アラフォー女性のうつ症状に効く漢方薬

All About

2019/7/13 21:15

ホルモン分泌の乱れや環境によるストレスなど様々な原因から起こる、アラフォー世代の辛いうつ症状。体質にあわせて処方する、うつ症状に効く漢方薬とそれぞれの特徴・飲み方・副作用などの注意点について解説します。

うつ症状の原因は様々。処方する漢方薬の種類も様々

現代のアラフォー女性は心身共に負荷の高い環境に置かれており、うつ症状に悩まれている方は少なくありません。

アラフォー女性でうつ症状の訴えがある場合、中心となっている原因が何かをはっきりさせることが大切です。問診では、原因の中心にあるものが、「女性ホルモンの欠乏」などの内分泌学的要因なのか、心理的社会的要因なのかを捉えるために、ホルモン検査値や月経の状態についても伺います。

ただ実際の診療では、原因が一つではなく、複合してうつ症状を引き起こしていることが多いものです。そのため厳密に区別をすることなく、ホルモンバランスと心理的社会的要因、全てを考慮して、処方の選定を行います。

そのような理由でアラフォー女性のうつ症状に使う漢方薬は多岐に渡りますが、以下で一部をご紹介します。これらは全て市販薬としても販売されているため、薬局でも購入可能です。

アラフォーのうつ症状に効く主な漢方薬・それぞれの特徴

■心脾両虚タイプの方には「帰脾湯(きひとう)」
疲れやすい、胃腸虚弱で、食欲不振を訴える方が多い心脾両虚(しんぴりょうきょ)タイプ。汗をかきやすい、息切れ、軟便、不眠などの症状も出やすく、このタイプの方のうつ症状に対しては、「帰脾湯(きひとう)」を処方します。

■気滞痰鬱タイプの方には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
器質的な要因がないにも関わらず、喉がつかえるような症状を訴える方が多い「気滞痰鬱(きたいたんうつ)」タイプ。喉に異物感があり、飲み込もうとしても飲み込みにくいという訴えがありますが、飲食には支障をきたしません。このタイプの方には「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」を処方します。

■肝気鬱結タイプの方には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」
情緒不安があり、少し怒りっぽく、月経前にはさらにイライラして、胸の張りや頭痛なども多く、不定愁訴の訴えが多い「肝気鬱結(かんきうっけつ)」タイプの方には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」を処方します。

■気滞血瘀、心火旺、気血両虚タイプの方には「女神散(にょしんさん)」
月経前症候群(PMS)や、自律神経失調症などにおけるイライラ、めまい、のぼせ、頭痛などに対して効果を発揮する処方です。加味逍遙散が効くタイプにも類似していますが、疲れやすく、ストレスを感じると上熱下寒の症状が強くなり、イライラすると同時にカーッと暑くなるような「気滞血瘀(きたいけつお)」「心火旺(しんかおう)」「気血両虚(きけつりょうきょ)」タイプの方に適しています。また、少ない症状が重く出る方が多いです。このようなタイプの方には「女神散(にょしんさん)」を処方します。

■憂鬱傷脾タイプの方には「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」
気持ちが落ち着かず、喜怒哀楽が激しい方が多いのは、「憂鬱傷脾(ゆううつしょうひ)」タイプです。あくびが頻回に出たり、不眠の症状を抱えていることもあります。このタイプの方には「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」を処方します。

漢方薬の飲み方と注意点……初回は専門家に体質を弁証してもらうことが重要

漢方服用の最初の一歩は、漢方を専門に取り組まれているドクター、もしくは漢方専門薬局などの専門家に体質を弁証してもらってから開始するようにしましょう。飲んですぐに効果が現れる場合もありますが、2週間ほど経ってから変化を感じる方も多いので、指示される日数は服用を継続してください。

ただ、効果がないのに、何カ月も漫然と継続することはお勧めできません。

漢方薬のよくある副作用……下痢、軟便、食欲不振など

「漢方は副作用が少ない」と思っている方も多いですが、実は、副作用報告は少なくありません。漢方は本来体質をベースに処方を検討しますので、体質を見ることなく、病名から漢方を処方されることが原因になり得ると考えられています。

また、頻度の高い漢方薬の副作用としては、下痢、軟便、食欲不振、浮腫などがあります。気になる症状が出た場合には、医師、薬剤師に相談しましょう。

アラフォーのうつ症状は、年齢のせいと諦めずに改善のための一歩を

アラフォー女性のうつ症状は、「仕方がないもの」と諦めたり、「歳のせいだから……」と辛くても我慢を重ねたりしてしまう方も多いかと思います。しかし症状の原因にはホルモンバランスの変化が影響していることも多いため、正しい対処をすれば緩和できることが少なくありません。

毎日の辛い症状は、ご自身の気持ちの問題でも、頑張りが足りない訳でもなく、身体の変化に伴って起きているものです。

症状を緩和させるための行動を起こすことも面倒に感じられる状況かもしれませんが、まずは、ご自身を労わり、なかなか改善しない時には、漢方薬などを取り入れていただくこともぜひ検討されてください。
(文:住吉 忍(薬剤師))

当記事はAll Aboutの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

もっとよむ

注目ニュース

もっとよむ

あなたにおすすめ