『ミュージックステーション』によるジャニーズ事務所への忖度が男性アイドル市場に残した傷

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 19日放送『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)は、放送時間を90分に拡大し、ジャニーズ事務所社長・ジャニー喜多川氏の追悼企画を放送する。

『ミュージックステーション』の過去素材をはじめとしたテレビ朝日のアーカイブ映像から、ジャニー氏に関して語られた証言を発掘し、彼の功績を振り返る予定だという。

また番組には、亀梨和也(KAT-TUN)、Kis-My-Ft2、HiHi Jets、美 少年の4組が出演し、ジャニー氏との思い出を語る企画や、4組による『ミュージックステーション』のための特別パフォーマンスが披露されるという。

ジャニーズ事務所のアイドルプッシュを長年サポートし続けてきた『ミュージックステーション』ならではの追悼番組に、ファンの期待が集まっている。

しかし、ジャニーズ事務所と『ミュージックステーション』が深い関係を築いた数十年の蜜月には、負の側面もあった。ジャニーズ事務所による“圧力”とテレビ局側の“忖度”によって、ジャニーズ事務所以外の男性アイドルグループが地上波テレビから排除されてきたのではないか、という疑惑だ。

DA PUMP、w-inds.、Leadといったライジングプロダクション所属の男性グループが一番の被害者とされているが、そういった排除の最大の舞台となってきたのが『ミュージックステーション』だ。

日本の音楽番組として最も人気を誇り、現在ではゴールデン帯に放送されている唯一のポップス中心の音楽番組である『ミュージックステーション』がそのような姿勢をとってきたことは、日本の音楽文化を少なからず歪ませてしまったと言えるのではないか。
『ミュージックステーション』から弾かれた男性グループたち
 この流れが始まったのは、1997年11月14日放送回だと言われている。この日の放送でDA PUMPはKinki Kidsと共演する予定だったのだが、放送当日になってKinki Kidsの姿はなかった。

この不可思議な現象に関して、「FOCUS」(新潮社)は、ジャニーズ事務所が前日になって急きょ出演取りやめを通告したために起こった出演者変更で、それは「DA PUMPを出すなら、ウチのタレントは出演させない」という意思表示なのだと報じた。

実際、それからDA PUMPが『ミュージックステーション』の通常放送回に出ることは長らく途絶え、「U.S.A.」で再ブレイクを果たした2018年まで21年もの間、出演の機会に恵まれることはなかった。

他のライジングプロダクション所属グループも似たように不遇な扱いを受けている。w-inds.は橘慶太がソロで出演したことはあるもののグループでは出演することができていないし、元Folderの三浦大知も再デビューから11年もの月日が経った2016年まで出演することができなかった。

DA PUMPの件から時が経ち、ジャニーズ系とは若干畑違いのLDH所属グループであったり、東方神起やBIGBANGやBTSなどのK-POP男性アイドルは『ミュージックステーション』に出演している。

番組のスタンスも変わりつつあるのかもしれないが、しかし一方で、超特急、BOYS AND MEN、Da-iCE、DISH//といった非ジャニーズ男性グループは、日本武道館クラスの大会場で単独ライブを開くことのできるほど人気があるのにも関わらず、いまだに同番組への出演がない。
ジャニーズ帝国のメディア支配に陰り
 今月17日には、独立した元SMAPのメンバー(稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾)を番組に出演させないよう、ジャニーズ事務所がテレビ局に圧力をかけていた可能性があるとして、公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意をしていたと報道された。圧力が事実であれば、独占禁止法違反につながる可能性がある。

ジャニーズ事務所がテレビ局にかけてきた“圧力”と、番組製作サイドが力のある芸能プロダクションに怯えて“忖度”する構図に対し、ついにメスが入ったのだ。

ジャニーズ事務所が長年にわたって男性アイドルグループの市場を独占できた背景には、非ジャニーズ系への圧力が機能していたことがあったと考えられる。ひとつの事務所が市場を独占してきたということは、本来様々な表現の可能性があったはずの「男性アイドル」というフォーマットの“幅”が狭められてしまったということでもある。

「圧力などない」のであれば、テレビ局側も「忖度」の必要などないはず。様々なプロダクションの男性アイドルがメディア上でスポットライトを浴びる機会が増え、活躍の場を広げられることを願う。

当記事はwezzyの提供記事です。

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