注目度アップの「浦安音楽ホール」~駅近、眺望爽快、バリエーション豊かな自主企画

SPICE

2019/4/16 09:30



2017年春に開館して以来、地域の人たちに愛され、人気上昇中の浦安音楽ホール。JR京葉線の新浦安駅から徒歩約3分、ビルのエレベーターで5階ロビーに降り立つと、眺望抜群の明るく爽やかなスペースに、心がすうっと浄化されていくのを感じる。ガラス壁の向こうにはニュータウンの大パノラマが広がり、東京ディズニーランドも見える。素晴らしいロケーションだ。

吹き抜けの螺旋階段を上り、約300席の「コンサートホール」に到着。ウッディーで落ち着いた内装、ステージと客席が近いぜいたくな音響空間である。国内外のトップ奏者のソロや室内楽などを、まさに五感で堪能できる。主催公演も豪華な顔ぶれだ。今期は、アルメニア出身の若き名手セルゲイ・ハチャトゥリアン(4月20日)のヴァイオリン・コンサートで開幕。モーツァルト、プロコフィエフ、フランクのソナタを、ピアニストの姉ルジーネの伴奏で叙情豊かに奏でる。しかも使用楽器は、1740年製のグァルネリ・デル・ジェス「イザイ」。ベルギーの歴史的奏者、ウジェーヌ・イザイ(1858~1931)が所有していたことからこの名がある逸品で、彼の国葬の際にはクッションに乗せられ、棺の前を行進したほど。1965年来、20世紀の巨匠アイザック・スターン(1920~2001)所有となり愛奏されていたが、1998年に日本音楽財団が購入。2010年秋からハチャトゥリアンに貸与されている。
日本音楽財団のストラディバリウスを弾いていたこともあるハチャトゥリアン (c)Marco Borggreve
日本音楽財団のストラディバリウスを弾いていたこともあるハチャトゥリアン (c)Marco Borggreve

翌週28日に、人気女性奏者の川久保賜紀(vn)・遠藤真理(vc)・三浦友理枝(pf)が揃って登場し、それぞれソロの他に、ショスタコーヴィチやラヴェルのピアノ・トリオを披露するのも興味深い。また6月8日には、作曲家の池辺晋一郎が、N響団友オーケストラのクラシック名曲演奏を、得意の(?)ダジャレも交えて楽しくレクチャーしながら展開する。
川久保・遠藤・三浦、まさに「ミューズの共演/競演」となる特別な演奏会 (c)Yuji Hori、Yusuke Matsuyama
川久保・遠藤・三浦、まさに「ミューズの共演/競演」となる特別な演奏会 (c)Yuji Hori、Yusuke Matsuyama

ジャズ公演もあり、平野公崇率いるブルーオーロラサクソフォン・カルテットが、一見異質に思えるバッハと日本音楽の両方を独自のセンスで演奏したり(5月25日)、夏休みには、国内外の音楽シーンを70年代からリードし続けてきた超絶ギタリスト渡辺香津美のジャズ回帰トリオが登場(8月9日)。
真夏にどんな曲が飛び出すか、渡辺香津美のジャズトリオ (c)Yosuke Komatsu (ODD JOB)
真夏にどんな曲が飛び出すか、渡辺香津美のジャズトリオ (c)Yosuke Komatsu (ODD JOB)

秋以降は、海外のスーパー奏者も続々上陸。難曲を楽々と吹きこなすフルート奏者のエマニュエル・パユ(9月28日)、パッションと色彩感あふれる音色で魅了するハープの貴公子グザヴィエ・ドゥ・メストレ(10月5日)、そしてロッカー風のコスチュームと圧巻のパフォーマンスで世界を席巻中のヴァイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロヴィチが、昨秋公演の完売人気で再登場(2020年3月7日)といった具合。
至近距離の演奏で、メストレの華麗なハープに陶酔しそう (c)Gregor Hohenberg Sony Classical
至近距離の演奏で、メストレの華麗なハープに陶酔しそう (c)Gregor Hohenberg Sony Classical

嶋田拓生館長が「弦楽器、管楽器、ピアノ、声楽など、ホールの豊かな響きを生かせるコンサートを、ジャンルのバランスをとりながら企画しました。皆さん国内外の一流アーティストです」と話すとおり、バラエティー豊かな充実のラインナップだ。
変幻自在のパフォーマンス、弦楽合奏団との演奏も楽しみなネマニャ (c)Charlotte Abramow, DG
変幻自在のパフォーマンス、弦楽合奏団との演奏も楽しみなネマニャ (c)Charlotte Abramow, DG

他に、ポンキッキーズの歌のお姉さんらによる、こどもの日コンサート(5月5日)や、未就学児と一緒に聴ける親子向けのコンサート(9月14日)なども開催される。

「平日の昼下がりにクラシックの若手アーティストの初々しい演奏が千円で楽しめる『音Marche(おとマルシェ)』をはじめ、親子で気軽に聴けるワンコインコンサートや体験型ワークショップなどキッズやファミリー向けイベントも複数ご用意しています。気軽にホールにお越しください」と嶋田館長。

最寄りの新浦安駅周辺には手頃な飲食店やカフェなども充実しているので、遠方からの来館者も安心。新たな「お出かけ&カルチャースポット」として、ますます人気が出そうだ。

取材・文 原納暢子

当記事はSPICEの提供記事です。

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