『きのう何食べた?』第4話が描いたシロさんとケンジの馴れ初めが至高の域! 梶芽衣子も名演

日刊サイゾー

2019/5/3 19:00


 4月26日深夜に放送された『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第4話は、父・悟朗(志賀廣太郎)の食道がん手術を控えた筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)にフォーカスした。

母・久栄(梶芽衣子)は夫が心配で落ち着かず、絵に描いたように取り乱している。そんな姿が、シロさんは意外だったようだ。

シロさん「お母さんってさあ、結構、お父さんのこと好きだったんだね」

久栄「当たり前でしょ……。大好きよ」

帰宅した久栄は、悟朗がいつも座っている椅子を見ながらしみじみつぶやいた。

「毎日一緒に暮らしてる人って、特別なのねえ」

今回はこの言葉に尽きる。

天ぷらを揚げるコツ「思い切り」で人生が好転したシロさん


 第4話は3年前にまでさかのぼり、シロさんと矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)の馴れ初めを描いた。当時の彼氏に連れられ、初めて2丁目を訪れたシロさん。端正なルックスから一般社会では女性ウケがいいシロさんも、この界隈だとモテるタイプではない。彼はこのとき、その事実を初めて思い知った。「帰りたい……」と心が折れそうになった瞬間、出会ったのがケンジである。内野聖陽はすごい。目の色だけで、ケンジがシロさんに一目惚れしているのが伝わってくるのだ。でも、2人はそのまま別れた。

再会したのは、シロさんが髪を切りに美容室へ行ったとき。たまたまシロさんを担当したのがケンジだったのだ。そこで、ケンジはシロさんがパートナーと別れたことを知る。「あっ、そうだったんだ……」と返すケンジから、隠しきれない喜びとチャンスに懸ける意気込みがにじみ出ている。

このドラマはすごい。原作が描いていないオリジナルシーンの制作に挑み、それが至高の域に達するのだ。友達以上恋人未満の関係性の頃、2人はデートを重ねていた。この時期について、原作は数行の説明だけで済ませている。ドラマ版はここを映像化し、きっちり再現した。カフェで待ち合わせする2人。すでに到着したシロさんに、息を切らせてやって来たケンジがガラス越しに「ゴメーン!」と手を合わせる。当時の様子から、ケンジだけでなくシロさんもちゃんと相手にデレているのがわかる。

なんといっても、美容室でシロさんがケンジに同居を申し出たくだりである。上階からの水漏れで家が大変な状況にあると沈むケンジ。この時点で、シロさんはもう挙動不審だ。何度も上を見上げ、体は硬直気味。顔にガーゼが被さると、今度は胸板が大きく上下した。原作を知る者なら「あのシーンがついに訪れる」と上気してしまう。そして、シロさんは思い切った。

シロさん「ウチ……、来る?」

予期せぬ言葉に動揺するケンジは後ずさりし、壁に手をやってモジモジ。ガーゼのせいで状況を把握できないシロさんは「どうした? え? 聞いてる?」。ケンジは「……いいの?」と返答し、2人の同棲生活は始まった。

この場面で、シロさんの顔にガーゼがかかっているのが憎い。原作ではシロさんの顔にガーゼはかかっていない。でも、ガーゼがかかっているほうが確かにシロさんっぽいのだ。思い切れない性格のシロさんは、顔を見られない状況に助けられた。顔が見えないシチュエーションでアプローチするのも、ツンデレの“ツン”成分過多の彼らしさ十分である。

久栄に天ぷらをうまく揚げるコツを聞き「思い切りよ。史朗さんに思い切りを求めても無理でしょうけど」と言われたシロさん。天ぷらをおいしく揚げるコツは、人生を好転させる秘訣でもあった。あのとき、シロさんは確かに思い切った。

この頃から月日は流れ、シロさんとケンジの距離は縮まった。3年前のクリスマスはぎこちなく、2人は姿勢がカチコチだった。くだけた姿勢をとる今年のクリスマスとは大違いである。3年もたてば、家の様子も変化する。テーブルは1人用から2人仕様の大きなサイズとなり、飾ってある絵画は数点追加された。家電の数も明らかに増えている。

夫を想う久栄が口にした「毎日一緒に暮らす人は特別」という言葉。シロさんはそれを自らとケンジの関係に照らし合わせた。どんなカップルも時がたてば特別な出来事は減る。日常の繰り返しの中で幸せを見つけるようになる。

悟朗を支える久栄のために、シロさんを通じてケンジはハンドタオルをプレゼントしていた。渡すときにケンジからの物と伝えられなかったシロさんは、電話でその事実を初めて母に告げた。

シロさん「ハンドタオルをくれた人さ……あの……ケンジっていうんだ。俺の……」

久栄「一緒に住んでる彼氏さん?」

シロさん「……うん」

久栄「そう」

シロさん「名前、矢吹賢二って言って」

久栄「……よく気がつく方なのねえ。柄も好みだったわ。ありがとうってお伝えしてね」

息子の交際相手からのプレゼントと知った瞬間、複雑な感情からわずかな間ができた久栄。でも、すぐに思い直した。息子の心へ寄り添おうと努力する母。複雑さを受け止め、前へ進む親子の一瞬を切り取っている。

予告を見ると、次回の第5話はかなり楽しみな回だ。ケンジの魅力がかなり放出されるはず。加えて、料理にも注目してほしい。放送終了後、もしかしたら近所のスーパーでサッポロ一番がバカ売れするかもしれない。

(文=寺西ジャジューカ)

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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