三宅裕司が高島礼子&橋本マナミを迎え、熱海五郎一座『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』開幕直前ゲネプロレポート

SPICE

2019/5/31 15:49


三宅裕司が率いる熱海五郎一座の「東京喜劇『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』」(以下『ギャグマゲドン』)が、2019年5月31日(金)~6月26日(水)まで上演される。30日には会場となる新橋演舞場で、関係者に向けゲネプロ(通し稽古)が公開された。

出演は、三宅、渡辺正行、小倉久寛、ラサール石井、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之(東と深沢はWキャスト)。そしてゲスト女優は、高島礼子と橋本マナミ。稽古前の会見で、キャストが意気込みを語った。

三宅裕司の復帰に「こんなに早く治る人はいない」!


前列左から深沢邦之、渡辺正行、橋本マナミ、高島礼子、三宅裕司。後列左から春風亭昇太、ラサール石井、小倉久寛、東貴博。
前列左から深沢邦之、渡辺正行、橋本マナミ、高島礼子、三宅裕司。後列左から春風亭昇太、ラサール石井、小倉久寛、東貴博。

9名は、それぞれの役の衣装で賑やかに登場。三宅は「今年は特に感慨深い」と切り出した。なぜなら今年2月、三宅はスキー中に転倒し、骨折、入院をしたからだ。本作が、復帰後、初の舞台となる。

「リハビリの先生に『こんなに早く治る人はいない』と驚かれました。たくさんのお客様が待っていてくれるからでしょうね」

記者が「はやく治ったのは高島さんと橋本さん、美女が2人もいるからでは?」と冗談めかして尋ねると、三宅はいかにも謙遜するかのような口ぶりで「そんなことはありませんよ」と返す。一瞬の間ののち、一同は爆笑に包まれた。

三宅も笑いつつ「高島さん、橋本さんのおかげで稽古場も楽しいです。一座は男だけですから」と続け、キャストたちを「鶴(女性陣)と、掃き溜め(男性陣)」と紹介し、再び笑いを誘う。

高島は手ごたえを聞かれると、「喜劇がはじめてなので、ついていくしかありません。特別なことだらけで」と、やや緊張の面持ち。しかし、自身の役どころを聞かれ「天文学者と“聞いています”」と他人ごとのように答え一同を笑わせる余裕も。高島の役は、日本の危機に直面した天文学者。シリアスな演技で、作品全体に緩急をつけ、笑いの起爆剤となっていた。

『ギャグマゲドン』は、タイトルからも察しがつく通りの「宇宙もの」。物語は、日本航空宇宙開発局(通称:JASCA。JAXAではない)から始まる。30日後に、巨大隕石が日本に衝突するという情報を得たJASCAが、このピンチを乗り越えるべく、ベテラン宇宙飛行士、女性天文学者をはじめ、ロケット設計者、物理学者、掘削や爆弾のプロなど極秘プロジェクトを遂行する猛者たちを召集するのだった。

しかし行われる訓練は、どこかふざけたものばかり。豪華な出演者たちが、くだらない課題に真面目に取り組む姿はそれだけでおかしくなる。
ボディーランゲージの訓練と称した、無茶ぶりのパントマイムも(お題は日替わり!ここはアドリブ!)
ボディーランゲージの訓練と称した、無茶ぶりのパントマイムも(お題は日替わり!ここはアドリブ!)

アドリブ? 台詞? アクシデント?


記者から、劇中のアドリブの多さについて質問があがると「全部脚本どおりですよ」と、JASCA理事長薬の石井が即答。

三宅は「アドリブにみえるのも脚本のうち。アドリブに見えたとしたら、それぞれの腕がいいってことです!」「1回目と2回目で内容が変わっていたら、それはお客さんの反応をみながら、ウケが良くないところを毎日変えているせいです。リーダー(渡辺)のセリフがなくなることも」と説明した。

これに対して渡辺も、「ウケないところは、カットされちゃうんです」と嘆いてみせた。

渡辺は、宇宙飛行士役。ウケるウケないに左右されず、持ちネタを披露しつづけるハートの強さも健在。かと思えば、とあるシーンではアクシデント(アドリブではない!)で、報道陣だけでなく舞台上の共演者たちまでもを驚かせていた。一方、アドリブかと思われた、微妙に心に引っかかる演技が、実は後半への伏線だったりということもあり、観るものを唸らせる。

橋本は、アメリカ帰りの宇宙飛行士役。「喜劇は初めてで、こんなに大きな劇場も初めてです。ものすごい緊張しています。台本は面白いですし、皆さんも面白すぎて……! リーダーの顔をみて笑わないようにしないと」

稽古場の雰囲気を聞かれ「皆さんもう長くやってらっしゃるので、仲が悪いのかと思ったら、本当にみんな仲良しで!」と率直な感想で一同を笑わせつつ、「この空気感が、舞台にも出るのかなと思います」と声を弾ませた。劇中では、ボディラインを強調したトレーニングウェア姿も披露。コメディエンヌに徹し、ヘルシー&セクシーな魅力を発揮する。


熱海五郎一座のお馴染みのメンバー春風亭昇太は、爆弾の専門家役。会見では、落語芸術協会の次期会長になることについて尋ねられ「嫌なんです。逃げてるんです」と困り顔をしてみせた。会長職に就くと、今後は熱海五郎一座の公演に出演することが難しくなるのだそう。

これには三宅も「困りますよ」と渋い表情。「脚本はあて書きですからね。春風亭昇太以外の噺家さんをキャスティングしても、全然違うものになってしまう。そっちの方が面白い場合もありますが」と笑いをさらいつつ、「彼の面白さは誰にも出せません」と、あらためて太鼓判を押した。劇中では、滑舌の悪さと愛嬌を武器に、宙乗りやアクションにも挑戦。座布団の上とは違った奮闘ぶりをみせる。

劇団SETを相手にしたアクションシーンでは、髙島と、ミッションスペシャリスト役の小倉も、キレとバネのある動きで存在感を発揮する。

三宅は入院の影響もあり、例年以上に台本作りに時間をかけることができたという。手ごたえを聞かれると「ものすごくあります」と答え、次の力強いコメントで会見を締めくくった。

「皆が出ている場面が多く、順番にガンガン笑わせます。ストーリーも練り込んであり、エッ?! というどんでん返し。爆笑に次ぐ爆笑でセクシーな部分もあり、最後は高島さんがググっとしめます。ぜひ期待していただきたいです」

ノンストップの笑いをつなぐ職人集団


大どんでん返しのストーリーに、新橋演舞場の大舞台をめいっぱい使ったゴージャスな演出。劇団SETによるダンス、アクション。煌びやかな衣装での再登場など、見どころは尽きない。


その中でも印象に残るのは、三宅も言及したベテラン喜劇役者たちのパス回しだった。脚本どおりの面白さを舞台上に立ち上げ、場面転換で逃げず、一発芸をするでもなく(渡辺を除く)、観るものを退屈させずストーリーを運ぶには技術が必要だ。メンバーは、それを自然体で粛々とこなし、パスがこぼれかけた時は、三宅がサラリと軌道に戻す。

舞台後半のとある場面では、男性陣6名が、1人ずつ舞台に登場し、与えられたほんの数秒間で各々笑いをとらなければならない。本編だけでも成立する流れの中に、演者の力で吉凶別れるコーナーをあえて組み込まれているのだ。

こんなスリリングな構成に挑めるのも、三宅がメンバーの笑いのセンスを信頼しているからこそ。ゲネプロでは、石井がスタンダップコメディーのセンスを発揮しスマートに決め、昇太はさすが人気噺家の安定感。東のネタは、流れにメリハリをつけ次に繋ぐバランス感覚の良さを感じさせた。

「東京喜劇『翔べないスペースマンと危険なシナリオ~ギャグマゲドンmission~』」は、2019年5月31日(金)~6月26日(水)までの上演。豪華なゲスト女優と喜劇のプロ集団が作る、(台本通りの)グダグダ笑いと大爆笑を新橋演舞場で楽しんでほしい。

当記事はSPICEの提供記事です。

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