【来日ミニ・インタビュー】ケミカル・ブラザーズ、フジロック/故キース・フリント/ライブの未来を語る

Billboard JAPAN

2019/7/31 19:00



2019年7月25日から7月28日まで新潟・苗場スキー場にて開催された【FUJI ROCK FESTIVAL '19】初日のヘッドライナーを務めたケミカル・ブラザーズ。1999年の初出演以降、計7回の出演経験を持ち、初めてのライブ作品もフジロックで録音している彼らは、フェスを語る上で欠かせない存在だ。

約8年ぶりとなる今回のセットでは、照明、レーザー、映像を駆使した最新のステージ・プロダクションとともに、ニュー・アルバム『ノー・ジオグラフィー』からの楽曲はもちろん、過去の人気曲も披露し、高揚感溢れる爆音ライブで苗場を揺らした。そんなケミカル・ブラザーズのメンバー、トム・ローランズとエド・シモンズに、短い時間ながらもライブ直前に話を訊くことができた。

◎【FUJI ROCK FESTIVAL】への初出演から20年を迎える今年、再び苗場の地に戻ってきてくれましたね。
エド・シモンズ:そうだね!
トム・ローランズ:あぁ、そうか(笑)。

◎初めて出演した1999年のショウのことを覚えていますか?
エドこれまで7回演奏しているからなぁ。ただ、すごくいい反応があったのと、単純に驚いたのは覚えている。日本なのに、こんなにも多くの人々が足を運んで、キャンプをしたりしているんだ、って。フジロックは、いつだって俺たちを温かく迎えてくれた。20年経った今も、あまり変わらないという印象だね。

◎【グラストンベリー・フェスティバル】をモデルにしているので、親近感を感じる部分もあるのかもしれませんね。
トム:そうだね。【グラストンベリー】も、地方のサマーセットまで長旅をしないと辿りつけないから。まるで巡業のよう。フジロックも同様のフィーリングを持っている。みんなで山を登り、同じ場所へ向かう。
エド:あぁ、普段とは全く違う場所に仲間や友人たちと一緒に行って、そこでしか味わえない経験を共有することができるんだ。

◎2人は、今年の【グラストンベリー】のセットを、3月に他界したザ・プロディジーのキース・フリントへ捧げていましたが、彼との思い出で記憶に残っているものはありますか?
エド:キースは、俺たちに本当に優しくしてくれたし、気さくな人だった。駆け出しの頃、彼らとライブで一緒になることが多かったんだけど、色々な手ほどきをしてくれた―ケータリングについてとか。ここは違うけれど、他のフェスとかだと、みんな自分の楽屋にこもっていて、あまり交流がない。でも当時彼はわざわざ楽屋まで挨拶しにきてくれて、右も左もわからなかった俺たちをアットホームな気持ちにさせてくれた。それがすごく印象に残っているね。自分に優しくしてくれた人を覚えているのは当たり前だけど、先輩の彼がそんな風に接してくれたのには驚いた。本当に素敵な人だった。ここ最近は、あまり交流がなかったけれど、彼の訃報には2人とも胸が痛んだよ。
トム:本当にショックだった。

◎音楽面においても、キースとザ・プロディジーはイギリスのエレクトロニック/ロック・シーンに多大な功績を残しまたしね。
トム:そう、だから【グラストンベリー】でトリビュートすることに意味があると思ったんだ。キースは、【グラストンベリー】のあの場所に足を踏み入れたことがある観客にとって、様々なものを象徴する人物だから。

◎ケミカル・ブラザーズといえば、長年ライブに定評があるバンドですが、最新セットではどんな部分にこだわりましたか?
トム:ライブというのは、積み重ねだと思っている。ゼロの状態から始め、 演奏しながら新しい要素を加え、様々な方向へと観客を導くんだ。音楽の流れに合わせて、新しいアイディアやコンセプトを次々を投下すると、観客もそれに反応し、表情がだんだん明るくなっていくのがわかる。フィナーレに向けて、どんどん進化し、ビッグに、エキサイティングに、緊迫していき、カタルシスを引き起こすんだ。

◎将来的に自分たちのライブがどこに行きつくか想像できますか?
エド:アコースティックかな(笑)。未来に関してはわからないけれど、1999年の時はヴィジュアルを背景に流してるだけだった。でも20年経った今はその頃とは大幅に違うものになっている、だから20年後にはどうなってるか見当もつかないね。ただ、新しいものを常に取り入れていきたいとは思っているよ。

◎近い未来には、実際に会場に足を運ばなくてもよくなっているかもしれないですしね。
エド:確かにそうだね。
トム:でもそれはそれでちょっと悲しいな、日本に来れなくなるということだから。

◎では、2人にとって印象深かったライブ体験について教えてください。
トム:昔、エドと一緒にNYのとても小さなクラブ……200人ぐらいのキャパの会場で、ボブ・ディランを観たことがあるんだけど、本当に素晴らしかった 。その時のディランとの距離はわずか30センチ(笑)。
エド:確か、俺たちがバンドを始めた1997年頃だよな。よく覚えているよ。俺は、ティーンの頃に観たザ・スミスのライブも衝撃的だったね。本当に強烈で、観客の熱狂も凄まじかったんだ。

◎最後に、先月20周年を迎えた代表作の一つ『サレンダー』について一言お願いします。
トム:これまで過去の作品を振り返るということはあまりしていないけれど、『サレンダー』に関しては、そうするべきなんじゃないかなと強く感じた。なので、収録曲の異なるミックスやヴァージョンなどを収めた20周年記念盤を年内にリリースする予定だ。今でも大好きなレコードで、ライブでも未だによく演奏しているし、観客もこのアルバムの楽曲とは特別な繋がりを築いているように思うね。

◎リリース情報
アルバム『ノー・ジオグラフィー』
2019/4/12 RELEASE
UICW-10018 / 2,500円(tax out)
※歌詞・対訳・解説付 / 日本盤ボーナス・トラック3曲収録

Artist Photo: Hamish Brown

当記事はBillboard JAPANの提供記事です。

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