嫌われず、愛される中年男性になるには?

日刊SPA!

2019/4/16 08:51

◆時代に取り残された男たちが進むべき道とは

ポリティカル・コレクトネス(政治・社会的に公正な表現)が叫ばれ、パワハラやセクハラへの関心が高まる昨今、嫌われれば、そのリスクは大きい。だが、残念ながら、年齢を重ねて中年になるほど嫌われる言動をしてしまうもの。期せずして嫌われてしまう中年男性たちは、どうすれば愛されるのか? 評論家で愛されたいオジサン代表の常見陽平氏と、作家で愛されオジサンアドバイザーの鈴木涼美氏が、「愛されオッサン論」を語り尽くす!

◆<女性500人に聞いた! 中年男性の嫌われポイント>

※20~39歳の女性500人を対象にしたアンケートと街頭取材を敢行。各言動に“なし”と答えた女性の割合

・仕事における嫌われポイント1位……仕事のやり取りをする上でLINEなどSNSのIDを聞く 64.6%

・容姿における嫌われポイント1位……全身脱毛をしていてヒゲなどがまったくない 45.2%

・日常における嫌われポイント1位……BBQやホームパーティなどイベントに誘ってくる 62.6%

・恋愛における嫌われポイント1位……「彼氏いるの?」と聞いてきて、恋愛相談したがる 75.6%

◆<緊急討論>愛される男子になるには?

常見:アンケートの結果を見させていただくと、予想したよりは寛容なんですよね。もっと手厳しい結果かと思った。

鈴木:最近の潮流を見ていると、権力者としての力があることを前提に語られる傾向がありますよね。でも、実際にオジサンはそんなに強くない。その点はかわいそうだなあと思います。

常見:そうそう、僕なんて家ではペットの召し使い猫「バニラちゃん」という設定で完全に尻に敷かれていますからね。娘にも毎日「嫌いにならないでね」って言ってる(笑)。買い出しも料理もゴミ捨ても全部僕がやるし、叱られたらすぐに謝罪。「男じゃオラ!」みたいな振る舞いは一切しませんよ。

鈴木:バニラちゃん(苦笑)。でも、そういう生き方は時代にはマッチしてますよね。嫌われない生き方と言いますか。

常見:僕の7、8歳上がバブル世代で、少し上から下が氷河期世代。ちょうど僕は端境期の世代なんですよ。だから、バブル世代ほど派手好きじゃないけどユニクロだけじゃ幸せになれない、みたいな微妙な痛さがあるのかも(笑)。

鈴木:バブル世代は……。最近はもう国賊みたいな嫌われぶりじゃないですか。私が20代のときに相手にしていたのがバブル世代のオッサンで、とにかく品がなくてダンヒルのライターを持ってるみたいな(笑)。そういう人たちはどうしても「時代」に嫌われてしまう。

常見:だからといって若者に媚びるのも痛いから難しい。

鈴木:時代の空気を感じ取って対応していけばいいんですよ。それが若者に媚びたり、過度に嫌われたくないと思い始めたりするとおかしくなる。変にオシャレするのは最悪です。若い女のコに「オシャレですね」と言われたらダサいってこと。「このオッサンはオシャレって思われたいんだな」という気持ちで言ってるんですから(笑)。

常見:そうなんだ。怖いなあ(笑)。僕は都市伝説だと思っていたんだけど、飲みの席とかで「オレは〇〇物産だぞ」「東大出てるんだ」みたいなことを言う男の人ってホントにいるんですよね。大学とか会社とかで価値が規定されている人が意外と多い。

鈴木:すごいわかります。たとえば中高生の頃にモテなくて、それが悔しくていい大学出て、大手企業に入って出世した……。なのに、キャバクラとかで「カネ目当ての女は嫌だ」「会社じゃなくてオレの本質を見てほしい」みたいなことを言っていたりするんですよ。

いやいや、お前にほかに何があるんだよって(笑)。若い頃にいい思いをさせてくれなかった女への復讐みたいな面もあるんでしょう。会社では部下の女のコに必要以上に厳しく当たって、キャバクラではモテたがって。そりゃ嫌われますよ。

常見:ははは。まあやっぱり大学とか会社という“ラベル”しかない人は弱いんですよ。上の世代のはそういう価値観で生きてきたからどうしてもそうなっちゃうし、若い人でもラベルに依存している人はいるんじゃないかなあ。世代関係なく、そういう人は嫌われますよね。

◆職場以外の居場所が愛されオッサンを育む

鈴木:私の新聞社時代の上司ってだいたい40代くらいで、音楽オジサンが多かったんですよ。彼らは若い頃から音楽にハマって充実していたから、「人生うまくいかない」みたいな鬱憤がない。今も趣味を持っているから、会社の評価が命じゃなくて、余裕があるんです。そういう人は意外と嫌われない。同じブチギレ系上司でも、ぜんぜん印象が変わってくる。

常見:リアルにせよネットにせよいくつかのコミュニティがある人は強いですよね。人生の豊かさっていうのはコミュニティ、居場所の数なんじゃないかという気がしていて。もっと言えば多様性。多様な価値観を理解しようとすれば、嫌われるようなことはそうそうしないと思います。

鈴木:女性と比べると男性はそこが弱いですよね。シングルマインドの人が多いというか、会社の評価を失うと人生終わりみたいな必死さが出てしまう。会社ではそこまで評価が高くなくても、別のコミュニティで評価されていたら、ほどほどに自信が持てて、全体の底上げにつながりますよ。

常見:自信がないオッサンは痛々しいからねえ……。結局のところ、オッサンはいろんなコンプレックスとプライドが入り交じった存在なんです。で、自分に自信がなくて余裕がないから、本人の安全の保証のためにパワハラに走る。それでいて、嫌われたくないとは思っているから。

鈴木:女性が嫌うポイントを見ても、すぐに都合の悪いことからは自分を外して、いいことだけ自分は当てはまると喜んだり。見た目でもそうですよね。清潔感があることは誰も嫌じゃないのに、そこを疎かにして「あるがままのオレ」を見せたがる。美容に気を使う男性に対して「男のくせに」って言ってみたり。

◆時代に嫌われてしまったオジサンはかわいそうですよ

常見:僕はね、やっぱりもっといい加減に生きたらいいと思うんです。嫌われるとか会社の評価とかなんて、長い目で見たらどうでもいい。中空飛行が一番の成功(笑)。

鈴木:違う道があると思ったら、もっと気持ちも楽になる。それがない時代を生きてきて、今さら「時代に合わない」と否定されてかわいそうだなあという気持ちもあるんですよ。気がついたら私もさほど若くない。だから最後にフォローしておきます(笑)。

高すぎず、低すぎず、ルートにこだわりすぎず、飛ぶ。それが愛されるオッサンへの航路だ。

【鈴木涼美氏】

’83年生まれ。慶應義塾大学在学中にAVデビュー。東京大学大学院修士課程修了後、日本経済新聞社に5年半勤務し、独立。主な著書に『おじさんメモリアル』(扶桑社)、『オンナの値段』(講談社)などがある。女子SPA!で半自伝的小説『箱入り娘の憂鬱』を連載中

【常見陽平氏】

’74年生まれ。一橋大学を卒業後、リクルートやバンダイを経て独立。現在は千葉商科大学国際教養学部専任講師。働き方評論家としてさまざまな媒体に寄稿。著書に『社畜上等!会社で楽しく生きるには』(晶文社)など

― [嫌われる男子]の特徴 ―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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