『仮面ライダービルド』の犬飼貴丈が挑む本格時代劇『GOZEN』- 武田航平との一騎討ちに「高岩さんをお呼びしたかった」


●石田監督の情熱的なアプローチに刺激
2019年7月5日より公開される映画『GOZEN -純恋の剣-』は、東映と東映ビデオによる「映画」と「舞台」の融合を狙った新プロジェクト「東映ムビ×ステ」のひとつとして製作された作品である。腕自慢の侍が己のプライドをかけて技を競い合う"御前試合"というシチュエーションを同じくしながらも、映画と舞台とで、それぞれに異なる人物を主役に置き、別種のドラマが展開するというこの企画。映画の中に舞台的なビジュアルを配置したり、映画で"脇"に控えていた人物が舞台で重要な役割を担ったりと、"世界"の違いを巧みに活かして予想外の広がりを持たせる意欲的な試みが多数行われている。

今回は、映画『GOZEN -純恋の剣-』で主演を務める犬飼貴丈に、初体験となる「時代劇」への思いや、剣を使った立ち回りの苦労話、そして『仮面ライダービルド』(2017年)以来の共演となる武田航平とのコンビネーションなど、興味深いお話をうかがった。犬飼貴丈ファン、そして『仮面ライダービルド』ファンの方たちには、ぜひじっくりと読み込んでいただきたいインタビューである。

――今回は、犬飼さんが『GOZEN -純恋の剣-』の試写をご覧になったタイミングでお話をうかがっています。完成した映画を観た直後の率直なご感想から聞かせてください。

まずはホッとしましたね。撮影している間は、自分が出ていない場面など想像がつかない部分がありましたから、通しで映画を観ることができて、しみじみと「完成したんだなあ」と感じることができました。

――撮影は東映京都で行われたそうですが、時期はいつごろだったのでしょうか。

去年の12月半ばからですね。それから2週間、京都の撮影所で撮っていましたが、一度東京へ戻って別の仕事をしていましたので、ただでさえタイトなスケジュールがいっそうタイトだった印象です。

――最初に『GOZEN』出演の依頼があったときを振り返って、最初はどのように思われましたか。

えっ、また東映?って思いました(笑)。てっきり、また『仮面ライダービルド』をVシネマか何かでやるものだとばかり。でも、マネージャーさんからよく聞くと、今度はライダーではないんだと知りました。『ビルド』でお世話になった大森(敬仁/プロデューサー)さんが新しい企画を始めるにあたって、僕に声をかけてくださったのならぜひ、ということでお引き受けしました。

――犬飼さんにとって初の時代劇映画ということですが、台本を最初に読まれたときの印象を聞かせてもらえますか。

男たちが「御前試合」という場所で、互いの技を尽くして戦い合う……というストーリーは、僕の好きな漫画『シグルイ』(原作:南條範夫/作画:山口貴由)にも通じるところがあって、すぐにストーリーにノれましたね。さらには『ロミオとジュリエット』的な恋愛の要素も含まれて、興味深い内容だと思いました。

――「時代劇」というジャンルについては、どのように考えていましたか。

僕個人としては馴染みのないジャンルでした。どちらかというと、おじいちゃん、おばあちゃんが観るもの……というイメージがあったんです。でも今回の『GOZEN』は、今まで時代劇に触れる機会がほとんどなかった若い世代の人たちにも興味を持ってもらえるような作品になっていると思います。

――よく「京都の撮影所は昔かたぎのベテランスタッフさんばかりで、初めての俳優たちに厳しい」という話をウワサで耳にしますが、実際のところはいかがだったでしょうか。

最初の3日くらいは、確かにあまり話してくれない方もいらっしゃいましたね(笑)。でも、しばらくするとみんな打ち解けてしまって、そんな怖い雰囲気にはなりませんでした。僕は西日本の人間なので平気なのですが、関東出身の役者さんにはスタッフのみなさんが使われる京都弁が少しトゲっぽく聞こえるようで、たぶん「怖い」っていう話はそういう印象の違いから広まっていったんじゃないでしょうか。現場はとてもあたたかい雰囲気でした。

――スタッフさんの話し言葉が違うだけでも、東京撮影所とはずいぶん違う印象になっていそうですね。

そうですよ。関西弁の中でもかなりスルドい言葉が飛び交いますから、慣れていない人はドキッとするでしょうね……(笑)。

――犬飼さんにとっては初顔合わせとなる、石田秀範監督の印象はいかがでしたか?

石田監督の演出は、役者の素の感情を引っ張り出して、お芝居を根本から引っ張ってくれるようなスタイルで、とても情熱的なアプローチをされる方だと感じました。今の時代とは逆行している、"良い意味で古い"方だという印象です。平成仮面ライダーシリーズを多く手がけられた"巨匠"とうかがっていましたが『ビルド』ではご一緒することができませんでしたので、今回は嬉しかったですよ。これで「仮面ライダー」の監督さんとはほぼほぼ、お会いできたんじゃないかって(笑)。スケジュールが厳しかったのもあって、監督もあまり"粘る"ことができなかったんじゃないかと思いましたが、それでも絶対に妥協をしない姿勢で撮られていたのは、そばで見ていてよくわかりました。

●エボルトに乗っ取られて以来のカツラ

――柳生隠密・青山凛ノ介という人物を演じるにあたって、犬飼さんが共感できる部分、あるいはできない部分などがあったら教えてください。

生きる時代が違うというのもありますが、性格そのものが僕と凛ノ介では違うと感じました。そもそも僕は役を自分と重ねるタイプではないので、共感ができなくとも演技のやり方には関係がないんです。どんな役柄でも"演じる"という時点で自分とは違うという考え方でやっています。

――時代劇ならではの衣装を身に着けたり、カツラを被ったりという経験は以前にもありましたか?

今回が初めてです。カツラは『ビルド』の劇中で、エボルトに乗っ取られて白髪になったとき以来になりますね(笑)。あのときと今回とではカツラの種類も違いますし、時代劇のカツラと衣装を着けたことは今までにない、まったく新しい体験でした。

――また、現代劇と違って時代劇には独特な所作があると思います。こちらについてはいかがでしたか。

ふとした仕草などに、現代とは違う動きが求められますので、撮影の合間合間に所作指導の先生から教えていただきました。歩き方や、振り向き方、座り方、立ち方、走り方など……。そういった動きのすりあわせには苦労しましたが、その分、本格的な動きになっていると思います。自分のイメージでは、新しいものを作るというよりは、昔ながらの伝統的なものを尊重しながら、作り上げていったという感じです。

――共演者の方たちについてのお話をうかがいたいと思います。本作では『仮面ライダービルド』の武田航平さんや『仮面ライダーエグゼイド』の小野塚勇人さん、町井祥真さん、『仮面ライダー鎧武』の久保田悠来さんと、仮面ライダーシリーズに出演された俳優さんでメインを固められているのですが、撮影がお休みのときなどにみなさんで遊びに行ったりとか、されたのでしょうか。

あいにく、撮休のときには東京に戻って仕事をしていたりするので、この作品ではまる1日休みが取れたことがなく、みんなでどこかに行く機会がまったくなかったんです。ふだんの撮影の合間、昼の休憩時間にみんなで食堂に行くことはありましたが、ガッツリ遊ぶことができなかったのは、ちょっと心残りでしたね。ホテルと撮影所の行き来だけという(笑)。でも、あれだけタイトなスケジュールをこなして、共演のみんなと濃密な時間を過ごすことができたというのは、僕の中で大きな思い出として残っています。

――御前試合の場面では、出場者のみなさんがそれぞれ得意の剣技を駆使して戦うのが大きな見どころになっているかと思います。剣による立ち回りを経験されたご感想を聞かせてください。

たいへんでしたね……。それまで刀なんて握ったことがなかったので、果たして本当に出来るのだろうか?と最初は不安でした。でもやるしかない状況で、時間がない中で、自分なりに最善は尽くすことができたかな、とは思います。

――みなさんがそろって、立ち回りの練習などをされたりしたのでしょうか。

ホン読み(台本の読み合わせ)のあと一度だけ、木刀を持って1~2時間くらいやりましたね。

――凛ノ介に想いを寄せる可憐なヒロイン・八重を演じる優希美青さんの印象はいかがでしたか。

19歳という若さに似合わず、すごくどっしりと構えていらっしゃる女優さんという印象で、だからこそ安心してお芝居をさせていただくことができました。ただ、撮影をこなしていくのが精いっぱいで、合間に2人でお話することがほとんどなかったのが残念なところでしたね。役の上ではお互いの心を通わせている、という関係だったのですが、優希さんのことを深く知る前に撮影が終わってしまったという感じだったんです。

――それでは最後に、犬飼さんから映画『GOZEN -純恋の剣-』の見どころを聞かせてください。

凛ノ介と八重との恋のゆくえという部分も大事なのですが、僕としては武田航平さん演じる寺脇甚八郎との一騎討ちの場面を強調したいですね。

――お2人は『ビルド』でビルドとグリスとして激闘を繰り広げた過去がありますが、生身の状態で戦うのは初めての経験ではないですか。

確かにそうですね。試合が始まるとき、僕は高岩(成二/仮面ライダービルドのスーツアクター)さんをお呼びしたかった! 今回は変身しないから、自分で動いて戦わないといけないのか、なんて思ったら、ここで高岩さんにアクションを交代してもらえたらなあ、なんて考えたりもしました(笑)。

――『ビルド』でもすばらしいチームワークで共に撮影を乗り切った犬飼さんと武田さんですから、試合のシーンではふだんのお2人の関係を意識して、犬飼さんが戦いにくかった……なんてことはなかったでしょうか。

いえぜんぜん。思い切りやってやろうと思っていました(笑)。砂利の上に下駄履きという不慣れな足場で、一歩間違えば怪我をしてしまうような状況ながら、航平さんと2人で懸命に作り上げたシーンなので思い入れが強いですし、ここが映画の中で一番の見どころではないかと思います。僕たちが出演した映画『GOZEN-純恋の剣-』は、舞台『GOZEN-狂乱の剣-』(9月東京・大阪上演)と連動する要素もあり、いろいろな楽しみ方のできる作品になっていますので、ぜひたくさんの方たちに観ていただきたいです。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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