嫌われた“インスタ映え”“イクメン”“美魔女”…「〇〇という言葉が嫌い」と表明するブーム到来

wezzy

2019/5/16 19:05


 「“インスタ映え“っていわれると萎え萎えしちゃうんですよね。インスタ映えってワードが本当に嫌すぎて」

これは藤田ニコルが4月20日放送の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)で発言したものである。藤田はスタジオの観覧客に「わかる人いない?」「古くないですか?」と同意を求めており、それに呼応するようにネットでは共感の声が飛び交った。その一方で、「(インスタグラムに)アップする料理は『インスタ映え』を意識する?」と質問した久本雅美に対して非常に失礼、などの批判的な意見も多く挙がった。ネットニュースを読んで記憶していた人もいるだろう。
「〇〇という言葉が嫌い」表明が続く
 そしてGWが明けた5月8日、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演したギャル曽根の発言、「私、“イクメン“って言葉が嫌いなんです」がネットニュースになった。この発言の意図は、「だって、(父親と母親)2人の子どもなのに、なんでママは“イクママ”って言われないのに、男は“イクメン”!?」というもので、一緒に出演していたSHELLYも、「それ!それ!」「『料理するんだ、すごい』って言われたことない?『洗濯物するんだ、すごい』って言われたことない?」と応じている。ママタレント2人が、「女性が家事育児をするのは当然」という風潮がいまだにはびこっている現状を批判すること自体は特に目新しくもないが、「私、“イクメン“って言葉が嫌いなんです」という発言のインパクトで記事化されたように思われる。

ちなみに芸能人による「イクメンという言葉が嫌い」発言は、彼女たちが初めてではない。すでに2018年1月1日放送の『ゴッドタン』(テレビ東京系)で、ハライチ・岩井勇気が言及している。 「新春SP 芸人マジ歌選手権」で披露したオリジナルソングの歌詞に、「お笑い道みたいのを語ってた芸人が、後々子どもができてイクメンアピールしてる」「自分の子どもを育ててイクメンって意味わかんない」「当たり前のことしてるだけじゃない」「気持ち悪い言葉、イクメンって」と入れ込んだものが当時話題になった。

さらに検索を続けると、今年の3月24日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演した相田翔子が「『美魔女』って言葉が嫌で、イタくはなりたくない。劣化上等みたいな」と発言しているのが見つかった。「劣化するのは当たり前なんだから、それをいちいち周りが言うことないじゃん。言われても気にもしないけど、年を重ねるんだから」と続けている。とかく容姿についてあれこれ言われがちなアラフォー以降の芸能人らしい、世間への反撃コメントだ。

似たようなところでは、今年3月8日に中高年女性向けのwebサイト「ミモレ」が掲載した記事で、夏木マリが「MASHING UP」というイベントに登壇し、「アンチエイジングという言葉、私は嫌いです」と発言しているのが紹介された。同記事はYahoo!ニュースにも転載され、広く読まれたことがうかがえる。夏木はイベント後の質疑応答で、次のように発言していた。

「アンチエイジングという言葉、私は嫌いです。歳をとるのは仕方のないことですから。シワが増える分、朝からパックだなんだとやることが増えるのは大変だけど、これは年齢を重ねた女のノルマ。あれこれやらなきゃいけないのが悲しいのであって、シワが増えることが悲しいのではないの」

藤田ニコルの指摘する“インスタ映え”以外は、その言葉自体の古臭さというよりは、概念を根本から否定するコメントのようではあるが、いずれもその言葉が好きでないと言っていることに変わりはない。
ネット社会では言葉があっという間に消費される
 言葉が短期間で使い尽くされるようになったのは、特にスマホとSNSが浸透してきてからのように思う。ネットニュースはスマホの画面にタイトルが一覧されるのが特徴である。タイトルやSNSの投稿に、流行りの言葉が一気に使われるため、1日のうちに何度も同じ言葉に出くわす。1画面のうちに複数回同じ言葉が出現することさえある。つまり、テレビなどに比べ、短時間に同じ言葉に出会う確率が高い。

同じ言葉を連日目にしていれば、流行り言葉はあっという間に鮮度を失うのだ。

テレビは古い言葉をいつまでも使う傾向
 それでも、そんな鮮度が失われた言葉、そしてコンテンツを、テレビではいつまでも嬉々として使う傾向があるように思う。特に日中の情報番組は、一度流行りものを見つけたら、搾り切れるまで使い尽くす。

だが、2018年の「年間大賞」はカーリングの「そだねー」だった。年間大賞に続く「トップテン」のうちの1つは、「(大迫)半端ないって」である。オリンピックやワールドカップの時期は、普段テレビを観ない人もテレビをつけていた人が多かったようだが、「そだねー」と「半端ないって」がどれだけの回数テレビで扱われただろうか。またかとうんざりしていた視聴者も少なくないはずだ。さらに、新語・流行語大賞が決まるのは年末で、既に忘れ去られた言葉が掘り起こされるのが物悲しい。

冒頭で触れた“インスタ映え”について、現在60歳の久本雅美は「(最近になってインスタグラムで)映えるって言葉を使い始めた」というが、それは懐古趣味の芸風とリンクしているのでさておき。藤田ニコルは、今もテレビのスタッフから「(インスタグラムで)映えますよね?」とよく聞かれると愚痴っていた。

新しい言葉は時に美しくないものもあるし、使いこなす前に消えていくほうが多い。しかし、鮮度を失った言葉にいつまでもしがみつくテレビ制作側の感性が、若い世代のテレビ離れにつながっているのだろう。
「嫌い」を表明することで感性をアピールする芸能人たち
 ここにきてテレビの世界の住人である芸能人が、テレビのノリと一緒にされたくないとばかりに、古びた流行り言葉を「嫌い」と言い始めた。芸能人、特にアイドルといえば、ポジティブなイメージを守るために、「嫌い」という言葉を極力使わない傾向にあった。だからこそ、「嫌い」と言うだけで簡単に目立てる。

今のところ古臭くないアピールが効率的にできて、ネットニュースにも取り上げられるが、この流行もすぐ飽きられる。「〇〇という言葉が嫌い」発言をする「尖ったワタシ」が「嫌い」と言われ、忘れ去られるのも時間の問題だろう。

当記事はwezzyの提供記事です。

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