スマホやネットを駆使、結婚式代理出席も…50代、60代の「副業、再就職講座」

日刊大衆

2019/6/13 17:30


写真はイメージです

何歳になっても元気でいるためには仕事を持ち、働き続けることが一番。令和の時代の新しい生き方を探る!

“人生100年時代”といわれる現在、年金支給開始を70歳に、さらに80歳にという議論まで高まってきていることは、ご存じの通り。数年前まで、60~65歳で定年を迎え、その後は悠々自適な隠居生活を――と思い描いていた人もいるだろう。だが、現在、その人生設計を大きく考え直さないといけない状況になってきているのだ。

「まずは、定年から年金支給までのタイムラグを、どうしのぐのかです。貯金を切り崩しては後が苦しくなるし、支給の前倒しもできますが、毎月の支給額は減りますから、いずれにせよ、その分の穴埋めが必要になってくるんです」(フィナンシャルプランナー)

とてもではないが、定年後ものんびりしている暇はなさそうだ。「そのときになってから、どうしようと考え始めても遅すぎる。50代、遅くとも60代のうちから老後の資産形成を考え、副業や資格取得へと、具体的な行動に移していく必要があるでしょう」(前同)

では、まずは「副業」だが、まだ会社に勤めながら50~60代でも始められる副業には、どんなものがあるのだろうか。「仕事の隙間にできるのは、ネットやスマホを使っての副業。人気商品を安く仕入れて、Amazonやオークションサイトで転売する〈せどり〉は、利益は薄くとも単価の高いカメラなどの商品に特化するなどすれば、まだ十分に稼げる可能性がある。登録してアンケートに回答することでもらえるポイントを、コツコツ貯めて現金やギフト券と交換することができる〈アンケートサイト〉も、毎日の通勤時にスマホでできるので、やってみる価値はあります」(ITジャーナリスト)

ネット系が苦手なら、1日2万円という高額バイト料もある〈結婚式代理出席〉などが狙い目である。「さまざまな年齢の出席者が求められますから、中高年以上の世代にも仕事がある。スピーチまでやれれば、プラスαも期待でき、週末の有効活用にもなる。また、引き出物もいただけたりする。まずは専用サイトへの登録が必要です」(前同)

■検定や資格を持つと可能性は広がる

 さらに、検定や資格を持っていると、さらに可能性は広がるだろう。検定合格、資格取得数600超のAll About「資格」ガイドの鈴木秀明氏は、こう話す。

「賞状、のし紙、あいさつ状や宛名等を書く仕事ができる〈賞状技法士〉は、合格後に検定の主催団体に登録すると、仕事を下ろしてもらえることもあり、昔から稼げる内職系資格の定番といわれていて、今も一定のニーズがあります」というから、美文字に自信のある人は挑戦してみる価値は十分にありそうだ。

さまざまな団体が認定する〈翻訳系〉の検定・資格も、「実は、それぞれ業者が主催していたりするので、仕事を紹介してもらえます」(前同)という。また、地方に住む人には、各地の自治体や商工会議所などが認定する〈ご当地検定〉を取っておくと、観光ガイドとして収入が得られる自治体もあるという。

さらに、今後、大きな可能性を秘めているのは〈ドローン検定〉だと言う。「新しい検定ですが、カメラ空撮、測量、農薬散布や警備など、さまざまなシーンでドローンのニーズは高まってきています。今のうちに取っておくといいかもしれません」(同)

こうした新しい検定・資格に、とりあえず早めに手をつけてみるというのは、先々を考えると大いに有効だ。「いち早く新しい分野の専門家になっておけば、それだけで重宝されて、お金につながりやすいですからね。資格試験は、知名度が上がり、受験者が増えると合格しづらくなります。そういう意味でも、早めに取り組んでおくべきです」(同)

何より、こうした情報にアンテナを張っておくことが、食いつなぐために最も必要なのである。

■雇用延長や再就職も

 高齢者雇用安定法第9条では、定年を65歳未満にしている事業主に対し、「65歳までの定年の引き上げ」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかの措置を実施することを義務づけている。定年後の働き方で第一の選択肢となるのは、まずは「雇用延長」だろう。

「再雇用を機に、それまでの管理職から、20~30代のときに最もやりがいを感じていた営業職の現場に戻してもらい、週4勤務ながら、バリバリの営業マンとして外回りの日々を過ごすようになり、気分も若返りました」(63・事務機器メーカー勤務)という成功例もある。だが、その一方では、こんな話もある。「同じ仕事内容でも給与が大幅に下がったり、正社員から契約社員にされたり。また、やりがいのない業務に回されるなど、その現実と折り合いをつけるのに苦労する人も少なくないようです」(社労士)

では、新たな職場に「再就職」する場合、その実情とはどのようなものなのか。ハローワーク飯田橋で求人リストを見ると、運転手や介護、工事などの交通整理、マンション管理や清掃、飲食のホール・厨房など、スキルがなくても取り組める仕事だけでなく、工事技術や不動産販売、ソフトウェア開発など、時給の高い求人もあり、元気とヤル気さえあれば十分に仕事はありそうだ。採用のポイントは、どこになるのか。「ハローワーク飯田橋」の担当者に話を聞いた。「再就職では、それまでのオフィス勤務から、現場の仕事が多くなりますが、それでも継続してやっていく意思があるのかが、大事なポイントだと思います」

定年後の高齢者を対象とした人材派遣と就職斡旋を行う「株式会社  高齢社」の代表・緒形憲氏は、決して甘くないシニア採用の現実について、こう話す。「定年後の再就職に大事なことは、6つ。(1)過去の肩書で威張らない。(2)仕事に使命感を持つ。(3)気に食わないことも我慢。(4)頼まれたら返事を必ずする。(5)約束は実行する。(6)頭は下げるためにある。うちでは、これをパンフレットにもつづり、気持ちの整理と入れ替えが必要であることを、まずは認識してもらっています」

同社では、主に東京ガス関連の新築マンションの内覧会、受付、工事点検などで20業種。他に、レンタカー受付、マンション管理、家電サービス補助などで20業種を扱っており、登録者は60歳からで、69~71歳がピークで、最高齢は84歳までが、元気に働いているという。

「週3日勤務で月収は10万円ほど。社会との関わりを持ち、若い人に感謝されながら働くのに、ちょうどいいようです。最高齢の84歳の人も、“仕事をしていて知らないうちに、この年になってしまった”と元気いっぱいですからね」(前同)

■タクシー業界もシルバー世代の力に期待

 慢性的な人手不足といわれて久しいタクシー業界も、そんなシルバー世代の力に期待を寄せている。

「月に7~8日乗務の勤務制度を利用した70代の現役ドライバーも多く活躍しています。高性能AIナビの導入などもあり、シルバー世代も働きやすくなっています。〈二種免許〉があれば、どこの会社でも採用されるでしょう」(大手タクシー会社関係者)

同世代からの相談、要望に同じ目線で応えられる人材として、シニア世代が求められているのである。前出のAll About「資格」ガイド・鈴木氏は、「自分が働きたい仕事に関する資格を持っていると、その仕事への熱意の証明になり、採用を助けてくれることは大いにあるでしょう。PC関係の仕事なら、たとえばワードやエクセルなどの、マイクロソフトのオフィス製品の実務スキルをアピールできる資格〈MOS〉があります。家電量販店なら〈家電製品アドバイザー〉などの資格があると、いいアピールになるのではないでしょうか」

シニアの募集が多く、場合によっては「75歳まで就業可」という条件も目立つマンション管理の仕事なら、〈マンション管理人検定〉や〈防災センター要員〉の資格を持っていると、採用がスムーズに決まりそうだ。

また、再就職ではなく、独立開業という選択肢もあるだろう。「もし、土地活用や資産活用を考えるなら、最近、市場規模が急拡大しているトランクルームやコインランドリー、駐車場経営がいいでしょう。実務は掃除や集金程度で、難しい専門知識や体力は必要なく、ほぼ無人で経営できるのが、まさに高齢者向きといわれ、注目されています」(経済誌記者)

昭和、平成、そして令和――社会と関わり、人に喜ばれる仕事をしながら、物心ともに豊かな老後を過ごしたいものである。

当記事は日刊大衆の提供記事です。

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