遊助が持つ千羽鶴のイメージは「増えていくもの」

UtaTen

2019/7/3 17:01

■遊助(ゆうすけ)
上地 雄輔(かみじ ゆうすけ )
俳優・タレント・歌手

あの時千羽鶴を折ってくださった皆さん、ありがとうございます


──ニューシングル『千羽鶴』は、夏らしい作品になりましたね。

遊助:リリースが夏って決まっていたので、夏に合うように。ゆっくりミニアルバムの様に聴いて欲しいっていうのもあったので、いろんな表情の曲を選びました。

──昼、夜、さらに視覚や香り……と、いろんな角度から夏を思わせるような曲が並んでますね。

遊助:確かに!そう思ってもらえると嬉しいですね。

──タイトル曲『千羽鶴』について。「千羽鶴」って、私の中では「つるす」ものってイメージだったんです。でも遊助さんは、曲の中で千羽鶴を飛ばしている。このアイデアはすごいなと思いました。

遊助:僕の中では、千羽鶴はどんどん増えていくイメージ。

──それは高校野球の大会での思い出に重なる?

遊助:そうそう。野球の試合で負けたチームが、勝ったチームに渡す。だから勝ち進むとどんどん増えていくんです。

──あぁ、千羽鶴を託すって習慣があるそうですね。

遊助:そう、託されるんです。だから千羽鶴には託された願いが込められているし、自分のチームの千羽鶴には、誓いが込められている。僕にとって千羽鶴ってそういうイメージなんですね。で、この曲をもらって聴いた瞬間に「千羽鶴だ」って思ったんです。千羽鶴が飛んで行くイメージが広がった。

──最初に出て来た歌詞は?

遊助:サビの「風よ吹け 千羽鶴 想い乗せて」ですね。そこから広げていきました。

──歌詞を広げていくにあたり、他にテーマやイメージはありましたか?

遊助:今回、高校野球の神奈川県大会のテーマソング(=「2019tvk高校野球神奈川大会中継テーマソング」)になったんですけど、じつは、そこを狙い撃ちして作ったんです。

──作る前に、そういうお話しがあった、と。

遊助:いや、そういう話はまったく無かったんですけど(笑)。

──え?

遊助:でも「テーマソングやりたい」と思って、勝手に作りました。

──ええええ?すごいとっかかりですね(笑)。

遊助:(笑)今年、高校野球神奈川大会が100周年を迎えるんです。100周年だから101回目の大会になるんですね。僕もちょうど「遊助」として10周年を迎えて、11年目を迎えるツアーも決まっていたし、40代にもなった。いろんな節目の年だったんです。

もちろん高校時代に野球をやっていて、神奈川県大会に出場したりしてたっていうのもあったし。そういういろんなものが重なって「絶対に(テーマソングを)歌いたい」って思った。誰かに頼まれたわけでもないし、作った曲がテーマソングになるかもわからなかったけど、自分の中で「やりたい」って強く思ったから、作り始めたんです。

──なるほど。だから歌詞にも、野球を想像させる単語が多く使われているんですね。

遊助:そうですね。ただ、試合に出ている選手だけじゃなく、ベンチの選手やアルプススタンドで応援している選手や、家族……そういう仲間達にもスポットライトを当てられるような曲にしたいと思って。「俺達がいるぞ」っていうような。応援している人の目線になるように言葉を選んでいきましたね。

──高校球児にとっての「千羽鶴」って何のシンボル?

遊助:その人によっていろいろあるとは思うけど、希望、祈り、誓い、とかじゃないかな。あと、個人的には「千羽鶴」はベンチにいつもあるものってイメージもありますね。千羽使って「勝利」って描かれたものとかありました。

そういえば、今、話してて思ったんですけど、うちのチーム(=横浜高校)の千羽鶴って、誰が作ってたんだろうな。選手の家族の人達とかかなぁ。男子校だったから、生徒が中心になって作った……とかは無いと思うんだけど」

──選手の父兄の皆さんや、OBのご家族の皆さんとかも作っていたのかもしれないですね。千羽折るのは、大変だったと思うし。

遊助:そうですよね。「YH(=横浜高校)」って描かれているものとか、いろんな千羽鶴があったから、大変だったと思うんです。でも誰が作ったか聞いたことがない……御礼を言えないまま、今まで来ちゃったなぁ……御礼を言いたいなぁ……」

──まずは、この場で言ってみたらどうですか。

遊助:そうですね。「あの時、千羽鶴を作ってくれた皆さん、ありがとうございます!」

──折ってくれた方、どなたかが、読んでくれるといいですね。『千羽鶴』の歌詞の中で、遊助さんが気に入っている部分は?

遊助:どこだろう……ちなみに、どこですか?

──「大丈夫さ 大胆に 大歓声 胸抱いて」ってフレーズですね。他の部分とアプローチが違うし、韻を踏んでいるのもそうですけど、単語の順番が良く考えられていると思いました。

遊助:僕もそこにします(笑)。

──ありがとうございます(笑)。この部分は、メロディーもフックがきいていて、印象に残りました。

遊助:「大丈夫さ」~「輝いた未来だ」までは、最後に付け足した部分なんですよ。「この歌詞を入れたいから、こういうメロディーつけて」ってお願いしたんです。ホームランの打球がパコーンって空に弧を描いて、キラーンって光って、その先に勝利がある……っていうイメージで書いた歌詞ですね。僕も好きなフレーズです。

聴き手が主人公になるような「みんなのワード」


──2曲目の『bay side』は、夜のイメージ。ロマンチックなシチュエーションを描写してますね。実際に観た光景を元に、書かれている部分もあるのでは?

遊助:そうですね。自分が観た景色とか、実体験は、歌詞を書く上でヒントにしているから、どうしても出てきちゃいますよね。特に視覚的なものは、見て来たものから想像して書くことが多い。でも極力、主観だけでは書かないようにしてる。

自分だけの物語にならないようにしてるんですね。俺の話なんて、どうでもいいと思ってるから。曲は、聴いている人が主人公になることで、その人の曲になると思うんです。そうじゃないと意味がないから。

──あぁ、なるほど。だから、イメージを限定させないために、言葉そのものをシンプルでミニマムなものにしてる?

遊助:それはありますね。例えば「今日マネージャーと移動車でここまできた、その途中ですれ違った人が魅力的で……」なんて歌詞は、俺自身のことだから、誰の日常にも重ならない。だけど「バスの中から見かけたあの人が忘れられない、あの香りが……」ってなると、聴き手の生活の中でも、パッと想像できると思うんです。

出てくるシチュエーションは、その人によって違う。バスの色も違うし、出てくる「あの人」もそれぞれ違うと思うけど、聴いた人の物語とリンクさせられるから、楽曲がその人のものになりやすい。だから極力、そういう「みんなのワード」を探すんです。それが結果として、シンプルな言葉になっているんだと思う。

──シンプルだから、聴き手がイメージを膨らませやすい。

遊助:うん。すごくわかりやすいワードなんだけど、どうとでも転べる言葉っていう。その上で、その人のきっかけになるようなメッセージになればいいな、と。まずその人の生活に寄り添わないと、メッセージも響かないと思うんですよ。

曲って、一方通行なものだと思うんですけど、僕の中では、キャッチボールをするような感覚なんですよね。

──相手と会話しているような感覚で作ってる?

遊助:そうですね。まさに会話だと思ってます。

──そう感じてるってことは、投げたボールが返って来ている、キャッチボールが成立していると思う瞬間があるってことですよね?

遊助:ありますね。まず、1番はライブですよね。それからお手紙、SNSの投稿、友達からの感想、本当にいろいろあります。

──その会話があるから、曲を作ることが出来る?

遊助:そうです、そうです。曲を作って歌う、それを聴いてくれる人がいる。聴いてくれる人がいなかったら、絶対に10年も歌ってないですから。ライブが無かったら、曲を作りたいって思わないだろうし。ライブが終わった後、いつも「曲を作りたいな」って思うんですけど、それは「みんなにまた逢いたいな」って思うからなんです。

「逢いたいなら、どういう言葉を選ぶ?」みたいな。「みんなは、こういう言葉を待っているんじゃないか、じゃあ、その言葉を使って、こういう曲を作ろう」って。いつも、そういう風にして、曲を作り始めるんですよね。

──友人に、手紙を書く感覚に近いのかもしれないですね。

遊助:うん、仲間に向けて書く感じ。

──なるほど。そこは歌詞に出ていると思いました。メッセージソングなのに、聴き手との距離感が独特なんですね。「みんな、いこうぜ」みたいな、先導型のメッセージじゃない。

遊助:ははははは(笑)。「いくぜ、いこうぜ」って思われがちなんですけどね(笑)。じつはそうじゃない。「みんな、そろそろ一緒にいく?」みたいな気持ちなんです。

「みんなと一緒に作った10年になったね」って言えるように。


──ちょっと意地悪な質問していいですか?

遊助:(笑)大丈夫です。

──仲間に手紙を書いて、自分の気持ちが伝わらなかった時、凹んだりすることもあるのでは?

遊助:そこは自分の責任というか。今、曲を手紙に例えましたけど、プレゼントにも例えることができる。プレゼントをあげるって、ある意味、すごく自分勝手な行為だと思うんです。

自分が満足するための要素が大きいっていうか。で、プレゼントをあげて、そのリアクションが悪い、自分の思い通りじゃないから凹むって、すごく自分勝手だと思うんです。

俺、そんな自分勝手な人間になりたくないから。相手のリアクションがいまいちだったら「いまいち(なプレゼント)でごめんね」って思えるような自分でいたい。押し付けたくないんですよ。

──そうか。メッセージを送る前に、まず相手(=聴き手)の気持ちに寄り添おうと思っているってことでしょうか?

遊助:はい。でもそこは、音楽をやる前からそうかも。ブログをやり始めた時からずっとそれは意識してきたことかもしれないです。昔、ブログをやり始めたばかりの頃って、まだガラケーだったじゃないですか。例えば「重大発表があります」って書いて、ピコピコピコって改行をして行間を開ける。

そうするとまずブログを読んでくれた人は「重大発表って何?」って思うわけじゃないですか。それでバーッとスペースが開いて「なんと……」とか出て来たら「どこまで改行するんじゃい」って思う。

こっちも「今、まだスペースあるんかいって思ったでしょ」と思いながら、ピコピコピコピコ改行していくわけです。これも会話だと思うんですよね。

ブログって一方通行ではあるんだけど、その中でも、それぞれと会話が成立してる。音楽も一緒で、歌詞も「ここは漢字だと視覚的に強すぎるから平仮名にしておこう」とか。実際に言葉にはなっていないんだけど、いつでも会話できるようにしたいと思うんです。

──先ほど、曲作りの最大の原動力がライブだという話をしてくださいましたが、遊助さんは、お客さんにどんな思いを持ってライブに臨むんですか?

遊助:「みんなの仲間に入れてくれてありがとう」って気持ちが強いですね。自分もお客さんも、お互いがお互いに逢いに来てる感覚っていうのかな。会場は待ち合わせの場所に近いかも。

──2019年7月4日からは、全国で20公演を行う全国ツアーが始まりますね。

遊助:『遊助の第二章』というのもあって、改めてまっさらな気持ちでゼロから作ってみようと思っているんです。これから10年後に「みんなと作った10年になったね」って言える、初めての第一歩になるような。そんな新たなスタートを切るライヴにしたいなと思ってます。



TEXT 伊藤亜希
PHOTO 片山拓

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