五輪に令和にロマンス…最新詐欺「悪辣手口」と「即効対策」

日刊大衆

2019/6/10 18:00


画像はイメージです

警察庁データによれば、昨年の特殊詐欺被害総額は約364億円。約566億円だったピークの2014年度から4年連続で減ってはいるものの、この間の徹底した取り締りにもかかわらず依然、深刻な状況だ。

それは、だます側も対策を考え、巧妙に進化しているからだ。そこで最新の詐欺手口と、その防衛術を識者に聞いてみた。まずは、今年に入ってから目立つ最新の手口を見てみよう。

東京五輪に便乗した〈オリンピック詐欺〉について解説するのは、『だまされた!「だましのプロ」の心理戦術を見抜く本』(方丈社)の著書もあるルポライターの多田文明氏。

「あらかじめ『オリンピック優先入場券·購入申込み書(SS席が1枚12万円の記載)』なるものを郵送しておき、旅行代理店を装って電話して、それを3倍で買うと申し出る。ただし、いったん代理で購入するので資金を出してほしい、と依頼し、12万円を受け取り、そのままドロンしてしまうんです」

同じ手口で、記念硬貨や、開会式特別シートの予約権の名目で振り込ませるケースもある。

「〈令和詐欺〉といって、新元号に便乗し、“今のキャッシュカードは使えなくなる”とカード会社を名乗って電話をかけ、“新しいものに交換する”と言って訪問し、だまし取る手口もあります。この場合も、先に『全国銀行協会』名でハガキを送っていました」

こう語るのは、経済事件に詳しいフリーライターの松原雄二氏。また、ソーシャル·ネットワーキング·サービス(SNS)上で接触して来る〈国際ロマンス詐欺〉の被害者は、英語のできる独身者が多い。

「間違ったふりしてメールし、返事を返すと、それを契機に独身を装ってやりとりし、気を引く。そして“日本に行って、あなたに会いたい。少し援助をしてほしい”などと送金させる。仕掛けの中心はナイジェリア人。慣れない英語なので詐欺と気づきにくい。向こうの最大のメリットは、国際送金なので足がつきにくいこと」(松原氏)

大きく分けると、詐欺の種類はオレオレ詐欺に代表される【1】〈振り込め詐欺〉、楽してお金が儲かる、などと投資を勧める【2】〈投資詐欺〉、【3】〈インターネット詐欺〉に大別される。

前出の〈令和詐欺〉は【1】、〈オリンピック詐欺〉は【2】、〈国際ロマンス詐欺〉は【3】に該当する。以下、その分野ごとに近年被害の多い手口と、その防御法を紹介する。

■【1】〈振り込め詐欺〉の対処法

 俳優の斎藤洋介は今年3月、次男をかたったオレオレ詐欺で100万円払ったことを、女性週刊誌で告白している。昨年末、斎藤の妻の携帯に、まさに「オレだけど」の電話が。しかも「未成年者を妊娠させた」と言われ、妻が都内の公園に現れた弁護士事務所員を名乗る者に“慰謝料”として渡したという。67歳の現役俳優が、なぜ、だまされたのか⁉

「その理由の一つは電話の声。直に聞く本人の声とは違って聞こえます。耳の遠い高齢者ならなおさらです。実際、あるネット番組で私が指導し、2人の芸人さんの親にやってみたところ、2人とも引っかかりました」(前出の多田氏)

詐欺犯罪に詳しいジャーナリストの堀川嘉照氏は、こうアドバイスする。

「高齢の親は、子どもや孫との間で、いざというときに備えて“犬といえば猫”などの符丁を決めておく。自宅の固定電話は留守電にしておいて出ないこと。本当に用がある人はメッセージを入れます」

■【2】〈投資詐欺〉の対処法

 特に多いのが、〈不動産投資詐欺〉だ。今年5月7日、石井啓一国土交通相は、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利型住宅ローン「フラット35」を悪用したケースがあるとして、同機構に実態の解明を指示した。

30代のアルバイト男性が被害を証言する。

「フラット35は国民の持ち家率を増やすのが目的で、投資用は対象外。ところが、私は年収300万円もないのに、審査が通り、投資用マンションの購入資金として、フラット35の融資を受けられました。業者は自分らの売れ残りマンションをさばくために悪用。私の年収を500万円に改かい竄ざんし、住所も、そのマンションに移していました。いくら低利とはいえ、クズ物件で借り手もつかず、途方に暮れています」

次は、今年2月に起きた投資会社·テキシアジャパンホールディングスの詐欺事件。高齢者や女性を中心に460億円も集めていた。「具体的な投資案件はまったくなかったが、プロの歌手顔負けの主犯の男が全国各地でライブを開催。“老老介護問題を解決する!”と熱っぽく語り、支持を集めました。“男は集めた金の行方を聞くが、女は感覚で物事を考えるから、女を勧誘しろ”という狙いが見事にはまった形です」(前出の松原氏)

■【3】〈インターネット詐欺〉の対処法

 教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏(72)は昨年7月、自分のブログで被害に遭ったことを告白している。

ワールドカップ決勝戦をパソコン視聴しようとしたら「このパソコンはハッキングされました。以下の番号に連絡を」との警告表示が。それに従い、結局、セキュリティ対策費用としてアマゾンギフトカードで2万8000円支払ったという。ネットで無料の動画を見ようと思ったら、勝手に課金され、しつこく請求される〈ワンクリック詐欺〉もインターネット詐欺の一種だが、この対策はどうするべきか。

「相手に、あなたの住所は分かりません。そもそも、そんな手間をかけて調べない。無視をするのが一番です」(前出の堀川氏)

現在発売中の『週刊大衆』6月24日号では続けて最新の詐欺の手口とその対処法を詳しく特集している。

当記事は日刊大衆の提供記事です。

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