長瀬智也はジャニーズ退所しなければ歌えないのか? 「バンド」としてのTOKIOへの愛

wezzy

2019/7/15 07:05


 ジャニー喜多川氏の逝去を受けて、ジャニーズ事務所所属タレントの大量離脱が予想されている。「週刊文春」(文藝春秋)2019年7月4日号では、「ジャニーさんがいなくなったら事務所を出る」と周囲に漏らしているという堂本剛(Kinki Kids)などの名をあげているが、そのリストに含まれているのが長瀬智也TOKIO)だ。

長瀬智也にジャニーズ事務所退所の噂が出たのは、ジャニー氏が体調悪化で救急搬送されるよりもずっと前、今年1月のことだった。長瀬は山口達也の退所以来TOKIOとしての音楽活動ができていないことに不満をもっており、自由な音楽活動のために退所を希望していると報じられた。

確かに長瀬智也の音楽活動に対する思いは強く、昨年11月にはプライベートの仲間と組んだバンドでライブを行ってもいる。それだけにTOKIOでの音楽活動がまったくできなくなってしまった現状に、不満をもっているとしてもおかしくはない。それはメディア上の発言からも読み取れる。

ラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM/2019年2月3日放送回)にゲスト出演した際は、木村との会話のなかでジャニーズ事務所のことを<プリズンみたいなもんじゃないですか(笑)>と表現。あくまでジョークとしてではあるが、自らの所属する会社を「刑務所」と呼ぶのは、それなりに不満がたまっている証拠だろう。
長瀬智也は独力で楽曲制作・レコーディング技術を習得した
 長瀬の音楽にかける思いがどれほど強いものなのかは、「音楽と人」(音楽と人)2017年1月号掲載のインタビューを読むとよくわかる。

長瀬はTOKIOの楽曲制作に深く関わり、2013年2月発売のシングル「リリック」以降は、同年3月リリースの「手紙」以外、すべてのシングルA面曲が長瀬の作詞作曲による曲で占められている。「音楽と人」のインタビューによれば、未完成のものも含めると自作曲のストックは500曲にもおよぶという。

長瀬の音楽に対する情熱がどれほどのものかは、楽器演奏のみならず、楽曲制作やレコーディングに関する知識・技術を、ほとんど独力で習得したというエピソードからも明らかだ。

彼はPro Tools(プロの現場でも使われる楽曲制作やレコーディングのためのソフト)を購入し、どうすれば自分の望む音をつくることができるかを勉強した。パソコン1台で楽曲をつくることができるぐらい技術があがったころ、自分のやっている作業はミュージシャンではなくエンジニアがやる範疇のことだと知ったという。しかし、その知識は決して無駄ではない。

そうした音楽への探究心は楽器についても同じで、ギターであれば、どんな木材を使ったギターで、どんなケーブルやマイクを使えばいいかといった知識まで学んだという。

長瀬がそこまでしたのは、自分の音楽活動をサポートしてくれる環境がジャニーズ事務所にはなかったからだ。自分の欲しい音を得るためには具体的にどうすればいいのか、方法を知らなければその音は絶対に得られない。彼は「音楽と人」でこのように語っている。

<良くも悪くも僕らの会社は、音楽に特化した会社じゃないから、それを知ってるスタッフがいるわけじゃないんです。ってことは、自分がまず先頭に立って、そのスタッフに指示しなくちゃいけないんですね>
<誰かの音楽を聴かせて「こんなサウンドでやりたい」って言ってもダメ。自分がちゃんと理論的に説明出来なきゃいけないんです>
長瀬智也が音楽にのめり込んだ理由
 長瀬がそこまで音楽にのめり込んだのはなぜなのか? 彼はこのように語っている。

<だって音楽って、自分がいいと思ったものが正解なんですよ。自分のやることが正解だって、これまで思えたことなかった。周りの評価や数字がすべてだったから。音楽は自分がジャッジ出来るし、これが自分だって胸を張れる、そういうものだと思ったんですね>

映画・ドラマでの俳優の仕事でも、バラエティ番組での仕事でも、どちらの仕事においても演者はあくまでもチームのなかで与えられた役割のひとつをこなすことを求められる。

もちろん、そのなかで各々の創造性を発揮する場面はあるわけだが、クリエイティブにおけるリーダーは監督やディレクターであり、俳優やタレントに決定権はない。なので、自ずと周りの評価や数字が気になる面は出てくるだろう。

もちろんTOKIOとしての音楽活動にも、バンドやスタッフとの人間関係、CDの売上やライブの動員数などの数字が出てくるが、まず誰かにオファーされなければなにも始まらない俳優やバラエティタレントとしての仕事と、自分ひとりで作品を1からつくることのできるミュージシャンとしての仕事が明らかに違うのは確かだ。それは、アイドルとして多様な仕事をする長瀬にとって、ひとつの安らぎであったのかもしれない。
長瀬智也にとってのTOKIOとは?
 「音楽と人」のインタビューを読んでいると、テレビでの彼しか知らない人には驚くような会話が続出する。たとえば、自宅のスタジオでは音楽ソフト(Logic Pro)を使ってタワー・オブ・パワー(1970年にデビューしたアメリカのファンク・R&Bバンド)やグレイトフル・デッド(1965年デビューのアメリカのロックバンド)の楽曲を再構築しているといった話や、ジョン・スコフィールド(アメリカのジャズ・フュージョン系ギタリスト)が来日する時は必ずライブに行くが、彼のソロ中に伴奏するギタリストの技術が気になるので、ついついそちらの方ばかり見てしまうという話など、長瀬の話からは音楽に対する深い愛情がひしひしと感じられる。

インタビュアーが思わず<そこまで音楽的な素養が深くなってしまった人が、TOKIOだけで満足しているのは何故なんですか?>と質問してしまうと、長瀬はTOKIOに対する強い愛情を語ったという。

<長年一緒にやり続けてきたグルーヴや、人と人との信頼から生まれる音に勝るものはないと思うんです>
<だからTOKIOで音を出すことが、僕にとっては1番なんですよ。何十年も重ねてきた、俺たちでしか出せないグルーヴがちゃんとある>
<音楽は最終的に人が心で鳴らすもんなんだから。TOKIOはそれが出来るバンドなんですよ>

長瀬にとって音楽活動は大事だが、ミュージシャンとして活動できるのならばどんなかたちでもいいわけではない。あくまでも長年連れ添った仲間たちと、TOKIOとして音楽をやることが大事なのだ。

現在報じられている長瀬のジャニーズ事務所退所の話は、現段階では週刊誌による噂に過ぎない。TOKIOが置かれている現状に長瀬が不満をもっていることはある程度事実なのだろうが、ここで会社を辞めてしまったら今後、TOKIOとして活動することはおそらく二度とできなくなってしまう。

ただ、山口達也がいないTOKIOで、長瀬が望む<長年一緒にやり続けてきたグルーヴ><俺たちでしか出せないグルーヴ>が出せるのかという問題もあるだろう。山口が今後TOKIOに復帰することがわるのかは分からない。もし将来的にそのようなことが現実になったとしても、ここ数年での話ではないだろう。

このまま音楽活動ができない状況に長瀬がどこまで納得できるのかという問題はあるが、しかし、TOKIOに対する長瀬の発言を見ると「ひとりでも音楽をやりたいからジャニーズ事務所を退所」と簡単に割り切れる問題ではなさそうだ。

当記事はwezzyの提供記事です。

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