妊活を隠す女性たちの本音。SNSの裏アカで告白する人も

女子SPA!

2019/7/21 15:46

 妊娠し、秋ごろに出産することを今年の3月に公表した、作家でブロガーのはあちゅうさん。おめでたい出来事にもかかわらず、その発表によって批判の声が数多く上がっていました。

そのひとつの理由は“妊活公表後リアルタイムで報告する”と宣言しながらもほどなく妊娠したことを隠して、不妊に悩んだり、クリニックに通う様子を更新していたからのようです。

妊活をする女性は、ほとんどが周囲に内緒にしていると言います。そんな中、妊活を公言したはあちゅうさんは、妊活女性にとって救世主あるいは革命家のような存在でありました。

彼女たちはなぜ周囲に隠すのでしょうか。そして、妊活は本当に「誰にも言ってはいけない」ものなのでしょうか。

◆周囲にもいる? 隠れ妊活女子

筆者が妊娠した際、不妊治療を経てのことだと告白すると、「私も不妊治療/妊活をしていた(している)」とひっそりカミングアウトしてくる友人が多いことにびっくりしました。

30代の友人が多かったので当然ですが、子どもはいらないポリシーであると思いこんでいた夫婦、一人目が簡単に出来たように見えた夫婦、その形は様々でしたが、何もしていないように見えながらも皆、妊娠のための努力をしていたことは驚きでした。

「周囲に伏せて妊活や不妊治療している、していた人を知っていますか」と周囲にアンケートをとってみたところ、こんな声が聞こえました。

ママ友の家に行った時、二人目はまだ考えていないと言っていたのに、葉酸サプリやルイボスティーなど、わかる人はわかる妊活グッズがあった」(32歳/専業主婦)

「学生時代の同級生の男性に妊娠を報告したら、まず『治療をしたか?』と聞かれた。肯定すると、不妊治療の方法などやけに詳細なことを尋ねられた。その男友達も、結婚しているが子ナシ。自分から何も言ってこないけど、もしかして、妊活中なんだと思います」(40歳/IT関係)

「何年も子供が出来なかった友人がいきなり双子を妊娠したので、多分治療していたのでは?」(38歳/公務員)

妊活を隠している友人がいる、妊活していたけど周囲には言わなかった人はやはり多いようです。

◆「自分より先に妊娠しないで欲しい」という葛藤

なぜ、そこまで周囲に妊活していることを言わないのか――。

それは妊活を告白することで自分を追い詰める結果になる可能性があるとわかっているからかもしれません。

ぼんやりとした将来の夢とは違い、タイムリミットがある以上、結果は「妊娠できた」か「できなかった」かの二択になります。最初は軽い気持ちで告白したとしても、妊娠報告が長らくできないと、それは劣等感にかわり、「自分が妊活してると知る人」がいるだけでプレッシャーになってしまいます。

同じ妊活をしている友人同士であったらなおさらでしょう。「一緒に妊活をがんばろう」と励まし合いながらも、心の中ではお互い「どうか自分より先に妊娠しないでほしい」と願っているという声も聞きます。

また、告白された側も、経過が気になってしまうのは当たり前です。その後、どうなったか尋ねることや、優しい言葉でさえも、一歩間違えばデリカシーのない発言にとられかねません。結果、話した相手にさえも心の負担を強いることとなってしまうのです。

したがって、友人関係にひびが入ったり変に気を使われないためにも「妊活は周囲に隠していた方が平和だ」という気持ちになるのです。

そんな隠れ妊活女子は、ハッシュタグやSNSの裏アカウント、鍵アカウントを活用しています。

赤の他人だからこそ、最新の情報や本音を話すことができ、妊娠しても心から祝福でき、自分も希望を持つことができるといいます。すなわち、匿名で心を開放できる手段があるため、わざわざ周囲に告白せずとも事足りているのです。

また、彼女たちは心拍確認ができたら妊活アカウントとは別のアカウントを作り、移行することで、お互い傷つかないように、情報を取捨選択しながら公開し、交流を深めているそうです。互いの辛さを知っているからこそ気遣いあうことができるのでしょう。

◆妊活を語り合える日々は遠い……

筆者も妊活を経験した身から、秘めたるものになりがちな「妊活」を自ら発信し公にすることで、必要性を訴え、カジュアルなものにしていこうというはあちゅうさんの姿勢には当初感銘を受けていました。

しかし、結局は妊娠を隠して更新をしていたこと、そして批判が起き、炎上したことにより、逆に妊活を語るハードルを上げてしまう結果になってしまいました。

初めての妊娠はなにかと不安で、「万が一のことを考慮し、状態が安定し胎児に問題のないことが判明するまで周囲に公表せずにしておきたい」いう気持ちは理解できます。

一方で過去に、東尾理子さんが第一子を妊娠した際、クアトロ検査で陽性がでたことをブログで報告し、その赤裸々さが波紋を呼んだことを思い出されます。

細かな数値まで示された生々しい内容でしたが、彼女がこのように公表し、自らの思いを綴ったことで、母になることの責任の重さが多くの人に伝わり、出生前診断が知られる出来事のひとつになったことも事実です。

もし、妊活について人々に身近に考えてもらおうという強い意志と、自ら発信することの意義をもっているのであれば、はあちゅうさんも批判を恐れずここまでさらけ出せば世間の反応も違うものになったのかもしれません。妊活が身近に、誰でも話せる世の中になるのはいつになるのでしょうか。

<文/小政りょう>

【小政りょう】

映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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