『なつぞら』松嶋菜々子に批判の声 リアリティと「画面」の困難なバランス

wezzy

2019/4/11 06:05


 広瀬すずがヒロインを演じるNHK連続テレビ小説『なつぞら』。4月1日~6日に放送された第1週の平均視聴率は22.1%、いずれの回も20%越え(すべてビデオリサーチ、関東地区調べ)の好スタートを切った。一方でネット上では、登場する広瀬すずや松嶋菜々子の身なりへの違和感が噴出している。

『なつぞら』の舞台は戦後の北海道・十勝。広瀬すず演じるヒロイン・奥原なつは東京育ちの戦災孤児で、十勝の酪農一家・柴田家に引き取られる。松嶋菜々子が演じているのは柴田家の母・富士子で、なつにとっては親代わりにあたる人物だ。

その富士子に対し、視聴者から「戦後の日本とは思えない化粧」「野良仕事しているのに肌が白すぎる」「時代感ない」「時代考証に合わせるなら もう少し色黒で野暮ったい感じに作ってほしかった」「酪農一家とは思えない」などの批判的意見が出ている。

『なつぞら』のオンエアを確認すると、確かに松嶋菜々子の肌は透明感があり、厚化粧ではないが美しい。服装も、クリーム色や黄色や花柄のブラウスを着ていることが多く、派手でなくとも明るい印象を与える。少なくとも野暮ったさや田舎臭さは感じさせない。

松嶋菜々子は2005年に実写版ドラマ『火垂るの墓』(日本テレビ系)で、空襲で母を失った清太と節子兄妹を冷遇するおばさんを演じているのだが、当時も「戦時中の庶民なのに美しすぎる」と否定的な視聴者の声が少なからずあった。

『なつぞら』では、ヒロイン役の広瀬すずに対しても、同様の批判がある。第1週では子役の栗野咲莉が9歳のなつを演じており、第1回を除けば広瀬すずの出番はほとんどなかったのだが、それでも広瀬すずの髪がやや茶色だったことに対して「昭和なのに茶髪なのはおかしい」との非難が出ていた。もっと言えば、なつを引き取ることを決めた柴田家の父で婿養子の剛男を演じる藤木直人や、柴田家の子どもたちに対しても「開拓民なのに都会的」「生活感がない」「歯が白すぎる」と違和感を唱える声がある。

しかし、ではリアリティを追求した容貌にすれば批判が起きないのかといえば、そういうわけでもないようだ。

たとえば、2012年のNHK大河ドラマ『平清盛』では、当時の時代をリアルに再現し、登場人物は薄汚れた衣服で顔も埃まみれという演出がなされたが、ドラマの舞台である兵庫県の井戸敏三知事は会見で「画面が汚いですね」と酷評し、物議をかもした。

2014年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』も、吉高由里子演じるヒロインは明治時代の貧しい小作人の家庭で生まれ育った設定だったのだが、室井滋が演じた母親役を含め、その描写には「貧しさを強調しすぎて汚すぎる」という批判があった。

リアリティと画的な美しさのさじ加減は、ことほどかように難しい。朝ドラも大河も、ドキュメンタリーではなく、あくまでもドラマだ。時代モノだからといって、必ずしも当時を忠実に再現しなくてもいいのではないだろうか。

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