luz、輝ける未来を示した『4th TOUR -FANATIC-』ファイナル・東京公演

SPICE

2019/8/8 18:00

luz 4th TOUR -FANATIC-
2019.8.1 Zepp DiverCity(TOKYO)


“明らかにこれまでのワンマンとは違う!!”
それは、いつもの「一緒に創り上げる」体感とは違い、どこか支配され、そこについて行き、いい意味で周りと共に特殊な一体感を育み、結果、良い景色へと辿り着けた類い。この日のライブには、開始直後にそれを直感し、曲が進む毎にそれを実感し、段々と確信へと変わっていくのを感じた。

この日は2部構成ともいえる展開であった。本編ではひたすらストイックに、一体感や共有感、一緒にライブを作り上げている実感を擁しながらも、一方的にグイグイと惹き込まれ、バンドがちょっと先を走っていくのについていく感受があった。いわゆる、何度もライブ中にluzから煽られた、良い意味で「狂信しろ!」を体現/体感しているようであった。対してアンコールでは……。
この日のluzのワンマンライブは、カリスマで孤高、ストイックでカッコいいロックバンドのボーカリストの面、対してアンコールでは一変。これまで通りの親しみやすく、会場も交えた楽しさ溢れるライブがあえてセパレートされて贈られた。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

6月より全国10箇所を回った『luz 4th TOUR -FANATIC-』が、この日のZepp DiverCity(TOKYO)で完結した。luzの全国ツアーはもはや毎夏の恒例。今年で4回目を迎える。RENO(G)、MiA(G / MEJIBRAY)、MASASHI(B / Versailles)、LEVIN(Dr / La'cryma Christi)と共に回った今回のコンセプトは「FANATIC=狂信者」。最新曲のタイトルにもなっており、その歌内容にはファンとluzの関係性も綴られていた。

厳かな教会音楽が場内BGMとして流れている。それらが突如大きくなり、神聖さに包まれていく中、突如暗転。登場SEが雄々しく鳴り響く。ライトとサウンドがシンクロを魅せる無人のステージに、まずはバンドメンバーのシルエットが。セッティングを終えたタイミングでluzも登場。背後のバックライトが彼を浮かび上がらせる。
「最後の宴だ!」とこの日のライブ開始を告げるluz。このツアーのために制作されたメタルコアな「FANATIC」が場内に襲い掛かってくる。ダークファンタジックに広がる世界の中、そこからすくい上げ、引き上げ、引き連れんとマントのフードを被ったまま歌うluz。間奏ではステージ/フロア交えてヘッドバンキングが起こり、「今宵の宴に集おうぜ!!」と誘う。「最後の晩餐だ! 暴れろ!!」(luz)と「Labyrinth」に。マントを脱ぎ捨てluzの全貌が現れる。MASASHI、LEVINから成るリズム隊から生み出されるスリリングさとドライブ感もたまらない同曲。もう離さない、愛し方を教えてと会場をグッと抱き寄せる。さらに迷宮に誘うように「え?あぁ、そう。(Labyrinth Ver.)」に入ると、妖艶さがグッと増加。MASASHIもスラッピーなベースプレイを交えていく。ここではMiAとluzがエロティックに絡み合うシーンも印象深い。続いての「SISTER」ではホーンの音色も同期。バーレスクなパーティの如く、神秘的でミステリアスさが育まれていき、合わせて会場もスウィング。華やかだ。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

と、本来ならここでMC。……と思いきやシームレスにトランスビートが流れてはいるが喋りは一切なし。そう、この日の本編は、間はSEで繋がれ、あえてMCナシで行われた。以後も曲中に煽りやアジテートはあるものの喋り的なものは一切ナシ。「サンキュー」すら口にしないストイックなライブが展開されていく。

「最後なんだぞ! 歌え!!」とluz。「一騎当千」の上昇感と4つ打ちの弾んだビートが会場全体にバウンスを引き起こしていく。「まだまだ飛ばすぞ!!」と入った、MiAの印象的なリフレインの「ヒバナ」を経て、「ファントムペイン」では背徳感が場内を支配していく様を見た。また、同曲ではRENO、MiAによるツインリードも炸裂。会場の熱度が更に引き上がっていく。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

幻想的なSEを挟み、「kiss my eyes」ではスリリングさと妖艶さ、艶めかしさとセクシーさ全開のスウィングパーティが繰り広げられる。RENOも妖艶なギターソロを披露。楽曲をよりドラマティックに演出していく。また、フラッシュするニンジャーライトのなか現れた「光」では、遠い記憶を探るようなちょっとした切なさを帯びた歌声が会場の隅々にまで染み込んでいき、対して「かなしみのなみにおぼれる(まふまふ Arranged ver.)」では、哀しさを帯びたピアノ音に乗せてその歌声も印象深い。そして闇の底から引き上げてくれるかのように響いた「心做し」では、一人にしないでとの心情が切実に訴えられ、その哀しみを湛えた歌声が場内いっぱいに広がり、最後は愛の在処に行き着けた感を得ることが出来た。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

ミニマルな鍵盤SEを挟み、「ロスティナメイズ」からは華やかなパーティが開幕していく。ロングコートをはためかせ回り踊るluz。ここではMiAとのエロティックな絡みも場内に嬌声を上げさせた。パーティソングは続く。次曲「クイーンオブハート(SISTER Edition)」ではホーンの音色と共にロンドを華やかに背徳性も交え広げていく。

「ここからは後半戦だ! 興奮しに来たんだろ? ここでしか経験したことのない経験をしに来たんだろ? いい子だ!!」との言葉と共に歌謡性の高い「REFLEXION」が放出される。そして、会場を交えたコール&レスポンスから入った「DISORDER」以降は、ライブがこれでもかとの激化を見せていく。

「ここにいる以上はお前らは俺のもんだ! だからお前の全てを俺に捧げろ!!」と「M.B.S.G」に。ドライブ感のあるサウンドとへヴィなラウドロックっぷりに会場もコブシと咲き、ヘッドバンキングの波状攻撃で応酬していく。「最後は一つになって暴れようぜ!!」と、徘徊するサーチライトや目まぐるしく走り回るライティングと共に「Dearest,Dearest」が最後に届けられた。
「狂信しな。心から愛してる」(luz)の言葉を残しメンバーは一旦ステージを去った。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

アンコール。ここまでストイックにひたすら進んできたのに対して、カウンターの如く彼らが急にグッと 近づいてくる。まずはサビでのタオル大旋回も壮観だった「ハートイーター」が会場を楽しさと共に一つにしていく。

ここでようやくMCが。以後は急激に親しさと共にステージとの距離が縮まっていく。「ファイナルだからおでこ上げた」とluz。確かに前髪を上へと上げ、彼としては珍しいヘアスタイルだ。その後、即興で思いついたラップでのメンバー紹介が。メンバー各位たどたどしいラップで応酬していく。
そして、luzがドラムに座り人生初のドラムを披露。むっちゃ稚拙だ……(笑)。場内も朗らかに微笑ましい雰囲気に。その和みを経て、エレクトロメタルコア版とも言える「キューティーハニー(SISTER Edition)」が会場を再び走り出させていった。
luz 4th TOUR -FANATIC-
luz 4th TOUR -FANATIC-

ここからのMCは長くも、ある種の感動さを擁していた。「みんなと約束した夢の舞台へとどんなに時間がかかっても連れて行く」と改めて強く約束。続けて「みんなは家族のような存在。空っぽの僕に歌う意味を与えてくれた。そんなみんなに感謝の意味も込めて」と「ピーターパン・シンドローム」が贈られる。疾走感とドライブ感溢れる8ビートの上、溢れる爽快感と共に秘めた約束が硬く交わされていく様を見た。最後は6/8拍子のロッカバラード「光彩」。同曲が感情移入たっぷりに、優しく包み込むように感動とダイナミックさを交え場内の隅々にまで広がっていく。それは、「次も美しい世界を見せてあげるから、また会おう」そんな約束のようにも響いた。最後は会場各所に設置されたミラーボールも一斉に眩い光を乱反射。美しくも幻想的、それでいて尊い景色が生み出されていった。
「本当に今回も最高のツアーでした。ありがとう!!」と最大級の賛辞を残し彼らはステージを去った。

とてつもないツンデレを味わうと同時に会場が狂信=共振=共進=教信=共信していく様を見た、この日。途中のMCでは、周りの同期ぐらいの仲の良い歌い手たちが近年次々とステージを大きくしていく中、現状の自身のライブのペースや規模感を振り返り、そこにはやや焦りや悔しさ、寂しさの類いも伺えた。しかし逆にこの日は、こんなにも狂信的なファンに支えられていることを改めて実感。更に心強くなれたのではないだろうか?
彼には狂信的なファンがこんなにもついている。そして、これからもそれはもっともっと増えていくことだろう。いつか彼がステージから約束してくれた、「日本武道館のステージに立つ!!」との約束。それはそんなに遠くない未来かも……。改めてそんな確信を持てた一夜であった。

文=池田スカオ和宏 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

※「REFLEXION」の“O”は、アキュート・アクセント付きが正式表記

当記事はSPICEの提供記事です。

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