいた「中古車の魅力」

日刊SPA!

2019/8/11 15:50

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

腕時計もクルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

◆第25回 決算セールで安い新車を買うより中古車が断然お得

私が、腕時計の次に売れるモノとして提唱しているのが中古車です。

ですが、ほとんどの人は、新車をいかに安く買おうかと目論んでいるのでないでしょうか。「クルマ 安く買う」なんていうキーワードでネットを検索してみると、よく出てくるのは新車を安く買う記事です。たしかに、新車が欲しい人にとっては朗報の記事で、私の同世代の友人なんかも「決算セールで安く買えた!」と自慢していたりします。

けれども、このセールで安く買うというクルマの買い方は、売る時のことをまったく考えていない買い方なのでやめるべきです。つまり、定価より安く買えたのはお得かもしれないけど、売る時のことを考えた場合、本当に得かどうかはわかりません。

◆大事なのは値引きの額ではない!

もうおわかりかと思いますが、重要なのは「購入した額―売却額」です。この差額が少なければ少ないほどお得です。たしかに、300万円の車を50万円値引き状態の250万円で買ったと聞くと一見お得なようですが、売る時に30万円にしかならないのであれば220万円をクルマに払った計算になります。220万円ともなると、それほどお得じゃない感じがします。

特にクルマは、売る前提で買うことに向いている商品です。クルマを持っている人であれば「下取り」や「買い取り」というのは当たり前の言葉です。にもかかわらず、なぜ値引き商品が安上がりだと思うのでしょうか。値引きもたしかに、買った時と売る時の差額を減らす要素の一つです。しかし、大体の人は「30万円」とか「50万円」という目の前にある値引きの数字に安さを見出していると思います。

新車以外は物欲が刺激されないという人や、企業のように業務マネジメントの観点から新車の必要がある場合は中古車を検討することはできないでしょうが、なんとなく新車を買っている人はぜひ中古車も検討材料に入れていただきたいと思います。

「エコカー減税」という言葉に反応して車が売れる状況を見れば多くの人が新車を買うのが当たり前という発想なのでしょう。しかし、エコカー減税がどれだけ得なのか、内容をわかっているでしょうか。

また、「どうせ中古車でしょ?」とか中古車のことをバカにしたり、「壊れて結局メンテナンスが必要になる」「燃費が悪い」などと言って中古車に対して漠然とした不安を抱く人がいます。中古車をバカにする人は、その思い込みが結局、損を生んでいることに気づいていません。中古車はボロボロだから安いのではなくて、単に型落ちになって人気がないから安く売られているだけなのです。

◆中古車か新車かは普通の人は見分けられない

旧型というだけで安く買えるのはお得です。例えば1980年代のカクカクしたクルマと1990年代の丸っこいクルマのように、明らかにデザインの差があれば、違いは一目瞭然です。しかし、今一番安い中古車の年式である2000年代前半のクルマと、今新車で売られているクルマとの間にはデザイン的な差は、素人目にはあまりありません。1980年代のクルマとだったら、詳しくない人でも、今のクルマと違うことはわかるでしょうが、2001年の車と2016年の差はクルマ好きでなければ気づかないと思います。

はっきりと言えるのは、中古50万円以下で買える2000年代前半のクルマと今のクルマとの間に、ユーザーが我慢しなければならないぐらい大きな差はないのです。例えば、50万円以下ではマニュアルのクルマしか売っていないとか、窓ガラスが手動式とか、すぐに壊れて結果高くつくのであれば、新車を買ったほうが得でしょう。たしかに、1990年代ぐらいまでの中古車の常識はそういう傾向があったかもしれません。けれども今は、総額30万円ほどで買える2000年代前半の車と300万円以上出して買う新車との間にそんな差はありません。一番大きな差があるといえば、自動停止装置ぐらいでしょう。

総額30万円とか50万円で買える中古車と今の新車300万円で売っているクルマとの間には、走行性能も、燃費性能も、便利機能も、そんなに大きな差はないのです。しかも、総額50万円でクルマを買えば、どんなに売れなくなるぐらい乗りまくってもクルマに払った総額は50万円。つまり、50万円でクルマが買えるのです。

50万? 安すぎて逆に怖いよ、と思う人もいるでしょう。私も先日母が仕事に使うクルマを総額60万円で買いました。母に60万円のクルマを運転させるのは最初戸惑いました。だって、消費が狂っていた時代に新車で1200万円するベンツのSL500を色違いで2台買ったような人が60万円のクラウンに乗るのですから。

母としては総額60万円のクルマ、というより「クラウン」という車種のほうがイメージ的に嫌だったみたいですが、いざ乗ってみたら快適だったらしく、今ではお気に入りです。当然、故障なんて一つもありませんし、トヨタの1年保証が付いていたのも安心材料でした。

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

【斉藤由貴生】

1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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