<ライブレポート>ゆず弾き語りドームツアー2019完走、令和元年に弾き語りでエール届ける

Billboard JAPAN

2019/7/8 12:00



ゆずが全国4都市8公演で行った【ゆず 弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ~拍手喝祭~】が2019年7月7日に福岡ヤフオク!ドームで幕を閉じた。ドーム弾き語りツアーを行った史上初のアーティストとして、音楽史に新たに名を刻んだゆず。本レポートでは5月30日に開催された東京ドーム公演の模様をお伝えする。

ステージ中央には、ドームツアーのシンボルである“ユズドラシル”と名付けられた大きな木が吊るされている。ライブスタート直前にファンにはおなじみのラジオ体操で緊張も体もほぐすと、パッと照明が落ち、スクリーンには英語のナレーションとともに映像が流れた。鳥が落とした種をゆずのマスコットキャラクターであるゆずマンが埋めると、それが白く大きなこのユズドラシルへ成長するという内容だ。そしてステージ中心にスッと登場した北川悠仁と岩沢厚治が声援をいっぱいに浴びるとライブは「青」でスタート。「トーキョー!」と叫び、ギターをかき鳴らし、ハーモニカを吹き鳴らすふたり。弾き語りがふたりの原点であるとは言え、5万人規模の国内最大級の会場をギターと歌声だけで満たすのには、かなりの度胸と経験が必要なはず。しかし、それをサラっとやってのけてしまうのが、ゆずなのだ。そして今回の前代未聞のドーム弾き語りツアーによって、新たなライブ演出の道を切り開いた先駆者になったことは間違いない。

「東京ドーム、元気ですか?」と元気いっぱいに挨拶すると、ドームでこの曲をやらずにはいられないと言わんばかりに投入したのが「DOME★BOMBAYE」。ゆずと筆者が座る3階バルコニーまではかなりの距離があったが、<今日は来てくれてDOMEありがとう>と挨拶交じりに歌う姿は、いつもと変わらないゆずで、なんだかホッとする瞬間であった。

ゆずが初めて東京ドームでライブを行ったのが2001年6月29日。デビューからわずか4年でドーム公演を行ったことになる。それから18年経った今でも、日本を代表するアーティストとして地位を保ち続けるゆずのそのルーツを再確認できる「スミレ」と「桜木町」(当時、横浜から東京へ通っていた時の駅名からできた曲)が披露された。「陽はまた昇る」では、タオルを回して真上に飛ばすという、これまたファンにはおなじみアクションが、失恋ソングでしんみりした会場を温めた。

今回なぜゆずは弾き語りドームツアーを行ったのだろうか? それは、生命の象徴=全てのルーツを表すユズドラシル、北川の「僕たちのルーツは、やっぱり、この弾き語り」という言葉、そしてドキュメンタリー映像内の「路上、ライブハウス、ホール、スタジアム。場所が広がりオーディエンスが増え、ふたりも次々と新しい音楽を発表した。しかし、ふたりは弾き語りを忘れることはなかった。デビューからどんな時でも、どんな場所でも、ふたりは弾き語りを思い出にしなかった」という言葉に答えはあった。最高のところに達したからこそ、原点に戻るライブ、ゆずが新しいスタートを切るためのライブなのかもしれない。そして、ツアーの要でもあるユズドラシルが、ふたりにとって、そして観客にとっても単なる生命の象徴を示すことだけではないことも腑に落ちた。

ゆずマンがユズドラシルを登ると、無数の丸い玉が広がる――そんな映像がスクリーンに映し出されると、ゆずもステージから30メートル上のユズドラシルの頂上に姿を現す。スマホライトで会場全体が照らされ、まるでゆずマンが見ていた光景が、今ここで再現されているかのようだ。ここで披露された「Hey和」の<消せない明かり灯し続けてゆく/君がいるから>という歌詞がそんな状況とリンクする。「今回のツアーが予期せぬかたちで僕らにとって特別なツアーになりました。それは日本の元号が平成から令和に代わり、(僕たちの)令和一発目のツアーとなったから。たまたまですが、“令和”という響きと“Hey和”という響きが、ちょっと似てるかなと思いまして(笑)。今日は“Hey和”を“令和”に変えて、みんなと一緒に歌いたいんですが、よろしいでしょうか?」という北川の提案に、オーディエンスは大きな拍手で答える。「令和になって素晴らしく嬉しいニュースが入ってきているのと同時に、悲しいニュースも入っています。どうかこの令和の時代が素晴らしい時代になるように。みんなで願いを込めて、一緒に歌いましょう」と、“令和”合唱を指揮する北川。「うたエール」では、マイクから口を話して、<LA LA LA…心からla la/あなたにエールを/歌ういつの日も>を歌いあげたのだが、3階バルコニーまでその歌声がばっちり届いた。その声量は鳥肌ものだ。

その後、天使と悪魔に扮装したコメディー映像で笑いを誘ったゆずは、フルーツがたくさん飾られたポップなカートでスタンドを外周。「マスカット」「3番線」「タッタ」などアップテンポな楽曲が立て続けに披露され、会場からはこの日一番の拍手と歓声が起こった。

この日は、北川が作詞作曲した嵐の「夏疾風」がゆずver.でセルフカバーされるという、かなりレアな公演にもなった。眩しいオレンジのライティングがメインで、その疾走感溢れる情熱的な曲が視覚でも楽しめた。「夏色」ではおなじみの「もう一回」からの「バカヤロー」で、爆笑連発。ライブが終盤に差し掛かっているものの、エネルギーが有り余る北川はステージを端から端まで駆け、ファンのかけ声も息ぴったりだ。最後には、北川がゆずマンに変身するというオチまであり、サービス精神旺盛なゆずらしさも忘れていない。そして鼓動のサウンドが鳴り響くなか、ゆずが本編ラストに選んだのが新曲「SEIMEI」だ。ライブのコンセプトである生命、ルーツの偉大さ、そしてこれからの未来への責任を、静と動で力強く表現しているように感じられ、本編を締めるのにふさわしいパフォーマンスであった。

アンコールではリリースから15年経った今でも色あせない名曲「栄光の架橋」で大合唱。「少年」と続き、「こんな大きな会場なのに、みんなを近くに感じています。ふたりでは限界はあるけど、ふたりで出来ることは無限だ! きっと目を背けたくなることが起きると思うけど、俺達も頑張って走り続けるから、令和の時代も、いや、死ぬまで一緒に俺達と生きていこう。これからもよろしくな!」と北川の力強いメッセージで締めると、「終わりの歌」でライブは幕を下ろした。<今日はこれで終わりします/聞いてくれてDOMEありがとう/君がいたから/ここまで歩いてこれた/それじゃ、またお元気で/きっとまた会えるから/その日までお元気で>とサヨナラの挨拶を受け取った観客達の表情は笑顔でいっぱいだった。

Text by Mariko Ikitake
撮影:太田好治、立脇卓、田中聖太郎、岩﨑真子

◎【ゆず 弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ~拍手喝祭~】
2019年5月30日(木)東京ドーム公演セットリスト
01. 青
02. DOME★BOMBAYE
03. 贈る詩
04. 飛べない鳥
05. スミレ
06. 桜木町
07. 陽はまた昇る
08. 嗚呼、青春の日々
09. マボロシ
10. Hey和
11. うたエール
12. マスカット
13. シュビドゥバー
14. 3番線
15. タッタ
16. 岡村ムラムラブギウギ
17. 夏疾風
18. サヨナラバス
19. 夏色
20. SEIMEI
-ENCORE-
01. 栄光の架橋
02. 少年
03. 終わりの歌

当記事はBillboard JAPANの提供記事です。

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