リオン・ブリッジズを知るための13のキーワード【Pulse #003】

TABILABO

2019/6/26 17:00


"ひとつ星の州"テキサスは、アメリカ音楽史において重要な意味を持つ。カントリーレジェンドのウィリー・ネルソン、ゴスペルシンガーのカーク・フランクリン、モダンR&Bシンガーのビヨンセにギャングスタ・ラップクルーのUGKなどなど。じつに多彩なアーティストを輩出してきた。

そんなテキサスシーンの現在に目を向けてみると、少々型にハマっている印象がある。聴こえてくるのは、トラップとカントリーばかり。エレクトロニックビーツと消費的なライフスタイルか、アコースティックギターと保守的な労働者階級のライフスタイルかの2択……まあ、これはテキサスに限らず、アメリカ全体のトレンドなのかもしれない。

テキサス州フォートワース出身のリオン・ブリッジズは、他のアーティストたちとはちょっと違う音楽を制作している。

リオンが傾倒しているのはソウルミュージック。

最初のアルバム『Coming Home』での温かい歌声と歌詞は、サム・クックやオーティス・レディングと比較される仕上がりだ。最新アルバム『Good Thing』は、さらに冒険的な内容で、60年代のジャズ、70年代のファンク、80年代のポップス、90年代のネオソウルなどからのインスピレーションが感じられる作品。つまり、彼は単なるレトロな嗜好のアーティストじゃない。過去のジャイアンツたちの下敷きがありつつ、現代のアーティストだ。

それは彼の歌を一聴すればわかる。

アメリカの南部(彼のカラダには「TEXAS」とフォートワースのエリアコード「817」のタトゥーがある)のことを歌おうが、恋愛について歌おうが、家族について歌おうが――つまり、どんなに普遍的なテーマを歌っても、とてもモダンで、他のアーティストにはないパッションを持っている。

リオンのこれまでの活動はとてもユニークだ。

コラボレーションの相手は、ラッパーからカントリーアーティストまで。『セサミストリート』のエルモやビッグバードと一緒に歌ったことだってある。リオンのもっとも有名なファンは、オバマ元大統領だろう。ホワイトハウスでの彼の誕生日パーティーでもリオンはパフォーマンスを披露している。

そして、日本でも人気は高まりつつある。今春の来日では、恵比寿リキッドルームでのワンマンに加えて、グリーンルームフェスティバルにもヘッドライナーとして出演した。

リオン・ブリッジズ、テキサス出身の29歳。今世界で一番注目されるソウルシンガーは、どんな男なのか?

リオン・ブリッジズ
13のキーワード




KEY WORD 01
Fort Worth, Texas


フォートワースね、僕のホームタウンであり、いろんな側面を持った街だ。そこにある西洋文化も好きだし、いろいろとエキサイティングなことが起こってる。

音楽で言えば、テキサスはChopやScrewといった手法を使った音楽もあれば、カントリーもある。僕もそれらの特性を取り入れた音楽を作る努力をしている。

なかでも、僕の音楽は伝統的なカントリーミュージックのスタイルに近い。カントリーには、ウィリー・ネルソンの歌に代表されるように素晴らしいものがある、尊敬しているよ。ソングライターとしては、ウィリーやボブ・ウィルスから多くのことを学んだね。

KEY WORD 02
Day off

コーヒーを飲んで、美味しい料理と美味しいウイスキーを楽しむ。あとは家でChillしながらアニメを観る。ロボットチキン、バットマン、あとはスポンジ・ボブなんかが好きだ。

僕は常にいろんな人と会って話を聞いて、多くの刺激を受ける性格なんだ。だから、あまりたくさんの人と話すと疲れてしまう。1人で過ごす時間には、元気を充電するようにしているよ。

KEY WORD 03
Soul food

テキサスでは、桃のコブラーパイが美味しいね。数あるコブラーパイのなかでもトップだと思うよ。それからテックスメックス。これは神からの授かりものだ。ナチョス、ブリトー、タコスは大好物だよ。

お気に入りのお店は、自宅の近所にある『Kincaid's』。本当にドープなハンバーガーを作る店だ。クラシックなスタイルなんだけど、フォートワースで一番美味しいお店のひとつだね。

お酒ならウッドフォードリザーブかな。テキサスバーボンではないけれど、僕のベスト。

あと、コーヒーはブラックだね。

KEY WORD 04
Soul music

子どもの頃、お父さんがソウルミュージックを教えてくれたんだ。それだけじゃない。近所のメキシコ人がずっと50年代の音楽を聴いてて、それが僕にとってはすごく奇妙なものに感じられたんだ。

ファーストアルバム『Coming Home』のスタイルは、その頃に受けた影響下にあるよ。

KEY WORD 05
Trap

じつはトラップを聴いたり、ダンスをしたりするのが好きなんだ。だから、トラップは無意識に僕の音楽に入ってると思う。他人にはわからないかもしれないけど、僕の音楽はそういうところがある。アーティストとのコラボとかで自然であれば、トラップを取り込むかもね。

ただ、今制作中のサードアルバムはR&B色が強くなる予定だよ。

KEY WORD 06
Influence


タウンズ・バン・ザント、ヴァン・モリソン、ニール・ヤング、アーサー・アレキサンダー、ギタースリム、ボビー・ウーマックなど。

60年代のR&Bのレプリカを作ろうとは思っていないよ。僕の音楽はそこにカントリーやフォークソングみたいなテキサススタイルを注入しているんだ。

最初はメロディーから。そこから歌詞の中身を考える。ギターコードから作っていくこともあるね。

KEY WORD 07
Guitar


エレキギターは、ある意味時代遅れになってきていると思う。みんなが使っているしね。それはいいことなんだけど。ただ、自分はギターから音楽をはじめたから重宝している。とにかく僕はギターを楽しんでいるよ。楽しむために演奏するし、作曲をしているから。

KEY WORD 08
Fashion


古いものと新しいもののミックスが好きだ。ミリタリービンテージ、ウェスタンスタイルのビンテージがとくに好き。そして、ストリートスタイルが好きだ。テキサスっぽいスタイリングが多いんだけど、それをなんて呼ぶのかは知らないね。

KEY WORD 09
Wrangler Jeans


YES!

KEY WORD 10
Favorite Items



自分で髪をカットするからバリカンは欠かせない。デニム、ステットソンのOpen Road(ハット)、ブーツ、それからグッチのローファーだね。

KEY WORD 11
Japan


今回の来日してまず訪れたのが、日本で好きなブランド『Wacko Maria』だ。とてもクールなコーヒーショップが併設されていた。他には…何軒かバーにも行ったな。

日本のファンはとても僕を評価してくれていると思う。すごく熱意を感じるよ。

KEY WORD 12
Barack Obama


初の黒人大統領の前で演奏する機会をもらったことは、とても名誉だと思う。テキサス代表として、そして自分の家族の代表として誇らしく思うよ。

実際はかなり緊張したんだけど、今思い返してみると最高な瞬間だった。

軽くだけど、彼と話すこともできたしね。

KEY WORD 13
Plan


これからKhruangbinというヒューストン出身のバンドとコラボレーションする予定がある。彼らの音楽は最高だよ。僕のディープな部分――アルバムに入れたことがないような歌と彼らのオリジナルのサウンドを融合させる。すごく楽しみだよ。EPとしてリリースする予定だ。

それからサードアルバムも制作中だ。たくさんの曲をレコーディングしているところ。どんな音楽に仕上がるか、いろいろと楽しみながらやっているよ。

グラミー受賞シングル
『Bet Ain't Worth the Hand』



最新のアルバム『Good Thing』のリードシングル『Bet Ain't Worth the Hand』。リオンの〝ゴールデン・ボイス”が堪能できる、別れをテーマにしたバラッドは、第61回グラミー賞で最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞を受賞した。



“もっとも新しいソウル”
『Good Thing』



リオン・ブリッジズのソウルミュージックは、先人達へのリスペクトがありつつも、モダンだ。“もっとも新しいソウル”と言い切ってもいいんじゃないか?

聴けばわかる!


当記事はTABILABOの提供記事です。

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