平埜生成「青春の誤解」から始まった俳優人生 「誤解が解けないうちは続けると思います」

AbemaTIMES

2019/5/24 10:00



 5月24日(金)に公開する映画『空母いぶき』。メガホンを握るのは『ホワイトアウト』『沈まぬ太陽』などのヒット作で知られる若松節朗監督で、主演の西島秀俊のほか佐々木蔵之介、佐藤浩市など、豪華キャストが名を連ね、話題沸騰中だ。同作で、パイロットの柿沼正人役を熱演している俳優・平埜生成に注目したい。平埜は、映画公開日と同日、人気ドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日/毎週金曜よる11:15~※6話は11:45~)にゲスト出演するなど、今最も勢いのある若手俳優のひとりだ。今年は、事務所に所属してから10年という節目を迎えた平埜の、俳優という仕事について聞いた。

TEAM NACS戸次重幸との共演に興奮 ファンのスタンスで「なんて呼べばいいですか?!」


――『空母いぶき』への出演が決まったときの感想を教えてください。

平埜:台本も面白いし、題材にも興味があって、素直にうれしかったというのが最初の感想です。あとは、憧れの先輩方に会えることが楽しみでした。小さいころから見てきた市原隼人さんや、大好きなTEAM NACSの戸次重幸さんと同じスクリーンに立てるという喜びは大きかったです。

――先輩との印象的なエピソードはありますか。

平埜:戸次さんのことをなんとお呼びしたらいいだろうという悩みがあったんです。テレビでは「シゲちゃん」がお馴染みなんですが、先輩ですし、やっぱり苗字だよなとか考えながら思い切って「なんとお呼びしたらいいでしょうか?!」と質問したんです。そしたら「シゲに決まってるだろ」とおっしゃってくださって(笑)。シゲさんからご飯にも誘っていただけて、近い距離でお話をさせていただいたのがうれしかったです。

――現場は和気あいあいとした雰囲気だったんですね。

平埜:みなさん仲が良かったですね。


――そんな中で、ご自身の役作りはどんなことを心掛けましたか。

平埜:パイロットの役だったので、空自の人たちはどのように資格を取るのか、どういった試験があって、中でも難しいのはどの試験なのかを、資料や映像を見て勉強しました。あとはスタッフの方が簡易的な操縦桿を持ってきてくださって、実際に戦闘機に乗っていた方から操縦の仕方を教えていただきました。

――日常生活では体験できないような役ですね。とくに苦労した部分はどこでしょうか。

平埜:パイロットには重力がかかるのですが、それをどう表現すればいいかをずっと考えていました。動画サイトで出てくるのですが、失神してしまうくらいのG(重力)なんです。それを表現することに難しさを感じていたのですが、スタッフさんが頭に血が上るように僕を宙吊りにする装置を用意してくださったんです。逆Gがかかるというシーンで、逆さ吊りになって撮影しました。

――想像するだけで苦しいです。実際に吊られてみていかがでしたか。

平埜:顔じゅうの血管が切れて、内出血をいっぱいしました。

――ええ!怖い。

平埜:最後のシーンだったのでよかったです。

――注目して見たいと思います。

平埜:でも目しか映らないんですよ(笑)。

――たぶん、迫力満点の眼力になっているんでしょうね。完成作品をご覧になっていかがでしたか。

平埜:間違いなく面白いです。『空母いぶき』には作品の中にたくさん考えさせられることや心に残ることが詰まっていると思うので、できれば2人以上で見に行っていただいて、感想を語りあってほしいです。

大ファンだった『家政夫のミタゾノ』に出演 ミタゾノは「でかかった!」


――『空母いぶき』の公開日には、平埜さんがゲスト出演された人気ドラマ『家政夫のミタゾノ』が放送されますね! 平埜さんは、ミタゾノが大好きだと伺っています。

平埜:ミタゾノさんが面白すぎて……。大好きです。

――出演願望はあったんですか。

平埜:そんな、考えてもみなかったです。純粋に視聴者として楽しみに見てきた作品のひとつです。出たいというより、テレビの前でもっと見たい。そう思っていたので、出演の話が来たときには「まさか!」という感じで。実は……飛び上がるほどうれしかったです。

――生ミタゾノはいかがでしたか。

平埜:でかかったです。

――松岡さん、身長高いですもんね(笑)。

平埜:もちろん肉体も大きいんですけど、物理的なものだけではなく、オーラもすごくて、想像していた以上に圧倒的な存在感でした。

――松岡さんとお話はされましたか。

平埜:撮影中は話せる機会がなかったので、最後に松岡さんのところにご挨拶に行って「ミタゾノ大好きで、出られて本当にうれしいです!」となんとか伝えました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか。

平埜:3シリーズ目なので完璧にチームワークができていたのが印象的です。どういう風に演技をしたら視聴者にどう伝わるのか全部わかっていて、すごくクレバーでした。台本にないことや僕と相手役の方とのシーンでも、そのシーンがより面白くなるように監督に松岡さんがアイディアを出してくれるような環境。本当に面白いことを追及しているクリエイティブな現場だと感じました。

――もし、将来的にミタゾノのような役のオファーが来たらどうされますか。

平埜:考えられません。ミタゾノさんはミタゾノさんがいいですね。

――リスペクトがすごいですね(笑)。

平埜:はい!

「青春の誤解が続いている」柄本明の言葉に感銘


――これまでどんな俳優人生を過ごしてきたのか、仕事への考え方なども教えてほしいです。まず、なぜ俳優という道を選ばれたんでしょうか。

平埜:親が裏方の仕事をしていたのでよく撮影現場に見学に行っていたんです。子供のころからドラマも大好きだったので、いつか自分も画面の中にいるんだろうなと勝手に思い込んでいました。でも、いつまで経っても画面の中に入れないまま中学生になっていました。そこで、事務所に入ったりオーディションを受ける必要があるって初めて知ったんです。

――中学生で本格始動ですね。

平埜:中学生のときに今とは別の俳優事務所に所属して、エキストラなどの経験をしたことがあったんですが、ものすごくシャイで恥ずかしくて……。その一方でテレビに出ているから普通の人とは違うぜっていう気持ちも入り混じっていたんですよね。ただ、どうしてもぬぐえない羞恥心が勝ってしまって、中学3年生で事務所を辞めちゃったんです(笑)。

――ええ~。でもやっぱりお芝居を続けたいと思ったんですか。

平埜:お芝居を続けたいということよりも、ほかのことがなにも続かなかったんです。もう一度、やってみようかなと思ったのが何故かお芝居だけだった。高校2年でアミューズに所属することになりました。


――俳優を続ける意思が固まったのはいつ頃ですか。

平埜:実は、今も固まってないんです。ただ続いちゃっているというか。情けないですね(笑)。昨年、柄本明さんと舞台で共演して、2か月くらい一緒にいたんです。そのとき柄本さんが「僕たちは青春の誤解からお芝居を始めている」と仰っていて。それがものすごく腑に落ちたんです。それが続けている理由です。青春の誤解が続いているうちは続けていくと思います。誤解が解けたら辞めるのかなと思います(笑)。

――平埜さんにとって青春ってなんだったんですか。

平埜:学生時代は習い事や勉強、部活と、なにも続かなくて、友達も少なくて、青春って言葉から遠ざかっていたような生活をしていたんです。そんなときに高校2年で初舞台を経験しました。1カ月稽古をして、チケットも全然売れないなか小劇場で公演をしたんですが、それが青春としか言いようのないカタルシスがあって……。涙が止まらなかったんですよね。その舞台に心を持って行かれて、ああこれが青春だなと(笑)。

――今も青春が続いているということですよね。

平埜:はい、恥ずかしいですね。

――ただ、続けたいと思っても続けられる仕事ではないですよね。

平埜:誤解をしていますからね(笑)。完全にそれに尽きます。

――その裏側に誤解していたい気持ちもあるんでしょうか。

平埜:あると思います。結局、やってしまうと楽しいなと思うんです。


――どんな人生、生き方をしたいと考えているんですか。

平埜:土の中の肥料みたいな人生がいいなと思っていますね。光を浴びて、パッと咲いていく花にみんな惹かれますけど、そこには花を支えるための大きな大地があって、肥料がある。僕は木を育てる役に立つような人生を送りたいです。

――役者としてのビジョンはありますか。

平埜:ビジョンとは違うかもしれませんが、20代、30代、40代と、節目ごとに目標とする俳優さんはいます。

――ぜひ教えてほしいです。

平埜:20代だったら柳楽優弥さん、30代だと山田孝之さん、40代だとTEAM NACSのみなさんとか。50代は佐藤浩市さん、60代は小日向文世さん、70代は柄本明さんと、世代ごとに自分が目標とする人を思い描いていたりはします。

――ステキですね。生粋のエンタメっ子という感じがします。

平埜:あくまで目標なので(笑)。

ブログは自分自身を見つめる「自分だけの領地」


――お話を聞いているとものすごくご自身の考えをしっかり持っているという印象を受けます。考える時間を決めていたりしますか。

平埜:ブログは自分を見つめるにはいい場所だなと思っています。僕の中ではブログは自分の領地だと思っていて、誰にも侵されたくない場所なんです。なので、基本的に僕の好きにさせてもらっています。見返してみて、昔の自分はこんなことを考えていたのかと振り返るのも面白いですしね。

――私の場合ですが、過去の文章を読むと恥ずかしくなっちゃうことがあります。平埜さんはいかがですか。

平埜:そういう気持ちもありますが、それ以上に面白いです、バカなことを書いていても、それを振り返って「人間、こういう時期あるよな」って。全部僕の過去で、すべてが僕の歩いてきた道なんだと、受け入れています。

――ステキですね! 映画やドラマ、今後のご活躍も楽しみにしています。


















ヘアメイク:安海督曜(EFFECTOR)
スタイリスト:渡辺 慎也 (Koa Hole inc)
テキスト:氏家裕子
写真:You Ishii

『空母いぶき』 5月24日(金)より全国ロードショー(配給:キノフィルムズ)
(c)かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

当記事はAbemaTIMESの提供記事です。

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