ザ・モアイズユーが地元・大阪で泣き笑いのツアーファイナルーーエモーショナルかつノスタルジックな夜

SPICE

2019/8/9 19:00

ザ・モアイズユー『想い出にメロディーを』TOUR 2019.7.28(SUN)LIVE HOUSEPangea


大阪発のセンチメンタルロックバンド、ザ・モアイズユーが、自身初の全国流通ミニアルバム『想い出にメロディーを』のリリースツアーを開催し、7月28日に大阪のLIVE HOUSEPangeaにて全国8か所目となるファイナル公演を行った。ソールドアウトとなった同日は、関西出身の盟友・ペペッターズとムノーノ=モーゼスいう2バンドと競演。3バンドとファンでツアーのゴールを盛大に祝った一夜の様子を紹介しよう。

ムノーノ=モーゼス
ムノーノ=モーゼス

トップバッターは神戸を拠点に活動する4ピース。まずはスローな「風を待って」でフロアをじんわりと温めると、自ら「夏の権化」と言うように夏にぴったりの「なぎさ」などでいっきに夏模様を描き出す。耳なじみのいいメロディや甘酸っぱいリリックはさわやかな感触も十分で、観客は彼らの音世界に体を委ね始め、さらに「消えない会話」ではクラップも! そして茶目っ気あるボーカルから熱量と楽しさを増して味のあるコーラスも印象的づける「スイートハート」や、突き抜けるポップを隅々に広げる「ドキドキ(しちゃうね)」で人々を弾ませると、ラストはギターもどこかトロピカルな「ギュッと抱きしめて」でリバーブたっぷりにムーディなチークタイムのムード。
ムノーノ=モーゼス
ムノーノ=モーゼス

ロマンチックに全7曲を締めくくった。ちなみにMCで若月(Vo)は「モアイズユーのスケジュールを見せてもらって、スゲーなと……」と、良きライバルの活躍を喜びながらも触発されているよう。ザ・モアイズユーと切磋琢磨し前進する彼らの今後にも期待が高まる!

ペペッターズ
ペペッターズ

「呼んでくれてありがと、モアイズユー!」という広村(Vo&G)のコールから地続きに「louve」で幕開け。ドライなドラムや広村と中西(B)の2声の混じり具合も絶妙に轟音と浮遊感を共存させ、のちにザ・モアイズユーのオザキ(D)が「(出会った時から)ビビッときてました」と語るセンスを早々に発揮する。続く「Nagarl」も変則的な展開や妖しげなベース、広村のハイトーンで存在感たっぷりに引きつけ、「趣味」でも流麗なギターやずっしりとしたベース、さらに中西と國乘(D)のぞわりとするコーラスをブレンドし高い自由度。曲同様に観客もそれぞれのスタイルで音楽に集中する。
ペペッターズ
ペペッターズ

また「FIT」では獰猛なプレイ、「跳ぶ」では不敵なボーカル。曲ごとにも曲中にも仕掛けられた多彩な落差で翻弄すると、MCもある意味ギャップあり! ザ・モアイズユーとの出会いを「初めて会ったのに10時間ぐらい飲んだもんね(笑)」(広村)と極平熱で振り返る。そしてとどめの1曲「Dynamo」でも美メロとミステリアスなサウンドを一つにし“らしさ”を全開させ、会場を「ペペッターズ色」に染め上げた。

ザ・モアイズユー 
ザ・モアイズユー

今夜の主役は「光の先には」のサビのアカペラで登場すぐにファンのハートをわしづかみ! 詞と同じく多くの手が3人に伸びると「ついに来たぞ、ツアーファイナル!」と本多(Vo&G)が雄叫び、「fake」では大クラップ発生。以登田(B)も髪を振り乱してのアクトでこたえれば、曲後にざわめきがおさまらない。するとこれを鎮めるように、やさしい歌声で綴る「花火」でせつなさいっぱいの夏を表現するから、観客も今度はうなずくようにして聴き入る。またMCでは本多が「ドキドキワクワクしてビクビクしておりました(笑)」と心境を吐露し、「一秒たりとも無駄にしたくないです」と言葉を詰まらせるが、「旅は続く」が鳴り出せば背中を押すドラムとシャウトにも近いボーカルで上昇して再びオーディエンスを跳ねさせ、冬から春へのバラードゾーンに突入。
ザ・モアイズユー
ザ・モアイズユー

「雪の降る街」で寒さのなかの温もりを思わせるメロディに吐息混じりの声をのせたあとは、「桜の花びら」でより感傷的に……。アカペラからの大サビは桜吹雪を見たような高揚感ももたらす。すると本多はこれまでを思い返し「自分のために音楽を始めたんです。それやのに誰かのためになってるとか……そんなことありえんのか?って。でもありえるんです」と泣きだす寸前。加えて会場のLIVE HOUSEPangeaにも謝意を述べ、「そういう人たちのおかげで歌ってこれたんです。だから全部(恩を)返したいんです。そうあり続けるために歌い続けます!」と決意表明して「何度でも」へ。彼らの思いと衝動を詰め込んだ曲はスピードを上げ手拍子にのって進み、舞台をまっすぐ見つめるファンとメンバーは絶対的な信頼感でつながっているようだ。
ザ・モアイズユー
ザ・モアイズユー

そしてアンコールでも興奮は冷めず、以登田は「(グッズ紹介をするはずだったが)今日はもうそういう気分じゃないんでやりません! 感無量でございます」と涙目。だが本多が「さんざん楽屋でやるって言ったのに(笑)」とツッコんで笑いにすると「まだやりたいこと歌いたいことがあるんで期待していてください!」と最終の「トーキョー・トレイン」! エモーショナルかつノスタルジックに訣別の瞬間を浮かび上がらせつつも、達成感と次の出会いに向けた爽快さもある明るい別れの時を迎えた。そんな地元での最終日だからこそのラストシーンはファンの目と耳にしっかりと焼きついたことだろう。

取材・文=服田昌子 撮影=田浦ボン

当記事はSPICEの提供記事です。

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