初心者のための失敗しない葉巻とバーの楽しみ方

日刊SPA!

2019/5/17 15:53

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第48回 ―

葉巻は紙巻きとはいろいろ異なるものの、たばこです。当然、未成年は吸うことができません。葉巻の煙は、紙巻きと違って肺に入れないので健康面でも問題ないという意見もありますが、健康第一で考えるなら吸わないほうがよいでしょう。本記事も葉巻を推奨するわけではありませんが、葉巻に興味がある人、吸ってみたいと思っている人に、ごくごく基本的なことを紹介しようと思います。

葉巻の形と口にくわえたイメージは皆さんご存じですが、買い方から火の付け方、吸い方から、マナーなどはなかなか知るチャンスがないものです。今回は、シガーバーに行って、お酒とシガーを楽しむ流れを追ってみます。

◆葉巻をベタベタ触りまくるのはNG! シガーバーのマナー

シガーバーに入って席に座ったら、葉巻を選びます。メニューがあるならそこから選べばよいでしょう。ウォークインヒュミドールという葉巻の倉庫のようなところがあるなら、自分で選ぶこともできます。ただし、口にするモノなのですから、ベタベタと触りまくるのはNGです。

葉巻の銘柄やモデルを説明し出すと本1冊でも足りません。もちろん、喫煙の有無や好み、体調、飲むお酒によっても変わってくるのですが、初心者ならちょっと太めで、普通の長さの葉巻をオススメします。葉巻の用語で言うと、コロナやロブストというサイズがよいでしょう。

葉巻は、簡単に言うとたばこの葉を巻いたものです。本来の葉巻とは、たばこの葉のみを使って職人が手で巻き上げています。保管には湿度管理が必要で、吸う際には吸い口をカットして作る必要があります。葉巻は、片側が閉じていますが、こちらが吸い口です。開いている方に火を付けるのです。初見では逆にしてしまう人が多いので注意してください。今では、いろいろなタイプの葉巻が作られているので、この本来の葉巻のことをプレミアムシガーと呼びます。初めてなら、ぜひこのプレミアムシガーを試してみてください。他には、紙巻きたばこのようにいろいろな味を付けた細かい葉の外側を、たばこの葉で巻いたドライシガーというものもあります。

吸い口のカットは、いくつかの方法があります。フラット型、V型、パンチ型などのカッターを利用し、カットするのです。一般的なうえ、簡単なのがフラット型です。

◆香りを楽しむシガーの吸い方

火を付ける際は、着火面に遠火を当てて焦がし、その後口にくわえてふかします。紙巻きたばこより格段に着きにくいので、ゆっくり着火しましょう。ターボライターを使うと着きやすいのでオススメです。逆に、匂いが移ってしまうので、オイルライターや通常のマッチを使うのは避けたほうがよいでしょう。

シガーバーで吸う場合、カットと着火をおまかせできることが多いでしょう。火を付ける際も、当たり前ですが店員が口を付けることはありません。ターボライターで強引に着火するか、シガーマッチと独特な技術で火を付けて、渡してくれます。火を付けてくれない場合でも、カッターやライター・マッチを借りることはできるはずです。

火が付いたら、吸います。紙巻きたばこと異なり、葉巻はふかして、肺に入れません。香りを楽しみます。しかし、口や鼻の粘膜から、十分以上のニコチンが吸収されるので、物足りないと言うことはありません。煙を楽しむのですから、上を向いてひょっとこみたいに吐き出すと言うことはしません。自分の前のあたりにふわーっと吐き出すイメージです。

持ち方は、鉛筆を持つように持ったり、小指以外の4本指でつまんだりと自由です。しかし、紙巻きたばこのように二本指で挟むのはかっこ悪いのでオススメできません。また、火が付いている先端を人に向けず、自分の方に向けて持つ方が事故が起きずスマートです。

灰の扱いも紙巻きとは異なります。吸う度に、ばんばんと灰皿にたたきつけて灰を落とすようなことはしません。自然に落ちるまで、可能な限り付けっぱなしにしておきます。

葉巻はずっと吸い続けるモノではありません。一口吸ったら、灰皿に水平に置き、会話やお酒を楽しみましょう。思い出したように吸うくらいでもOKです。燃焼材が入っていないので、置いておくとそのうち消えてしまいますが、また着火すればOKです。短めの葉巻だと30~60分くらいで吸い終わるでしょう。

◆葉巻にピッタリのお酒は?

一緒に楽しむお酒は、濃いタイプのほうが合います。ブランデーやウイスキー、ラム、グラッパなどが定番です。もちろん、これは好みです。モヒートでもいいですし、他のロングカクテルでもいいでしょう。個人的には、シングルモルトウイスキーなら「ダルモア・シガーモルト」やダークラムなら「パンペロ・アニベルサリオ」が好きです。ブランデーなら、軽いシガーにはコニャックの「ポールジロー」、重いシガーには重いアルマニャックを合わせています。

プレミアムな葉巻と美味しいお酒、楽しい友人が揃ったら、至福の時間です。天然の葉を燃やしてるだけなので、香りもよくリラックスできます。筆者にとっては、最上の癒やし空間です。

吸い終わったら、灰皿にそのまま置いておけば消えます。必ずしも根元まで吸う必要はありません。味が辛くなってきたり、もう十分だなと感じたらOKです。たばこを吸わない人が初めてチャレンジするなら、早めに消してもいいでしょう。静かなところでゆったり楽しんでいると、意外とお酒やニコチンに酔っていることに気がつかないことがあるからです。

ただし消す際は、絶対に紙巻きたばこのように灰皿に押し付けないでください。ぐりぐりと消すと、死ぬほど葉巻がまずい! もしくは葉巻が死ぬほどまずいのはおまえらのせいだ!という意味になります。

葉巻もワインと同様、とても奥深いです。銘柄も形も多様で、限定品もたくさんあります。ヴィンテージもありますし、地域によっても味の方向性がまったく異なります。熟成させている人もたくさんいます。100本や200本吸ったくらいで、葉巻を語ることはできません。「コヒーバ」は世界最高峰銘柄のひとつですが、「俺はコヒーバしか吸わないんだよね」なんて耳にしたら恥ずかしくて悶絶してしまいます。

そもそも、シガーはある程度吸って経験を積まないと、吸っている姿が様になりません。たとえ、そこそこの年齢で高級葉巻を吸っても、吸い始めたばかりの人だとどこか背伸びしている違和感があります。葉巻をくわえて気が大きくなるのはNG。どや!と外を向くのではなく、自分の中で葉巻の美味しさを感じ、最高のエクスペリエンスを楽しんでください。

【柳谷智宣】

お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2年前に海底熟成ウイスキーを扱う「トゥールビヨン」を立ち上げ、現在販売中

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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