「やすらぎの刻~道」みんなが密告しまくる村。家族を特高警察に売るしのにドン引き第9週

エキレビ!

2019/6/10 09:45

倉本聰・脚本「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日系・月~金11時30分~)第9週。

先週、あれほど「おしゃべりは男の恥だ」と言い聞かされていた根来公平(風間俊介)だが、「でもしゃべりた~い! やっぱり、しゃべりた~い」ということで、アッサリと告げ口。

ここから密告の連鎖がはじまる。


家族のことを裏切っちゃあいけません
三平(風間晋之助)が室井先生の妻・小夜子から依頼され、隠していた雑誌を燃やしたことを「しゃべりた~い」公平が兄・公一(佐藤祐基)&母親(岸本加世子)に告げ口。

それを盗み聞きしていたしの(清野菜名)が、恋心を抱いている特高警察の刑事・小沼良吉(大貫勇輔)に気に入られようと密告。

その時、しのが小沼に抱きついたのを青っ洟(若林元太)が目撃して公平にしゃべる。

さらに、しのから「好きな人ができた」と、小沼との件を相談されていた鉄兵兄さん(平山浩行)が公一にバラし……。

みんな、恐ろしいまでの口の軽さ!

戦争が本格化し、互助会的な組織だった「結」から、相互監視的な意味合いの強い「隣組」に変わっていったことを表現しているのだろうか。……単に根来家周辺の人たちが噂話好きなだけかも知れないが。

ただ、「噂話」では済まないのが、特高の刑事である小沼へタレコミをした、しのだ。

普段から、あまり深い考えなしに「愛国心」や「戦争協力」を口にしていたしの。「特高的においしい情報をリークすれば、小沼からメッチャ褒められるかも~」……くらいの浅はかな考えからの行動なのだろう。

しかし、逮捕された経験もある室井先生から預かった雑誌を再び掘り起こして燃やした三平。戦時中には本気でヤバイ行動だ。ちょっと前まで両想いのような関係だったのに……女って恐ろしい!

それ以上に、貧しい浅井家から引き取られ、本当の子ども同然に育ててもらった根来家に対する裏切りともいえる密告だ。

救いだったのは、小沼がちゃんとたしなめてくれたこと。

「刑事ですからお国のために一生懸命働いています。私は国を愛する愛国者です。時にはそのために厳しいこともします。ただね、時々考えるんだよ。オレにとって国とは、愛する日本とは何なんだろうってね」
「僕にとって国とは、山梨っていうこのふるさとのことなんじゃないかってね。そして、そこに住む家族のことなんじゃないかってね。家族のことを裏切っちゃあいけませんよ」

浅はかに「愛国心」とか言ってるしのと比べ、良くも悪くもリアルにお国のために働いている小沼の発言には重みがある。

男が大人になる道はやっぱりコレか
外地へと赴任していく小沼から贈られた『若きウェルテルの悩み』を読んで、ネトウヨのように浅~い発言ばかりしていたしのが、じょじょに大人の女性へと成長していった。

同じく「満蒙開拓団」出発の日が近づき、公平たち男連中も大人の男性へと成長する。……だいぶ「成長」の意味合いが違うが。

村に残る公平、満州へ渡る青っ洟たち。もう会えないかも知れない友と、枕を並べ思い出を語り合う。

何とも切ない場面だったが、最終的に持ち上がったのが「結婚初夜に何をしたらいいか分からない」問題。

青っ洟の婚約者・ヨシコは、裏で別の男とヤリまくっている百戦錬磨の女。

性知識ゼロの青っ洟のおでこをチョンと突いて「本当に何も知らないんだね」な~んて言っているらしい。蒼井優なんかより、こういう女のことを魔性っていうんだよ!

「あいつに恥をかかしちゃいけねえ!」と友情に燃えた公平たちが鉄兵兄さんに相談したところ、村に住む後家さんと話をつけてくれ、女を教えてもらえることになった。

様々な人生相談から禁書を隠す手伝い、徘徊老人捜し、熊退治、そして初体験の世話までしてくれる鉄兵兄さん。オールマイティすぎる!

最初は、寡黙で渋くて頼りがいのある格好良い大人というイメージで見ていたが、もはや村の便利屋にしか見えなくなってしまった。……意外と口も軽いし。

後家さんに性の手ほどきをしてもらい「ありゃあ天使だぜ~!」と、大人への階段を一気に駆け上がった青っ洟。

それを見ながら「しのちゃんもこんなことするんだろうか……」と不安になる公平だったが、その頃、家では母親がぶっ倒れていた。父親の時もそうだったけど、前触れもなくぶっ倒れがちな家族だ。

青っ洟は童貞を捨てたことで、しのは『若きウェルテルの悩み』を読んで、公平は両親を亡くしたことで、それぞれ大人になっていくのだろう。

「ウェルテルの気持ちが分かる」三平が心配
今週気になったのは、しのから『若きウェルテルの悩み』の話題を振られた三平の反応。

「あの本ならオレも読んだ。大好きな本です。特にアルベルトというフィアンセがいるロッテに恋い焦がれて自殺するウェルテルの心情が、僕には痛いほどよく分かる」

それに対するしのの返しは、

「ロッテの気持ちも私には分かるわ」

もはや、しのの気持ちは完全に小沼の方を向いてしまっている。そこで三平は、叶わぬ恋に悩んで自殺しちゃうウェルテルの気持ちが分かっちゃってるのだ。

ロッテは、ウェルテルが自殺するのに使うと察しながら、使いの者に銃を渡してしまった。ウェルテルは、この銃にロッテが触れたということを喜びつつ、自殺に使用した。

そんなふたりの気持ちが分かるという、しのと三平……。うーん、三平の今後が心配だ。

【配信サイト】
・Tver

『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)
作: 倉本聰
演出:藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
主題歌: 中島みゆき「進化樹」「離郷の歌」「慕情」
音楽:島健
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
制作協力:角川大映スタジオ
制作著作:テレビ朝日

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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