両手に杖の飯塚元院長…大衆の面前での立ち会い実況見分に”見せしめ”との声も

AbemaTIMES

2019/6/14 15:45




 東池袋で自動車が暴走、母親と3歳の女の子が亡くなり、10人が重軽傷を負った痛ましい事故。13日、旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が運転操作を誤った過失運転致死傷の疑いで捜査を進めている警視庁が、本人立ち会いのもと実況見分を行った。

午前10時前、捜査員たちが現場で手を合わせ始まった実況見分。事故を起こしたのと同じ車種の車に飯塚元院長が乗り込み、事故当時と同じルートをたどりながら確認作業は進んだ。目を引いたのは、車から降りてきた飯塚元院長の足取りだ。事故当時、足を痛めていたとも報じられていたが、この日も両手に杖を持ち、ぎこちない足取りで現場に脚を運び、母子が亡くなった交差点にやってくると、深々と頭を下げた。



 注目されたのは、この警視庁の対応だ。滋賀県大津市で保育園児2人が亡くなり、14人が重軽傷を負った事故のケースでは現場がブルーシートで覆われていたが、今回は一連の流れが数多くのメディアの前で行われた。このことについて、"見せしめのようではないか"、との見方もある。この点について、AbemaTV『AbemaPrime』ふかわりょうは「"元院長"という呼び方も含めて、ひっかかる点がいろいろある」、慶應義塾大学の若新雄純准教授も「途中からニュースを見た人の中には何の院長なのかも分からない人もいると思う。色々な配慮がなされてはいるのだろうが、逆にニュースを見ている人たちに対しても、事故を起こした本人に対しても"雑"な印象を受ける」と、警察とメディアの対応に疑問を投げかけた。


 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「元警察担当記者としては、過去の事件・事故の捜査の流れから考えて、そんなに不自然ではない。ブルーシートで隠すのは、要するに手錠をかけた状態を見せることが人権上問題だと言われ続けているからだ。警察としては逮捕していないので、手錠もかけていない。だから隠す必要はないというロジックだ。ただ、昔は警察と記者クラブの相互信頼のもと、手錠をかけた様子をガンガン見せていた。それがロス疑惑の時、手錠をした三浦和義さんをカメラの前で歩かせて以降、新聞社やテレビ局が警察批判をするようになった。警察からすれば"あんたたちがやってほしいというから見せていたのに、急に批判するのは何事だ"ということで止めることにした。一方、警察が絶対に言わないことだが、組織としては世論をメチャクチャ気にしている。今回、"上級国民だから逮捕しない"と批判されたことに対し、若干の忖度をして見せたという可能性もなくはない」と指摘した。

また、メディアの対応については「過去に"元メンバー"という肩書があった。逮捕されてはいないから容疑者は付けられない、ただ"さん付け"するには倫理的に考えてどうかという場合、無理やりそのような肩書きを付けるのが現状だ。もう一つ、メディアに問題があると思うのは、報道バイアスだ。交通事故を起こした人の年齢別の統計を見ると、実は圧倒的に多いのは16~19歳。80歳以上は実はそれよりは少ない。今、全国各地で起きた高齢者による事故をことさら報じることによって、そうした増えているように見せてしまっている。そして我々の側にも、高齢者がいきなり車を飛ばすということに対する、得も言われぬ不気味さ、拒否反応も我々の中にあるような気がする。だからいたずらに高齢者の免許は取り上げる、という話にいかない方がいいと思う」との考えを示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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当記事はAbemaTIMESの提供記事です。

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