『仮面ライダージオウ』押田岳が語る「ソウゴとの出会い」が変えたゲイツ - 最後まで真っすぐな男でいたい


●みんなでいいエネルギーが生まれたなと感じる瞬間
映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』(監督:田崎竜太)は、現在放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダージオウ』の劇場版。『仮面ライダークウガ』(2000年)から『ジオウ』まで20作続いてきた「平成仮面ライダー」の集大成として、ぴあ映画初日満足度第1位となる92.5 点(7月27日ぴあ調べ)を記録し、公開から3日間の興行収入が昨年比110%となるなど、大ヒット中だ。

今回の映画では、『仮面ライダードライブ』の"歴史"を消滅の危機から救うため、仮面ライダージオウ/常磐ソウゴたちが1575年の戦国時代へタイムワープし、戦国の世において"魔王"と恐れられた織田信長に遭遇するというストーリーが描かれる。

単独キャストインタビューの今回は、"サイテーサイアクの魔王"=オーマジオウが君臨する2068年の未来世界から現代へとやってきた仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツを演じる押田岳が登場。対立しながら、現在は仲間として、友としてソウゴとともに戦うゲイツ。一年間にわたってゲイツを演じてきた押田に、その心の変化と、集大成ともいえる映画への思いを聞いた。

――昨年取材させていただいた時は、ゲイツの役どころのため、写真でもクールな表情でいることが多かった印象があります。最近ではテレビシリーズでもさまざまな表情を見せていますね。

そうですね。本当にソウゴと"友達"になってから……くらいだと思います。そんなにクール、クールでいようとせず、もっと普通の人間にというか、自分に近づけて演じています。一年が経って、そんなにイメージを縛ってキャラクターを作る必要もないのかなと。ゲイツというキャラクターは一旦出来上がっているので、そこで大筋のイメージがついていると思うんです。そこからは、プラスアルファで加えていけばいいなって感じですね。

――その"プラスアルファ"を意識的に組み込める、というのは1年間の大きな収穫であり、成長された部分ではないでしょうか。

カメラマンさんで、歴代作品を撮られているレジェンドの方がいるんです。カメラの意識の仕方や、どこからどう撮っているからこう動くとか、どうすれば自分の思っているように映ることができるかとか、そういうのは少しずつですけれど、成長しているところだと思います。映画のあるシーンで、これはソウゴとツクヨミと3人でお芝居したところなんですけれど、今まで以上に"みんなでいいエネルギーが生まれたな"と感じたところがあったんです。そういうシーンを"作る"ことができるようになってきたな、いまそういったシーンが"生まれた"なと実感することが、最近はあります。

――そう"変わった"きっかけは具体的にあるのでしょうか。

EP35「2008:ハツコイ、ウェイクアップ!」EP36「2019:ハツコイ、ファイナリー!」(脚本:井上敏樹、監督:田村直己)の"キバ編"ですね。ゲイツに限らず、みんなもなんですけれど、田村監督は今までにあったキャラを壊すというか、キャラクターの新しい表情を見せる演出をしてくださったんです。そこからいろんな発想が出てくるようになった気がします。「キャラ崩れてるんじゃないか」と言われるときもあるんですけれど、僕たちはポジティブに、キャラの新しい面を提示できれば……と思いながら演じています。

言ってしまえば、僕がやっていれば、それはゲイツなんじゃないかって。だから、なんでもアリといえばなんでもアリなんだろうなと思って、いろんなことを試すようになりました。それこそ僕が思いついたことだけじゃなくて、監督や他のキャストから、「こうやってみたら」みたいなアドバイスを受けて、「それいいね!」って感じでやることもあります。特に最近は、最初に作ったオーソドックスなゲイツは、シーンの初めとかで入れることはありますけれど、そこから芝居をやっていって、「こうやったら面白そうだな」と思ったら、やっちゃうみたいな感じですね。

――キバ編はかなり話題になりましたね。

やっぱり、『仮面ライダージオウ』は、例年に比べて関わる監督さんも多い作品なんです。そのため、それぞれの演出の仕方というか、テイストが異なる部分が本当にあって、僕らも最初はすごく困った……というのが正直なところなんです。自分が思っているゲイツ――これはパイロットで田崎監督と作ったゲイツですね――だったら、これはやらないよなとか、こういう表現の方がいいよなと思うこともありました。そう頑固になっていたところがあったんですけれど、最近では、「監督が言ってるんだから、きっとこれも正解なんだ」って、新しくその表現に挑戦してみようという思いで取り組んでいます。

――ご自分の中で、そういうものを受け入れる余裕ができた、ということでしょうか。

それはあると思います。けっこう、周りが見えなくなっちゃうタイプなんで。今でもあるんですけれどね。いまは、とにかくやってみて、そこから考えようというやり方です。その場で面白かったらそれでOKが出るんだろうし、だめだったら「もう1回!」って言ってくれると思うので、そこは監督を信頼していろいろやってみようかなっていう感じですね。

●「おれの友達だ」に込めた思い

――テレビシリーズではレジェンドライダーの俳優さんもかなり登場されています。レジェンドの方からのアドバイスで特に印象を受けたものはありますか?

EP37「2006:ネクスト・レベル・カブト」EP38「2019:カブトにえらばれしもの」の"カブト編"の撮影中に、「もっと視野を広げろ」と、事務所の先輩でもある佐藤祐基(仮面ライダーガタック/加賀美新役)さんに言われたことです。「キャラとしても、お前の性格上でも、もっと周りを見てお芝居した方がいいよ」と。自分でも自覚していることではあるんですけれど、再確認することができました。自分のいいところでもあり、欠点でもあると本当に思っていて、これはずっと考えてるところでもあります。

――そういう真っすぐさは、芯の通ったゲイツのキャラにも通じているのではないでしょうか。押田さんは、ゲイツというキャラクターの魅力をどのようにとらえていらっしゃいますか?

すごくヒーローのど真ん中のような人間ですよね。芯もすごく通ったキャラクターです。それがソウゴと出会って、普通の18歳の人間に戻っていく……。僕の中では、この「ソウゴとの出会い」を、ゲイツが変化していく理由づけみたいにしてるんです。ソウゴと出会ったことで、ゲイツは今いろんなキャラを見せています。今までだったら絶対やらないようなコミカルなところもやっていますね。

――視聴者から見たゲイツ、ソウゴというのも最初のイメージから変わってきた印象があります。序盤は、ゲイツは計算高くて、ソウゴはちょっと天然なのかな……と思っていたのですが。

どうなんですかね、僕の解釈かもしれないですけれど、逆に天然なのはゲイツで、ソウゴの方が計算していると思うんですよね。ソウゴは天然っぽいんだけれど、全部計算のうち。そんなところが"魔王"を彷彿とさせます。ゲイツの方がバカ正直なので、逆に天然っていったらそっちの方が当てはまるんじゃないかな。だからゲイツの方がいろんなことを面と向かって言える気もするんですけれど、それもソウゴが言わせてる感じになることもありますよね。

――ゲイツを演じる中で、特に心に残っているセリフはありますか?

EP28「オレたちのゴール2019」でアナザージオウに向かって、ソウゴのことを「おれの友達だ」と言ったところですね。やっぱりゲイツとソウゴの関係性を一旦完結させたところだと思うので、記憶に残ってます。

――一年間、『仮面ライダージオウ』という作品に関わられてきた中で、「超英雄祭」など、大勢のファンの前でキャラソンを歌ったのも初めての経験ですよね。

いい経験をさせていただきました。歌が得意な方ではないので、最初は「えー!? 僕がやるんですか?」って正直思ったんです。でも、日本武道館って、トップクラスの歌手じゃないと立てないような場所。そんな舞台に立たせてもらって、1万数千人の方の前で歌わせてもらったことで、一つ肝が座ったじゃないですけれど、達成感はすごくありました。キャラソンに関しては、歌が下手でも、そのぶんパフォーマンスでなんとかしてみようと工夫してみたり、色々と考えてやってみたんですけれど、どうだったんだろう……。でも、本当にいい経験でした。

――それでは、ついに公開となる映画の話題にいかせていただきまして、押田さんはゲストで織田信長を演じる前野朋哉さんとの絡みも多いようですね。

前野さんは本当に、頭の柔らかいというか、面白い方です。例えば、僕らがト書きを読んで、こういう風にやるんだろうな……というイメージを120%で越えてきて、しかもそれがバチンとハマる。本当にアイデアとその引き出しがたくさんある素晴らしい人で、キャスト全員がすごく刺激されていました。現場でも、コミカルな芝居をされていたので、僕たちは本当に素で笑ってることが多かったですね。どこかでそういうコミカルな役をやった時は、前野さんを思い出してではないですけれど、参考にさせていただきたいと思いました。

――映画で大変だったシーン、記憶に残っているシーンはどこでしょう。

1200人のエキストラさんが参加してくださったシーンですね。人数が多かったのもあって、本当に大変なシーンでした。ただ参加してくださったみなさんの熱がすごかったので、それで最後まで撮りきれたように思います。

――映画では押田さんは甲冑も身につけられているんですよね。

僕は個人的に時代劇が好きなんですけれど、甲冑を着たシーンは、撮影中から自分でも完成が楽しみだったんです。着てみると本当に重かったですね。スーツアクターさんの気持ちが初めてわかりました。重いし、暑い(笑)。

――レジェンドライダーとして、映画では仮面ライダーマッハ/詩島剛役の稲葉友さんも出演されることが話題です。

稲葉さんはすごくいい方で、2・3日しかご一緒する機会はなかったんですけれど、みんなのお兄ちゃんみたいな感じになっていました。すごく気さくに話しかけてくださって、こっちが芝居をやりやすいように、みんなでいい作品を作ろう!というスタンスで来て下さったので、凄くやりやすかったです。あまりレジェンドの方と一緒に変身する機会ってないんですけど、壮と稲葉さんと3人で変身もできたし、すごく楽しい撮影でした。

――映画の見どころをあらためて教えていただけますでしょうか。

テレビシリーズでは、レジェンド編がずっと続いてたわけで、『ジオウ』の世界ではありながら、『ジオウ』のキャストだけにフォーカスが当たることってあまりなかったと思うんです。今回は、『ジオウ』メンバーで一つの作品を作っていることが一番の見どころ。田崎監督が『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』(2008年)ぶりに夏の劇場版を撮ってくださるということ、パイロットで田崎監督と一緒に作ったキャラで最後の映画にみんなで出ることができるというのがやっぱり大きいと思います。ゲストの方々も豪華で、とても面白い芝居をしてくださっていたので、そこも見どころです。

――最後に、最終回に向けて今後に向けてゲイツを演じていく上で、現時点で意識していることはありますか?

ゲイツは、最後まで真っすぐな男でいたいと思っています。ここまできたら、ソウゴ、ウォズ、ツクヨミ、できればタイムジャッカーもですけど(笑)、みんなでラストを迎えたいですよね。みんなでいろんな妄想をしてたんですよ、「こうやって終われたらいいな」とか、「バットエンドでもいいな」とか。でもいまは、超ど真ん中の、すごいハッピーエンドで終われたらいいんじゃないかと思ってます(笑)。それこそ、"平成"の文字のイメージのような。最終回まであと1か月ほどですが、最後まで駆け抜けるので、よろしくお願います!

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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