ソフトバンクグループ四半期決算を発表、Vision Fundは第2弾へ


ソフトバンクグループは8月7日に2020年3月期 第1四半期の決算説明会を開催した。本稿では説明会で紹介されたトピックのなかから、ソフトバンクグループの株主価値とVision Fundについて触れる。
○売上や純利益よりも株主価値が大事

説明会で発表されたソフトバンクグループの連結業績は、売上高が2兆3,364億円、営業利益が6,888億円、当期純利益が1兆1,217億円だった。当期純利益は前年同期比の3.6倍にも増加した計算だが、ソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長の孫正義氏は「ソフトバンクグループは投資会社なので、売上や純利益などは大した意味を持ちません」と説明する。

では、いったい何が意味のある数字なのか。孫氏は「我々の持っている保有株式は、26兆円にも及びます。そして純粋な負債が5兆円なので、株主価値は差し引きで21兆円。この数字がソフトバンクグループの価値を見るために必要な数字です」と話す。

現状、連結の有利子負債は17兆円だが、「スプリントの負債5兆円は、Tモバイルと合併するため外れる予定です。また、独立採算で活動を続けている通信部門ソフトバンクKKの5兆円があるので、実質ソフトバンクグループが自ら返済する必要のある連結有利子負債は7.4兆円。そこから保有している現預金2.5兆円を差し引くと、純負債は5兆円です」と孫氏は、純粋な負債額をもとに投資会社としての価値をアピールした。

製造業が保有している工場などの施設や敷地は、たとえバランスシート上で純資産だとしても、すぐに現金化するのが難しい。また、売却してしまうと、事業の継続が困難になってしまう。だが、投資会社の財産価値である保有株式は、短期的に売却することができる。孫氏はその流動性を強調する。

「つまり、保有株式に対する純負債(LTV)は約19%しかありません。たとえば、みなさんの抱える住宅ローンなどの借り入れが財産の5分の1程度の場合、夜も眠れないほど心配しますか? 仮に、それほど心配であれば、とりあえず持っている株2割売れば借り入れはゼロになりますよね。私もその気になれば、この負債はすぐに返せるわけです」と、孫氏は財務の安全性を説明した。

同社では、基本的に持っている財産の1/4程度しか借り入れしないというポリシーで経営している。リーマンショックなどの異常時でも上限35%を基準にしているそうだ。

○Vision Fund2の立ち上げへ

説明会では、ソフトバンクグループが立ち上げたファンド「Softbank Vision Fund(SVF)」にも言及があった。SVFの第1弾では、これまでOneWeb、WeWork、Didi、Grab、Guardant Healthといったグローバルのユニコーン企業82社に投資をしてきた。交通や金融など分野は多岐にわたるが、AIというテクノロジーが共通項。現時点では7.7兆円を投資し、2.2兆円の利益を出しているという。投資を始めてまだ2年ということもあり、今後も利益は増加していく見込みだ。

「これからのソフトバンクグループはSVF1本と言っても過言ではありません。そして、いま我々が攻め続けているのはAIです。AIがソフトバンクの、そして私が現在興味を持っている分野です」と、今後もAI分野への投資に力を入れることを強調した。

実際に、同社は第2弾のSVF2をスタートさせる。出資予定額は11.7兆円で、そのうちソフトバンクグループの出資予定額は4.1兆円だという。

「最近の会社の伸びは、ほとんどがSFVの成長です。SVF2も、さまざまな企業が参加を予定しており、すでに出資の基本合意がなされている部分が11.7兆円。話し合い中の投資家が加われば、金額はさらに増加するでしょう」と孫氏。ソフトバンクグループが拠出する4.1兆円の投資についても、同社の財務ポリシーに沿って、財産の1/4を超えないように進めていく。そのためには、SVF1の上場などを機に、一部現金化していき、第2弾への投資に回すそうだ。

SVFの投資先には、UberやWeWorkなど、日本でも名前をよく聞くようになった企業が多い。SVF2をきっかけに、新たなイノベーションを起こす企業が続々と頭角を現すかもしれない。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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