中村獅童の熱量と初音ミクの臨場感に圧倒される新感覚歌舞伎『八月南座超歌舞伎』これぞまさにエンタテインメントの極み

SPICE

2019/8/8 18:00


歌舞伎俳優・中村獅童とバーチャルアイドル・初音ミクが共演する『八月南座超歌舞伎』が8月2日、京都・南座で開幕した。

「超歌舞伎」は2016年よりニコニコ超会議のなかでおこなわれ、伝統芸能・歌舞伎とボーカロイドの融合が反響を呼んだ。NTTによる最新技術を駆使した演出は特に見どころで、分身の術といった摩訶不思議な世界観も実現。そんな超歌舞伎が今回、歌舞伎の劇場で初めての開催とあって早くから期待を集めていた。

『超歌舞伎のみかた』  (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎
『超歌舞伎のみかた』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎

南座公演では、初めて超歌舞伎を観劇する人のために、一幕目に『超歌舞伎のみかた』を用意。中村蝶紫と澤村國矢が登場し、NTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」の解説ほか、「超歌舞伎ではそれぞれ、ここぞと思ったときに大向う(「萬屋!」などの掛け声)をかけても良い」と歌舞伎ビギナーに手ほどき。また、会場内で販売されている特製サイリウム(ペンライト)については、「ぜひ手に持って応援してほしい。(登場人物によって)青、赤などに色を切り替えてください」と呼びかけた。

『當世流歌舞伎踊』  (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎
『當世流歌舞伎踊』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎

続いて上演されたのが『お国山三 當世流歌舞伎踊(いまようかぶきおどり)』。1603年に出雲の阿国(いずものおくに)がかぶき踊りを京都で披露したことから、「歌舞伎発祥の地」に建つ劇場、南座公演のために書き下ろされた新作舞踏だ。

『當世流歌舞伎踊』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎/(C)CFM
『當世流歌舞伎踊』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎/(C)CFM

初音ミクが出雲のお国役、中村獅童がその恋人・名古屋山三役を勤め、紅葉や桜などが舞いふる中で踊り、豪華絢爛の舞台上で繰り広げられる、力強くもどこか可愛らしい踊りの数々に観客側も自然と体が揺れる。

『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』は、初音ミクの代表曲「千本桜」と歌舞伎の名作「義経千本桜」をまじわらせ、『ニコニコ超会議2016』で初演された超歌舞伎の記念碑的作品。

『今昔饗宴千本桜』  (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎
『今昔饗宴千本桜』  (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎

大正百年、帝都桜京。美しく咲き誇る千本桜をめぐって、美玖姫(初音ミク)、佐藤四郎兵衛忠信(中村獅童)、青龍(澤村國矢)らの運命が激動する物語だ。映画館のスクリーンのような大画面で映し出されるオープニングアニメーション、大正ロマンあふれるセットなどに一気にひきこまれていく。青龍が火を吹く場面は超歌舞伎ならではの視覚効果で、その迫力に驚く。

初音ミクも臨場感があり、役者たちとも息のあった掛け合いをみせる。そして何といっても、中村獅童の存在感の大きさ。芝居のすばらしさはもちろんのこと、通常の歌舞伎ではなかなかできない、花道を駆け回っての観客への煽りは、さながらパンクミュージシャンのライブのよう。

『今昔饗宴千本桜』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎
『今昔饗宴千本桜』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎

圧巻は、初音ミクとの宙乗り。「千本桜」が爆音で鳴り響くなか、「オイ! オイ!」と拳を突き上げる中村獅童。「これぞエンタテインメントの極み」というほど圧倒的なエンディングとなった。

『今昔饗宴千本桜』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎
『今昔饗宴千本桜』 (C)NTT・松竹P/(C)超歌舞伎

ちなみに『今昔饗宴千本桜』はリミテッドバージョンも上演され、本公演では敵役の青龍を演じた澤村國矢が、本興業では自身初の主演となる佐藤四郎兵衛忠信役をつとめる。獅童とはまた違った魅力を発揮している。

『八月南座超歌舞伎』は8月26日まで京都・南座で開催。

当記事はSPICEの提供記事です。

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