津田大介「ジェンダー平等を」芸術監督をつとめる「あいちトリエンナーレ」のポリシーとは?

TOKYO FM+

2019/6/14 11:50

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMの番組「Dream HEART」。6月8日(土)放送のゲストは、8月1日(木)から開催される国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督に抜擢された、ジャーナリスト・津田大介さん。同芸術祭におけるポリシーなどについて伺いました。



津田大介さん

津田さんは早稲田大学社会科学部を卒業後、メディアとジャーナリズム、著作権、コンテンツビジネス、表現の自由などを専門分野に執筆活動を行っています。近年は「地域の振興、社会起業、テクノロジーが社会をどのように変えるか」をテーマに精力的な取材を続ける一方で、早稲田大学文学学術院教授、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)の代表理事もつとめています。

アートの仕事なんて、したことないのに

茂木:「あいちトリエンナーレ2019」、これは注目のイベントですね!

津田:そうですね。地域創生的な文脈で、長い期間、いろんな街とアートイベントが一体化し、集客するイベントが注目されています。「あいちトリエンナーレ」は3年に1回やっていて、今回で4回目なんです。そのイベントの芸術監督というトップに、なぜか僕が選ばれてしまったという感じですね。

茂木:どういう経緯で芸術監督に選出されたんですか?

津田:「あいちトリエンナーレ」では、過去3回の芸術監督と、国際芸術祭に詳しい学者の方々が、7人の有識者会議を作っているんです。毎回、その有識者が“芸術監督には、この人がいいんじゃないか”という人を選出し、指名する形なんです。

茂木:事前の知らせは、なかったんですか?

津田:なかったんです! なので、ビックリしましたね。2017年の6月くらいに「あいちトリエンナーレ」推進室の室長さんからメールが来て、「あなたは『あいちトリエンナーレ2019』の芸術監督に選ばれました」って書いてあって。

茂木:決定事項だったんですね。

津田:心の準備があるので、事前に報告してほしいじゃないですか。何の心の準備もないですし、あまりにも門外漢で。僕、アートの仕事なんてしたことないですからね。そんな人間に、いきなり『芸術監督に選ばれました』ってメールが来たので、まあ驚きましたね。

女性中心の業界だと思っていた……

茂木:今回の「あいちトリエンナーレ」、津田さんが発表したあるポリシーで、大変な評判というか、論争が起こりました。一体、どういうポリシーを?

津田:2019年3月末に、現代美術のほぼ全ての作家を発表したんです。発表時に「参加する作家の男女比を半々にする」ということを発表しました。それは、アファーマティブ・アクションということでやったんですけれど……。

これは、日本語にすると“積極的な差別の是正措置”ということですね。特に男女差別は、この世の中で古くからある差別の最も大きなものの1つです。こういうものを改善していくときに、制度を変えていく。それをやることをアファーマティブ・アクションというふうに言ったりします。

茂木:これが、ネット上で大論争になりました。ということは、これまでアート界は、男女の間に意外と不均衡があったってことなんですか?



茂木健一郎

津田:そうなんですよ。僕も意外だったんですよね。美大などに行くと女性ばかりだし、そもそも、アート好きって女性のほうが多いですよね。実際、芸術祭や美術館などに行くと、
女性のお客さんは7~8割ぐらい。消費する側も女性が多いし、プレイヤーも女性が多い。少なくとも美大生、芸大生には女性が多いので、女性中心の業界だと思っていたんです。

けれど、調べてみると、けっこう男性優位社会なんですよね。例えば、有名な美術館などに収蔵されている作品の男女比って、男性が圧倒的に多いんです。作品が売買されるアートマーケットでも、世界的に非常に高値がついているアーティスト100人のうち、女性は5人しかいなかったり。

茂木:そのなかには、草間彌生さんも入っていますか?

津田:そうですね。まさに女性の1人です。僕もいろんな芸術祭に行くようになったんですけど、見ていると男性が目立つんですよね。“コレってどうなんだろう”と思って、芸術祭の男女比率を調べてみたんです。そしたら、だいたい、女性1に対して男性が3~4倍くらいの比率で入っていたんです。

茂木:国際的にそうだということですか?

津田:日本の芸術祭も海外でもそうですね。

茂木:今回、津田さんが打ち出された男女のアーティストが同数というのは、国際的に見ても、かなり新しい試みなんですね。

津田:そうですね。海外の方は、これを問題にし始めていて。最近は、小さなビエンナーレ(2年に1度開催される芸術祭)、トリエンナーレ(3年に1度開催される芸術祭)などの芸術祭は、ジェンダーバランスに配慮するようなものやジェンダーをテーマにした芸術祭などが増えつつあったんですね。

今年の5月から始まっている、世界最古で最大規模の国際美術展「ヴェネツィア・ビエンナーレ」でも、今回は、ほぼ男女同数なんですよ。

茂木:「ヴェネツィア・ビエンナーレ」とシンクロしていたんですね!

津田:僕も意識してなかったんですけど、国際芸術祭としては「ヴェネツィア・ビエンナーレ」と「あいちトリエンナーレ」が、どちらも同じ年にジェンダー平等を達成しているんです。

茂木:これは、国際的にかなりインパクトありますね。

津田:今後、アート業界のなかでも、参加作家を平等にしていくことは“国際的な潮流になりつつある”と言えると思います。

次回6月15日(土)の放送も、引き続き津田さんを迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYOFMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00~22:30
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/dreamheart/

当記事はTOKYO FM+の提供記事です。

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