アニメ「 じゃりん子チエ 劇場版 」は、大阪の下町にあふれる人情に包まれた家族愛の物語。

あにぶ

2019/5/21 19:33

じゃりん子チエ劇場版は1981年に製作された1時間45分のアニメーション映画で、昭和の時代の大阪の通天閣を望む下町でたくましく生きる小学5年生の女の子、チエを取り巻く人情味あふれたホームコメディです。

このページの目次

1 アニメ「じゃりん子チエ 劇場版」のあらすじ2 無法者のテツ3 下駄を履くチエ4 花井拳骨先生のゲンコツ5 ヨシエの涙6 テツの心境の変化7 テーマは「家族」■アニメ「じゃりん子チエ 劇場版」のあらすじ

バクチ狂いのチエのお父さんのテツは、今夜もチエの祖父から店の仕入れの金を巻き上げて賭場に入り浸り、バクチに負けるとインチキ呼ばわりしては用心棒のヤクザと大喧嘩してチエの働く店に帰って柄の悪い客から金を巻き上げるのだった。

チエはお父さんのテツのことをケンカの時に役に立つこともあるがおしなべてケンカ癖の悪い粗暴な父に辟易している。そんなチエの気持ちにお構いなく、テツはチエのことを可愛がっており、遊び友達感覚でチエと接する点が微笑ましくとも受け取れる。

チエは学校に通いながら夜になるとホルモン焼の店でホルモンを焼いて安酒を提供し、代金を貰って家計を支えている。そのホルモン焼の店も、もともとテツの店だったが、あまりにもテツが働かずにバクチと喧嘩に明け暮れて遊び呆けているために、チエが店の暖簾や看板を変えて、チエの店にしたのだった。

授業参観の日にチエの通う学校に押しかけてきて大騒動を起こすなど、テツのゴンタくれの日常に辟易したチエは、お好み焼き屋の社長の店で用心棒の仕事をテツに紹介するのだった。

■無法者のテツ

テツはとにかく負けず嫌いで口が悪くて喧嘩が強くて素行が悪い。しかし酒は飲まず、女遊びをする様子もない。両親から金をちょろまかして、バクチに明け暮れるゴンタくれである。

バクチもケンカも、仲間やヤクザとのコミュニケーションの一環として手を出している風にも見え、バクチやケンカを通して負けず嫌いな性分の悦に浸っては、傍若無人に振舞うがゆえの寂しさを紛らわせているようにも見える。

チエにはわが子の可愛さもあって手を出さないが、チエの生活や将来のことには無頓着である。バクチに狂って妻のヨシエに逃げられるが、ヨシエの女性らしい細やかな心遣いが、テツの性分には受け入れがたいようである。

画像引用元:(C)はるき悦巳/家内工業舎・東宝・ユニバーサルミュージック・TMS

■下駄を履くチエ

チエは素直で明るい性格だが、下駄のように丈夫ながらも乾いた側面を持っている。祖母に似ていて、男性や、たとえ父親でも、間違ったことをするものには震え上がらせるくらいに容赦なく暴力的に懲らしめる気の強さを持っている。ただし、ヨシエゆずりの女の子らしい細やかな気遣いを胸に秘めている部分もある。

■花井拳骨先生のゲンコツ

テツとヨシエの結婚の仲人になった花井拳骨先生は、テツの小学校時代の担任教師であった。ある日、機会があって、花井先生は一升瓶を片手にテツの家にやってきて、テツをゲンコツでぽかぽか殴りながら酒をあおり、博打狂いで嫁のヨシエに逃げられて小学生の娘のチエが働いているのに「何か面白いことないか」とゴンタくれているテツを叱り飛ばす。

そして、ヨシエと再び一緒に暮らすよう促し、連れてきたヨシエと半ば強引に引き合わせる。叱られて、殴られて、動揺を隠し切れず脅えきったテツや、恐縮してうつむくヨシエをよそに、チエの家族を一同に介した花井先生は「これでええんじゃ」と豪快に高笑いしてはチエにまで酒を勧めるのだった。

■ヨシエの涙

実のところヨシエがテツとチエの元を去った理由は不詳だが、洋裁で生計を立てながら、時々チエと会って一緒に過ごしている。母としてチエのことが気がかりで仕方ないらしく

会うときはチエの好物の弁当をこしらえてチエに食べさせる。ヨシエの心配をよそにチエはたくましくテツと暮らしていて、明るくその様子をヨシエに話す。

やがて、テツとヨシエの仲人だった花井拳骨先生の力添えで、テツとチエの住むホルモン焼の店の家に戻ってくる。

翌日、花井先生に促されて三人で遊園地へ電車で行き、チエがテツとヨシエの折り合いの悪さをとりなそうと人一倍、気を回しておどけて電車の中で歌いだし、テツとヨシエを慌てさせるが、帰り道、ヨシエはテツにその事を持ち出して、チエの両親の不仲を慮る行動に応えてやれない夫婦としての自分達の至らなさにヨシエは涙を流す。

このシーンは、テツとヨシエとチエの、家族というものの本質に向き合った、普遍性を感じる秀逸な描写である。

■テツの心境の変化

テツはヨシエが帰ってきたことやチエがヨシエと仲良くしている事が面白くなくて、後日、お好み焼き屋の社長をそそのかし、猫のアントニオジュニアとコテツのケンカを仕向けて憂さを晴らそうとするが、コテツの男気のある対応を目の当たりにしてしょぼくれる。

いくら負けず嫌いでケンカが強くても、父親としての男気について考えさせられるテツは果たして本当の男として成長するのだろうか。テツは沈黙してうつむいているのだった。

■テーマは「家族」

小学5年生のチエが自分の力で運命を切り開くのは土台無理な話でありながら、テツの祖父母の支援や小学校の担任の花井渉先生やその父親の拳骨先生の力添えがあって、テツとヨシエが再びチエと共に同居して、家族が寄り添うことの大切さを問いかける物語である。

文章:kyouei_drachan

じゃりン子チエ 劇場版|Amazonビデオ

大阪浪花の風情をまるごと表現する『 じゃりン子チエ 』というアニメ

(あにぶ編集部/あにぶ編集部)

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