女医に恋する放射線技師はストーカーか純愛か~『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』

wezzy

2019/4/17 19:05


 4月8日(月)から放送を開始した『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』(フジテレビ系列)。このドラマは、患者の病や怪我の根源を見つけ出す縁の下のヒーローたちの戦いを描いた意欲作である。

今ノリにノッている窪田正孝の月9初主演作品とあって、高い注目を浴びている今作品。主人公としては初めて描かれる「放射線技師」の物語であり、「平成」の月9の大トリを担う重要な作品としてスペシャル感が満載なドラマだ。
医療現場のリアルを描く
 放射線技師の置かれた現状と医師との確執など、リアルな舞台裏を垣間見ることのできるこのドラマ。放送前はコメディー色の強いドラマかと思っていたが、現代の医療事情や不条理なども切実に描かれていた。放射線技師を格下に見ている医師たちに憤り、「医師の命令は絶対」「放射線技師は医師の黒子」と愚痴る職場の面々の台詞には社会人の悲哀を感じた。優秀な人物ばかりの医療現場でも、我々と同じく不満やストレスを抱えて葛藤しているんだなあ、と少し親近感。

22年もの間、ずっと思い続けてきた杏(本田翼)からまったく忘れられ、「警察呼びますよ!」と犯罪者扱いまで受けてしまう唯織(窪田正孝)。杏のために「放射線技師」になった彼の今までの努力を考えると不憫だ。しかし、再会までの日数を「22年と128日」と正確に数えていたり杏の写真を肌身離さず持っていたりと、少し怖い。一途と表現するだけでは形容しがたい不気味さも併せ持っている。22年間の間、ほかの女性に目が移ることはなかったのか疑問だが、それだけ好きな女性に一直線で純粋な男性だということなのだろう。

ドラマを彩るメインキャラクターたち
 窪田は抜群の演技力で、技師として天才的なスキルを持ちながら、コミュ障気味で他人と上手く関われない唯織を好演。22年前に離れ離れになった杏のために技師という職業を選んだり、人目を気にせず杏との再会をシミュレーションしていたりと、奇抜なキャラクターである。実際遭遇したらかなり引いてしまいそうな人物だが、窪田が演じると妙に納得してしまう。残念な男性を演じさせたら彼の右に出る者はいない。

上から目線の女医・杏を演じる本田は、初の女医役を務める重圧のせいなのか、演技が妙で不自然。女医として働く姿はとても美しくて目を潤してくれるのだが、医師には見えずに白衣がコスプレのように映ってしまう。彼女の出演しているCMのコスプレ姿は、「可愛い」と大評判だったが、「カッコイイ女医」は米倉涼子ばりの風格がないと難しいかもしれない。

唯織と共に「ラジエーションハウス」に配属された新人・裕乃には最近活躍の著しい広瀬アリス。個性の強い技師たちに囲まれ振り回されるも、真摯に患者と向き合う姿を爽やかに演じ好感が持てる。私は2年前に広瀬の映画イベントを取材したことがあるのだが、実際の彼女も爽やかで気配りのできる素敵な女性だった。その頃は妹・広瀬すずの活躍の影に隠れていた印象があったので、最近の彼女のめざましい活躍がとても嬉しい。8年ぶりの「月9」出演はさらなる飛躍となるかも。
医師VS放射線技師 
 一風変わっているが類まれな能力を持つ主人公と、個性豊かな仲間たちが織り成すドラマ作品は過去にもたくさんあり、『ラジエーションハウス』も例に漏れず王道を貫いている。登場する同僚はギャンブル好きから男勝りの女子、無気力からイマドキ新人までとクセ者ばかりが勢揃い。

またこの設定?と思わなくもないが、このドラマには従来の「医療ドラマ」と一味違う点がある。それは医師と放射線技師の小競り合いや、手柄を横取りされる現状などがリアルに表現されているところ。見てはいけない舞台裏を覗いてしまったような気持ちになる。日ごろ、医療現場に身を置く人々のことを次元が違う遠い存在のように感じていたが、「皆、いろいろ我慢しているんだな……」と身近に感じることができた。

「医学というものをこれまでにない視点から伝えられる可能性を感じている」と主演の窪田が意気込みを見せている今作品は、病院などでX線撮映や・放射線治療などを担当する技師である「放射線技師」に初めて焦点を当てた物語である。

医者を対象にしたドラマであれば参考にできる作品もたくさんあるだろうが、技師を演じる俳優陣たちは独自に研究と勉強が必要だったのではないか。新しく紡がれていく「放射線技師」たちの熱い闘いが楽しみだ。

唯織の恋の行方はどうなる?
 男性誌の漫画作品が原作なので、登場する女性キャラクターたちはそれぞれにとても魅力的。ツンとした高嶺の花系美女・杏と、一生懸命で元気いっぱいの裕乃、強気で男勝りのたまき(山口紗弥加)と全員のキャラが立っている。

現段階では杏に猛烈に片思い中の唯織だが、唯織の類まれな才能に気づいた裕乃が彼を意識する展開へと発展しそうな気配。視聴者も杏派と裕乃派に分かれていきそうだ。ちなみに私はツンとしている杏より元気で一生懸命な裕乃を応援しているが、男性目線ではどちらがより好まれるのか気になる。手の届かない美女か、それとも親しみやすい爽やか女子か?果たして唯織はどちらと結ばれるだろう? 今後の展開が楽しみだ。

恋愛要素もたっぷりの医療ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』。一部では「オープニングが『HERO』っぽい」とか、「本田の女医の演技が不安」とか、ネガティブな意見もいろいろとあったようだ(『HERO』っぽい、のはそもそも監督が同じ人である)。しかし、初回の平均視聴率は12.7%を超え、前作『トレース~科捜研の男~』の初回12.3%を上回る好発進(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。『トレース』は残虐シーンが視聴者を戸惑わせることもあったが、『ラジエーションハウス』は家族と一緒に観ても気まずいシーンが無いので、安心して楽しく観ることのできる作品である。第二話の視聴率も12.3%を記録し、ここから右肩上がりになる可能性も出てきた。平成最後の「月9」を大きく盛り上げるドラマとなってほしい。

当記事はwezzyの提供記事です。

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