好きな人の嘘を許せるか…嘘から始まるまさかのラブストーリー

ananweb

2019/5/23 11:30

恋とは楽しいのはもちろんのことですが、痛みや障害もつきもの。そこで、自らがついたとんでもない嘘によって、思いがけない展開を引き起こしてしまう大人たちが主人公のラブストーリーをご紹介します。その作品とは……。
■ フランス発の話題作『パリ、嘘つきな恋』!

【映画、ときどき私】 vol. 233

パリにある大手のシューズ代理店でビジネスマンとして働くジョスラン。イケメンでお金持ちということもあり、女性たちからモテていたが、彼が恋愛に求めているのは一時的な楽しさだけという軽薄な男だった。

ところがある日、美しい女性ジョリーと出会い、彼女の気を引くために「自分は車いす生活だ」と嘘をついてしまう。そのことを信じたジョリーが紹介したのは、同じく車いす生活を送っている姉のフロランス。

魅力的な彼女にジョスランは本気で恋に落ちてしまうが、本当は歩けることを打ち明けられずにいた。一方のフロランスにもある隠しごとがあったが、嘘から始まった恋の行方とは……?

本国フランスでは1位に輝くだけでなく、5週連続トップ10入りするほどの大ヒットとなった本作。そこで、“愛の国”フランスを魅了したラブストーリーを生み出したこちらの方にお話をお伺いしました。

■ 監督・脚本・主演を務めたフランク・ デュボスクさん!

今回、主人公であるジョスランを自ら演じているフランクさんは、フランスではコメディアンとしても大人気。それだけに本作にもユーモアが散りばめられていますが、記念すべき初監督作となった本作への思いや自身の経験についても語ってもらいました。

―今回は、「障害を持つ人と恋に落ちたら?」という問いに惹かれて作ったということですが、障害者との恋愛に興味を持ったきっかけはどのようなことですか?

フランクさん
 実は若いときに、僕自身がハンディキャップのある人に片思いをしていたことがあったんだ。彼女のハンディキャップは肉体的なものではなかったけれど、そういう自分の経験を推し進めてみようと考えたのがきっかけだよ。

つまり、僕が言いたかったのは、人はみな同じなのに、相手のことを知る前にまず他人との違いというものに目がいってしまいがちということ。そこで、何か違う状況にある2人のラブストーリーを書こうと思うようになったんだ。

―そのなかで、ヒロインが車いすという設定を思いついたのは、なぜですか?

フランクさん
 実は、最初はカルチャーや年齢が違うような、とにかく全然違う2人というものに興味を持っていたから、肉体的な障害ということは考えていなかったんだ。でも、そのあとに母が車いす生活をすることになり、そこで気が付いたことは母にとってつらいのはハンディキャップそのものよりも他人の視線。それで、こういったテーマにしようと思いついたんだよ。

―劇中では、ジョスランが女性の気を引くためにとんでもない嘘をついてしまいますが、ご自身も好きな人の気を引くために、嘘をついたことがありますか?

フランクさん
 そういう誘惑はあったけど、女性に嘘をついたことはないよ! ただ、僕は子どもの頃に、空想ばかりしていて、飼ってもいない犬の話をしたり、自分のおじいさんが山に住んでいるとか、さまざまなことをでっち上げてはいたかな(笑)。でも、それは自分がまだ小さかったし、友達の気を引きたくてしていたんだ。

―では、演じていたジョスランとご自身は正反対ということですか?

フランクさん
 女性に嘘をつくという意味では違うけど、彼と僕に共通点があるとすれば、自分に嘘をつき、自分を偽っていた人ということかもしれないね。

彼は自分を愛せなくて、自分に腹を立てている部分があるんだけど、僕の人生においても、そんなふうに自分に満足できない時期があったから、そういうところは似ていると感じていたよ。

■ ロマンティックなシーンは妻のアイディア

―とはいえ、そういった陰の部分にも女性たちは惹かれてしまうのかもしれませんね。そんなジョスランが演出する自宅デートはロマンティックで印象的でしたが、どのようにして思いついたのでしょうか?

フランクさん
 実は、あれは私の妻のアイディアなんだ。だから、フランス人男性がロマンティックなのではなく、フランス人女性がロマンティックなんだと思うよ(笑)。

今回、どうしたらキレイに撮れるかということを考えた結果、プールでラブシーンを撮ることを思いついたんだ。ただ、「障害のある人たちはどのように愛を交わすんだろう」みたいな覗き趣味のようにだけは決してしたくなかったから、そこは一番気をつけていたよ。

―女性である奥さまの案ということもあり、女性がキュンとするような素敵なシーンになっていたと思います。

フランクさん
 実は最初に妻と自宅のプールで、実験してみたんだけど、そのときは全然ロマンティックじゃなかったんだ(笑)。そこで、妻が「可動式のプールならうまくいくはずだから」と教えてくれて、最初は信じられなかったけど、結果的に素晴らしいシーンになっているよね。

―ちなみに、ご自身が考えたロマンティックな演出を実践したことはありますか?

フランクさん
 残念ながら僕はそういうことをしたことがないんだよね(笑)。でも、今回のプールでのアイディアがウケたから、機会があったら次にやってみようかなと思っているよ。ただ、問題なのは映画で使ってしまったから、「なんだ自分の映画のコピーをしているだけじゃないか」とみんなに言われてしまうことかな(笑)。

―確かにそれは恥ずかしいですね……。では、いま奥さまのためにしたいこともありますか?

フランクさん
 実は妻の誕生日のために考えているアイディアがあるんだ! 彼女は船が好きなので、目隠しをしたまま港まで連れて行って、目隠しを取ったときには船の上で出航しているというのはどうかなと思っているよ。

ただ、船のエンジンをかけるとガソリンの匂いがしちゃって、その時点でバレるし、子どもも一緒だから、ロマンティックな雰囲気にはならないかもしれないけどね(笑)。

■ 自分自身を信頼している人こそチャーミングな女性

―奥さまがうらやましいですね。本作では、障害を抱えながらも仕事にもオシャレにも趣味にも前向きなフロランスの姿が非常に魅力的でしたが、フランクさんが女性に魅力を感じる瞬間はどのようなときですか?

フランクさん
 まずは外見に関係なく、自分を信じている女性というのは魅力を発しているものだよね。やっぱりちゃんと自分自身に信頼を持てている人というのはチャーミングだと思うよ。というのも、それは内面からくる美しさだからね。

僕自身の好みで言うと、黒っぽい髪のブルネットの女性がタイプなんだけど、不思議なことに、今回のフロランス役にキャスティングしたのは、ブロンドのアレクサンドラ・ラミー。自分の好みと反対の女性をヒロインに選んだことは、自分でも興味深いことだなと思っているんだ。

ただ、好みとは違う僕にとってもチャーミングなヒロインになるのであれば、それはどの観客にとっても魅力的に映るだろうと確信したよ。なぜなら、それは彼女が内面的な魅力も持っているからなんだ。実際、アレクサンドラは素晴らしかったよ。

―現場ではアレクサンドラさんと共演者でもあり、監督と俳優という立場でもありましたが、監督として演出したことはありましたか?

フランクさん
 彼女に言ったのは、車いすでターンするときでも、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラがドレスを着て振り返るような立ち振る舞いをして欲しいということ。

そのなかでも大事なアイテムだったのは、フロランスの靴。立つことができない女性にとってハイヒールは必要ないものかもしれないけれど、それでも威厳のある美しさを持った女性であることを表したかったんだ。アレクサンドラはまさに輝くような美しさで演じてくれたと思うよ。

■ 欠点でも人と違うことを伸ばせば長所にもなる

―そんなフロランスの姿に、自分なりのコンプレックスや社会的な状況に縛られて恋愛に臆病になっている女性は背中を押されると思うので、ananwebを読んでいる女性たちに向けてメッセージをお願いします!

フランクさん
 さっきの話と繋がっているけれど、やっぱり自分を信頼することがまずは大事だと思うよ。つい自分の嫌いなところばかりを見てしまって、ネガティブに考えることもあるかもしれないけれど、そうではなくて、まずは自分で自分を好きになるということ。そうすれば、きっと他の人もあなたを好きになるものなんだ。

あとは、すべてではないけれど、欠点のなかには長所になり得るものもあるはず。それは肉体的な欠点も含めてだから、とにかくいいほうに考えること。そして、人と違うところを自分で伸ばすことが大切なんだと僕は思っているよ。

■ 自分の気持ちには嘘はつかないことが大事!

大人になると、つい偽りの姿を相手に見せてしまうこともあるけれど、真実の愛に出会えたとき、人はありのままの自分でいることの大切さに気がつけるはず。ウィットに富んだフランスならではの会話も楽しみつつ、いくつになっても恋することの喜びを味わってみては?

■ 思わず恋する予告編はこちら!



■ 作品情報

『パリ、嘘つきな恋』5月24日(金)新宿ピカデリーほか全国公開!配給:松竹株式会社(C) 2018 Gaumont / La Boétie Films / TF1 Films Production / Pour Toi Public

当記事はananwebの提供記事です。

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