公明党、維新に惨敗でひれ伏す…“選挙第一優先”政党に成り下がり無様な迷走


 予想されたことではあるが、方針転換の動きは早かった。5月25日、公明党大阪府本部が大阪維新の会と、都構想の是非を問う2度目の住民投票を実施することで合意した。公明党府大阪本部は住民投票に「賛成」の方向で議論するとまで踏み込んだ。4月の大阪府知事と大阪市長のダブル選で、公明党は維新と対決したが大惨敗。看板だった橋下徹氏が不在でも大阪での維新の勢いは衰えないと判断し、再び協調体制に舵を切ったわけだ。

公明党が焦り、急いだのは、選挙対策のため。大阪は「常勝関西」と呼ばれる公明党の金城湯池で、19ある衆院の選挙区に4人が議席を持っている。これと兵庫の2選挙区を合わせ6つが必勝選挙区だ。過去3回、公明候補の選挙区で維新が擁立を見送ってきたためこの6議席を維持できているが、大阪ダブル選後、維新は「次は立てる」と強硬姿勢を見せ、公明党は動揺していた。衆参同日選の観測が広がるなか、今解散となり維新と激突することになれば、関西は惨敗。そこで維新との関係修復を急いだとみられている。

「つまり、これで大阪の公明党は同日選があっても大丈夫な体制ができた、と見ることができる」(大阪政界関係者)

ところが、である。その2日前の5月23日に公明党が発表した「東京12区」の世代交代は、「公明党が同日選容認」という上記の見方を打ち消すものだ。公明党の東京12区の現職は太田昭宏前代表(73)だが、次期衆院選には選挙区から出馬せず、比例区で調整するという。東京12区については比例北関東ブロックの現職・岡本三成衆院議員(54)が後継となる。

●衆参ダブル選拒否のメッセージ?

この発表を受けて、複数のメディアが「このタイミングでの交代発表は同日選を視野に入れているからか」と報じたが、むしろ逆だ。

「東京12区は公明党にとって東京での唯一の選挙区。東京での自公協力の象徴的選挙区ではあるが、地元の自民党支持者にしてみれば、『自分たちだけが自前候補を持てない』という苦々しさが常にある。地元にしっかり浸透している太田氏だから自民は選挙区を譲ってきたが、候補者が代われば、一から仕切り直しだ。後継の岡本氏が地元に浸透して、自民党支持者に受け入れられるようになるまでには、少なくともこれから1年半はかかる」(公明党関係者)

要するに、「このタイミングでの交代発表は同日選を視野に入れているから」ではなく、「解散総選挙は1年半後にしかできませんよ」という同日選拒否のメッセージなのだという。

そもそも、今の公明党は参院選を戦うだけで手一杯だ。参院選では、東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7選挙区に候補者を擁立するが、このうち愛知、兵庫、福岡は改選数が増えた3年前から新規(復活)で擁立を始めた選挙区のため足腰が弱い。特に兵庫が当落線上とされ、支持母体の創価学会を含めた総力体制で選挙区全勝に向け、すでに動いている。

「そんななかで解散なんか打たれたら、テンヤワンヤ。自分のところの衆院選だって大変なのに、自民党候補の支援まで手が回りません。同日選になれば、自民党候補がボロボロ落選することになっても知りませんよ」(公明党関係者)

安倍首相はいろいろな人の意見には耳を貸すものの、「伝家の宝刀」を抜くときは情勢データと自分の勘で判断するとされる。安倍首相に公明党の“脅し”は効くのかどうか。もっとも、安倍首相が解散の判断を下したとしても、公明党は「下駄の雪」として付いていくしかないのだろうが。
(文=編集部)

当記事はビジネスジャーナルの提供記事です。

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