『ゴドーを待ちながら』が開幕 ベケットの名作を昭和・平成ver.と令和ver.の2バージョンで上演

SPICE

2019/6/13 17:45


2019年6月12日(水)に初日を迎えた、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『ゴドーを待ちながら』昭和・平成 ver.の舞台写真が到着したので紹介する。

本公演はサミュエル・ベケットの不条理劇を、日韓共同製作作品『가모메 カルメギ』に於いて韓国で最も権威のある東亜演劇賞演出賞を外国人として初受賞するなど、海外からの注目も集める多田淳之介が演出を務めている。
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子

そして、主人公のウラジミールとエストラゴンを、60歳代の昭和・平成 ver.と30歳代の令和 ver.の2バージョンにて交互に上演することも話題だ。年代の異なる2組が、同じ舞台装置のなかで、同じ台詞を語る。ゴドーを待ち続けた昭和・平成バージョン、これからも待つであろう令和バージョンの違いに注目したい。

【登場人物】
ウラジミール 〔昭和・平成 ver.〕大高洋夫 〔令和 ver.〕茂山千之丞
エストラゴン 〔昭和・平成 ver.〕小宮孝泰 〔令和 ver.〕渡部豪太
ラッキー 〔昭和・平成 ver.〕永井秀樹 〔令和 ver.〕猪股俊明
ポゾー 〔昭和・平成 ver.〕猪股俊明 〔令和 ver.〕永井秀樹
少年 木村風太
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
『ゴドーを待ちながら』昭和・平成ver. 撮影:宮川舞子
【あらすじ】
『ゴドーを待ちながら』は 2 幕劇。木が一本立つ田舎の一本道が舞台である。
第 1 幕ではウラジミールとエストラゴンという 2 人の浮浪者が、ゴドーという人物を待ち続けている。2 人はゴドーに会ったことはなく、たわいもないゲームをしたり、滑稽で実りのない会話を交わし続ける。そこにポゾーと従者・ラッキーがやってくる。ラッキーは首にロープを付けられており、市場に売りに行く途中だとポゾーは言う。ラッキーはポゾーの命ずるまま踊ったりするが、「考えろ!」と命令されて突然、哲学的な演説を始める。ポゾーとラッキーが去った後、使者の少年がやってきて、今日は来ないが明日は来る、というゴドーの伝言を告げる。
第 2 幕においてもウラジミールとエストラゴンがゴドーを待っている。1 幕と同様に、ポゾーとラッキーが来るが、ポゾーは盲目になっており、ラッキーは何もしゃべらない。2 人が去った後に使者の少年がやってくる。ウラジミールとエストラゴンは自殺を試みるが失敗し、幕になる。

多田淳之介/演出家・東京デスロック主宰 コメント


今回のテーマは「日本」そして「世界」です。
サミュエル・ベケットの戯曲は一切の改変が許されず、戯曲に書かれている以外の演出、例えば音楽を流したりもできません。しかし、実際戯曲を上演してみると、それがベケットの戯曲を一番良く見せるのだということがわかります。もしかしたら、ベケット本人が書いたフランス語で上演されるのが一番良いのかもしれません。しかし、私たちは日本語で上演します。当然描くべきは今の日本で暮らす人にとって「ゴドーを待つ」とは何なのか?幸運なことに上演における出演者の性別は指定されていますが、年齢は指定されていません。
今回はメインキャストの年齢が 60 代の[昭和・平成 ver.]と、30 代の[令和 ver.]を上演します。世代の違う 2 バージョンを上演すること、そして日本特有の世界の区切り方である元号を冠するのは、時代が変わるタイミング(日本限定で)というだけでなく、日本人は今まで何を待っていたのか、これから何を待つのかという、極めてドメスティックな、日本が執われてきた、執われていくものの象徴としての意味合いもあります。アジア極東の不思議な島国ニッポンで、世界の名作戯曲によって日本人とは何か? をまず問いたい、そしてそれが人間とは何か?世界とは何か?というベケット含め世の芸術が
問い続けている命題につながると信じています。それが翻訳戯曲上演の意義なのではないかと、この島国で芸術活動をする希望なのだと思っています。

本公演は2019年6月12日(水)~23日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演。

当記事はSPICEの提供記事です。

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