『きのう何食べた?』第3話は史上最高の改変! 山本耕史版小日向が色っぽすぎる!!

日刊サイゾー

2019/4/26 17:00


 4月20日に放送された『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第3話。

今回うなったのは構成の妙だ。「シロさんを理解しようとするもどこかズレた両親」「佳代子さん宅で小日向さんを紹介されるシロさん」「元夫と遊ぶ息子を遠くから見守る今田さんに付き添うシロさん」「シロさんのお父さんに病気が見つかる」という4つのエピソードが見事無理なくつながっていた。こんなに素晴らしい改変は初めて見た気がする。

期待を寄せていた息子を犯罪者と同列にする母親


 筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)が実家に帰る話は、原作でもかなり印象的なエピソードだ。まず、シロさんの「ただいま」に「いらっしゃい」と返す母・久栄(梶芽衣子)の言葉選びが気になる。自宅で待つ矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)ならば、無論、シロさんに「お帰り」と返すのだが。これだけでゲイと距離がある親世代と、シロさんと共に歩くケンジの違いが見て取れる。

両親も頑張っているが、ところどころで根の深さがこぼれ落ちる。シロさんがエクレアを手土産に持っていくと「こういうことに気が利きすぎるのも女の子みたいねえ」と母は一言。食事していると、唐突に「ゲイでも犯罪者でも、シロさんを受け入れる覚悟はできてる」と、犯罪者とゲイを同列にする認識を露呈。父・悟朗(志賀廣太郎)と2人きりになればひと息つけると思いきや、いきなり「どんな女だったら大丈夫なんだ?」とぶっ込んできたのは衝撃だった。まさか過ぎる角度からの問いかけ。この手の無理解と直面すると、シロさんは目が笑ってない笑顔でいつもやり過ごす。

この家は、きっとちゃんとしている。エクレアを手づかみではなく、皿に乗せてフォークで食べる品の良さ。シロさんが大事に育てられ、一人っ子として期待を一身に背負っていたことがわかる。しかし、この自慢の息子が孫を連れてくることはない。だから、シロさんも笑顔でやり過ごすことしかできなかった。

自宅で帰りを待つケンジは、すぐにシロさんの異変に気づいた。というか、帰宅前から心配していた。

ケンジ「何かあった?」

シロさん「それがさ……、いや、普通だったよ」

受け止める気まんまんのケンジ。愛にあふれている。そんなパートナーへ愚痴ることを思いとどまったシロさん。わかりにくいけど、これも彼なりの愛だ。しかし、ケンジの顔に浮かぶ寂しげな表情が重い。

ガラッと変わって、シロさんがスーパーでの激安食材シェア仲間の主婦・佳代子さん(田中美佐子)の家にお邪魔した場面。このとき、佳代子の夫・富永さん(矢柴俊博)がシロさんのために連れてきた小日向大策(山本耕史)の登場は第3話で最大のインパクトだった。

原作の小日向さんはガチムチ系で、山本耕史とはイメージが若干異なる。むしろ、それが良かった。山本版小日向は、原作の10倍くらい色っぽい。表情を動かさず、まばたきしない異常な眼力。端的に圧がすごいのだ。「どうも、小日向大策と申します」と自己紹介されるだけで動揺するシロさん。小日向さんはわざわざシロさんの隣に座り、話し始めた。「もしかして、口説かれる……?」とばかりに顔がこわばるシロさん。しかし、小日向さんは彼氏とのエピソードを口にする。

シロさん「あっ、彼氏いるんですね……」

何をガッカリしているのかという。

小日向さん「そうだ、筧さん。せっかくですから、今度食事でもどうですか? 連絡先交換しましょう」

まさかの「ふるふる」で連絡先を交換するシロさんと小日向さん。見つめ合った2人がスマホを揺らす光景は、卑猥な何かを意識してのツーショットのはずだ、きっと。

すれ違いの愛情に寂しげな表情を見せる内野聖陽


 シロさんの実家から連絡が入った。父・悟朗に食道がんが見つかったのだ。その様子を見て心配するケンジ。

ケンジ「俺……何かできること、あるかな?」

シロさん「……いや、別に。今のところないよ(笑)」

切ない。こういうときこそシロさんの力になりたいケンジ。余計な心配を掛けたくないシロさん。お互いがお互いに愛情があるのに、すれ違って残念な形になってしまっている。

翌日、シロさんは離婚した元夫に息子の親権を取られた依頼人・今田聖子(佐藤仁美)に連れ添って遊園地へ出掛けた(シロさんの職業は弁護士)。遠くから息子を見守るだけで我を忘れる今田さんを、シロさんは懸命にフォローする。そしてこの日の帰り際、今田さんはシロさんに感謝した。このとき、彼女が口にしたお礼の言葉はシロさんに響いた。

「私って、すごく変じゃないですか。だから、家族ですらまともに接してくれなくて。でも、先生はちゃんと話聞いてくれました。気持ちがしんどいときって、誰か1人でも親身になって話を聞いてくれる人がいると安心するんですね」

このとき、シロさんの頭に思い浮かんだのはケンジの顔だ。ケンジはシロさんを思い続けているが、シロさんもケンジを思い続けている。帰宅後、シロさんはケンジに言った。

シロさん「親父のことで、もしこの先何かあったときさ、話聞いてもらってもいいかな? 話聞いてくれるだけでいいんだ」

ケンジ「……うん。……聞くよぉ~! もちろんだよ、シロさん」

感極まり、返答するケンジの声が裏返っているのがいい。

ドラマではW主演になっているが、原作で主人公的な立ち位置にいるのはシロさんのほうだ。ケンジは、どちらかと言うと“その恋人”という存在。しかし、内野聖陽が演じることで、より感情移入できる愛すべき人に昇華した。それが回り回って、シロさんが感じる幸せとなって着地する。どんなにつらいことがあっても、食事をしながら話を聞いてくれる存在がいるということは、なんて幸せなんだろう。

そして、やはり構成がいい。今田さんに付き添うエピソードから、シロさんの「話聞いてくれるだけでいいんだ」へつながっていく流れ。なんと自然な改変なのだろうか。

まだツンケンしていた初回と比べ、第3話では笑顔を見せることも多くなったシロさん。ケンジ→シロさんの愛と、シロさん→ケンジの愛が共鳴した結果だ。感動的な回だったと思う。

(文=寺西ジャジューカ)

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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