「4日で4600万も払ってくれた」”性善説”を信じることが行動原理の光本勇介氏、新著がヒットする理由

AbemaTIMES

2019/5/16 06:00



 カーシェアリングサービスを10年前に始めたり、誰でも2分で簡単にネットショップをつくれるサービス「STORES」を創出したりと、実験的なビジネスを続けてきた起業家・光本勇介氏。代表を務める株式会社バンクで手掛けているのが、ユーザーが売りたいファッションアイテムなどをスマホで写真に撮った瞬間に査定され、現金が口座に振り込まれる即時買取アプリ「CASH」だ。アイテムは現金が振り込まれた後、2週間以内に発送すればOK。2017年のサービス開始初日には、開始わずか16時間でおよそ7万3000点のアイテムに対し、3億6000万もの現金をばらまいたことで大きな話題を呼んだ。


 "先にお金を渡す"ということのリスクを懸念する声について、光本氏は「CASHは"人を信じて、先にお金を提供してみる"という事業だ。世の中の多くの人は"いい人"だと私は信じている。それをベースに事業を作ってみたら、今までにはできなかったサービス作れるんじゃないかなと思っている」「世の中には悪い人がいるという性悪説を前提に設計されたビジネスが多いが、悪人は全体で見たらごく一部だと思う。それで損害が出たとしても、良い人からの収益でビジネスは作れるはずだ」と主張する。この"性善説"に基づいた発想は、10万円以下の旅行を提供、料金は2か月以内に払えば良いという「TRAVEL Now」にも活かされている。


 「広いワンルームが好き」と話す光本氏。1人暮らしで区切る必要もがないからと、300平米ワンルームという間取りの部屋に住む。運動嫌いだというが、その最中にアイデアがひらめくこともあるという。


 週に一度、疲労回復のために「血液クレンジング」にも通う。採血中にも「自分の血を見ていて、そもそもこれって売れないのかなって思って。日本では血を売っちゃダメ。けど買うのはいい。だったら採血する大量のステーションを、例えば海外で運営して、日本に売るのはどうだろうって」と、ビジネスモデルの片鱗を思いついたようで、携帯にメモを取っていた。


 そんな光本氏の新たな取組みが、新著『実験思考』だ。ビジネスアイデアがふんだんに盛り込まれた同書だが、ビジネス書の相場が1500円程のところ、紙版は儲けの出ない原価390円で販売している。さらに電子版は0円という、出版業界では前代未聞の試みとセットだ。


 このアイデアは、担当した幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏、そして堀江貴文氏との"定例会"「光本会」で自身が提案したという。「僕がすごく酔っぱらっていたときに箕輪さんに本の話を持ちかけられたので、"タダでばらまかせてもらえるんだったらいい"と言って決まった」。突きつけられた条件を実現させた箕輪氏は「社内調整が大変だった」と苦笑する。


 0円で読むことができる『実験思考』だが、本の中のQRコード経由で読者が感じた価値を支払うこともできる仕組みになっている。つまり、「価格を読者の自由に委ねたら定価で売った場合より儲かるのか?」という光本氏の壮大な実験なのだ。値段は1500円を超えると、額に応じて特典が受けられるようになっている。1500円は「お名前をサイトの『Thank You!』欄に載せさせていただきます(希望者のみ)」、3000円は「3000円以上お支払いいただいた方のみがフォローできる光本の限定インスタグラムのアカウントをフォローできるようになります。光本が毎日見て感じたことを、1日最低1回更新を目指して投稿していきます」、5000円は「著者光本勇介と編集者箕輪厚介の対談動画のURLをお送りします」。さらに1万円では「1年間、月に1度、思いついた事業アイデアをお送りします」という特典が追加される。

5万円は「月に1度、光本が頭にGoProを付けて朝から寝るまでを生配信するのでそれを閲覧できます。光本の生活を覗き見してみてください」、10万円は「光本との1時間のお打合せ権利をご提供いたします(東京都渋谷区)」、30万円は「光本勇介とLINE交換しましょう!何度ご連絡いただいても、少なからず次半年は可能な限り48時間以内には返信します!」、50万円は「光本勇介との夕食会(都内)、事業や実験について話しましょう!光本がご馳走させていただきます!」、100万円は「光本勇介講演会開催権利をご提供いたします。※講演会に関しては別途移動費の実費を頂きます。また日帰りで都内に戻れる場所に限ります」という特典がそれぞれ追加される。


 500万円と1000万円では、支払額に応じて唯一の特典が用意されている。500万円の特典は「一緒に韓国のカジノに行き、500万円を元手に、2回だけ、確率1/2のルーレットに賭けましょう!うまくいけば2000万円になります。下手したら0円になります。元手を引いて、勝ち金は全てお戻しします。私は比較的、運はいい方で、今までカジノも圧倒的に勝っています笑」というもの。1000万円の特典は「半分の500万円を資本金にして著者光本勇介と一緒に会社を立ち上げましょう。アイデアがなければ光本が提供します」という独自の特典となっている。

結果、発売4日にして約940名があわせて約4600万を支払ってくれた。「1000万円を出してくれた方が2人、500万円を払っていただいた方もいる。インターネットの世界で生きてきたので、こんなに本ってパワーを持っているのか。すごい影響力だなと感じている」」(光本氏)。


 箕輪氏によると、これはビジネス書5万部分の利益に相当するという。「この本には1円の価値もなかったって思う人もいれば、人生変わったって人もいるが、これまでは全員が1500円を払っていた。要は興味の幅だけ、深さだけ課金できるというふうにしたのが、今回の面白さだ。"紙が売れない"というのはめちゃめちゃ馬鹿らしい。僕は儲かってしょうがない。年間で何億円もの利益を僕一人で出している。1500円で何人が買ったかではなくて、1500円で思いを買った人の総量をいかにマネタイズするかだ。そう考えれば、本は強い。つまり、何時間かけて読むということは、相当なコミットメントとエンゲージメントの高さがあるということ。その人たちからはいかようにでもマネタイズできると思う」。


 さらに電子書籍と紙媒体の関係について、箕輪氏は「電子書籍に全部乗り換えられると言われたが、意外とデバイスとして紙の方が便利だという事実が分かってきた。『実験思考』も、実は紙の本がAmazonで4000冊、しかも2日で売り切れた。本屋さんだって、知的なことに興味のある人がこれだけわんさかいるんだから、もうちょっとマネタイズできるはずだ」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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