今でも日本製品は韓国で売れている!? 反日運動の実態

日刊SPA!

2019/8/6 08:50

◆韓国「ホワイト国」除外で反日運動激化!

「日本は越えてはならない一線を越えてしまった」

8月2日に日本政府が輸出管理での優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外したことを受け、韓国の李洛淵首相はこう漏らした。7月4日の半導体材料3品目に関する韓国向け輸出管理の厳格化に次ぐ、「第2の報復」(李首相)。この影響は想像以上に大きくなりそうだ。

「7月の厳格化以降、韓国向け半導体材料の輸出が許可されたのは1件だけ。7月の韓国の対日輸入額は前年同月比で9%も減少した」(経済誌記者)からだ。

日本政府は「報復」を否定しているが、そもそもの発端が元徴用工(大戦中の日本統治下で強制労働に従事させられたとする労働者)の訴訟問題にあるのはご存じのとおり。

65年の日韓請求権協定に基づき、日本は一貫して戦後賠償問題は「解決済み」としてきたが、「個人の請求権は失われていない」として韓国大法院(最高裁)が日本製鉄に原告1人あたり1000万円の損害賠償を命じたのが昨年10月のこと。その後、大法院が資産の差し押さえに向けた手続きを開始したことで、日本は輸出規制に踏み切ったのだ。

日本からすれば理は我にあり、だ。安全保障上、優遇制度から韓国を除外するだけのため、WTO(世界貿易機関)違反にも当たらないというスタンス。だが、その道理を通そうとした結果、韓国の不満はかつてないほど高まった。韓国人ジャーナリストの柳錫氏が話す。

「これまで何度も日本製品の不買運動はありましたが、今回は見たことがないほどの規模と持続性があります。韓国ユニクロの売り上げは2週間あまりで40%減少。学生の間では日本製のシャープペンシルは人気商品の1つなのですが、今では学生会のような団体を挙げて学内での不買運動も浸透。

小学生にも話を聞くと、社会科の授業で先生が今回の経緯を映像で解説するようで、『僕も日本のものは買わない』という子が何人もいた。ユニクロが日本で開いた決算会見で『(韓国の不買運動の)影響は長く続かない』と発言し、毎日新聞が『韓国の不買運動 不発の歴史』というコラムを掲載したことで、韓国国民の怒りに火が付いたのだと感じています」

こうして、ソウルの日本大使館前には連日「ボイコット・ジャパン」のチラシを手にデモ隊が集結。小売店ではアサヒのスーパードライをはじめ日本製品が撤去されたり、異常に高い価格で売り出されることに。自ら所有するトヨタの高級車レクサスを破壊する“愛国者”が現れ、8月14日公開予定だった「ドラえもん」の新作映画が無期限延期に追い込まれる事態にも発展した。反日感情渦巻くなか、韓国で働く日本人はどう過ごしているのか?

「韓国人の妻からは『外でなるべく日本語でしゃべらないように』『日本大使館近くなど“危ない”場所には近づかないように』と言われています」

そう話すのは7年前にソウルに移住したケンさん(40代)。肩身の狭い思いをしている様子がうかがえるが、意外にも「反日バッシングにさらされたことはない」と話す。

◆実は多くの日本製品はボイコット対象外?

「ユニクロはガラガラですが、日本食を出す料理店や日本語の店名の居酒屋などは今でも繁盛しています。スーパーで日本製ビールが売られているコーナーには人が寄り付かなかったりしますが、日本の洗顔フォームやダイエット関連商品などは普通に売られていて、韓国の方が買っている。生理用品は日本のものじゃないと安心して使えないという女性が多いので、まったくボイコットの対象にもなっていない。日本人だからと街中で文句をつけられることは一切なく、むしろ大丈夫?と心配されるほうが多いですね」

ソウル郊外に住む50代の日本人男性は「不買運動に参加している人の大半は“プロ市民”」と断言する。

「8月3日の昼に日本大使館前まで行ってみましたが、集まっていたのは30人ほどのデモ隊で、メディアのほうが多かったぐらい。夜にかけて大規模なデモに発展したようですが、文在寅大統領を支持する労働組合が主催者であることは、みんな知ってます。メディアが過剰に煽るから韓国人全員が反日一色に染まっているような印象を与えているだけ」

「日本語OK」の看板を掲げるソウル市内のバーで働くエリさん(30代)も次のように話す。

「日本の駐在員の方たちが多く集まる店ですが、韓国人の常連さんもずっと顔を出してくれています。私が『もともと韓国が徴用工問題を持ち出してきたことでこじれたんですからね!』と強めに言っても、ケンカになったりしない。それどころか、『徴用工問題ってなに?』というお客さんがいます。

報道が偏っているせいか、日本側の主張を認識していない人が意外と多い。私が知る限り日本人絡みの事件は、友人が韓国人の彼氏と今回の日韓問題で言い争いになって破局したことぐらい(笑)」

なぜ、こうも温度差があるのか? 韓国在住歴36年の黒田勝弘・元産経新聞ソウル支局長は、「メディアに原因がある」と主張する。

「私は今回の騒動で、日本のNHKにあたるKBSテレビの討論番組などに呼ばれましたが、出演して最も反響が大きかったのはユーチューブの保守系番組でした。韓国では知日派の保守層が着実に増えている。『反日先導にだまされるな!』と訴え、景気対策をおざなりにしている文在寅大統領に批判的な彼らを支持する国民も非常に多い。

そもそも、不買運動の様子を報じる政権寄りのメディアは、どこもソニーのカメラを使っているんですよ……? そうした矛盾が国民の温度差を生んでいる」

韓国政府・メディアを挙げた反日パフォーマンスにほころびが見え始めているようだが、黒田氏は日本の落ち度にも言及する。

「ホワイト国からの除外は拙速でした。交渉カードにして、韓国の譲歩を引き出すのが外交でしょう。交渉の余地なく輸出規制を強めれば、反発が強まるのは当然のこと。日本では輸出規制を支持する声が大半を占めていますが、今回の問題で、安倍政権の一丁目一番地である拉致問題の解決も遠のいた。韓国の協力が得られなくなるからです。日本の外交姿勢にも反省点はある」

果たして、落としどころは……? 日本の姿勢も今後問われそうだ。

取材・文/週刊SPA!編集部 写真/YONHAP NEWS/アフロ

※週刊SPA!8月6日発売号「今週の顔」より

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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