テレビゲームにとって平成時代とは何だったのか? 平成ゲームシーン回顧録<最終回>

日刊SPA!

2019/3/31 08:29

◆ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

これまで第1弾、第2弾、第3弾と3回にわたって平成元年から平成22年までのゲームシーンを振り返ってきました。今回はついに平成23年から平成30年まで。スマホアプリの台頭、PS4発売、任天堂の復活劇……。中身の濃かった平成ゲーム時代も終わりを告げようとしています。

◆平成23年(2011年)

平成23年は東日本大震災の年。日本中が不安に包まれるなか、サッカーのなでしこジャパンが女子W杯で優勝し、勇気を与えてくれました。12月には「モバゲー」のDeNAによる「横浜DeNAベイスターズ」が誕生しています。

この年は、2月に「ニンテンドー3DS」、11月に「プレイステーション・ヴィータ(PS Vita)」と携帯機対決に! 3DSは上画面に裸眼立体視の機能がついているのが目玉。PS Vitaは、有機ELディスプレイ、ゲーム機初の3G回線対応など、ハイスペックに進化。任天堂はギミック寄り、ソニーは高性能化とゲーム機に対するスタンスが一層明確になりました。

そのほかの注目のヒットゲーム

・マリオカート7(3DS)

・ダークソウル(PS3)

・おさわり探偵 なめこ栽培キット(iOS、Android)

◆平成24年(2012年)

平成24年は、年末の衆議院選挙で自民党が大勝し、第2次安倍政権が発足した年。iPS細胞の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞。5月に東京スカイツリーも開業しています。流行語はスギちゃんの「ワイルドだろぉ」。

この年の11月、任天堂が「Wii U」を発売。液晶ディスプレイ搭載のコントローラ「Wii U GamePad」が新鮮でしたが、外に持ち運べない仕様で期待を裏切る格好となりました。世界累計1356万台と売上は伸びず、任天堂の低迷が始まります。スマホアプリ『パズル&ドラゴンズ』が配信開始。いよいよスマホアプリ時代が到来します。8月にWiiで『ドラゴンクエストX』がシリーズ初のオンラインRPGとしてリリース。『ドラクエ』オンラインRPG論争が巻き起こりました。

そのほかの注目のヒットゲーム

・GRAVITY DAZE(PS Vita)

・拡散性ミリオンアーサー(iOS、Android)

◆平成25年(2013年)

平成25年は、2020年のオリンピック開催都市が東京に決定し、「お・も・て・な・し」が流行。林修先生の「今でしょ!」も東進ハイスクールのCMから火が点きました。朝ドラは宮藤官九郎さん脚本の『あまちゃん』が大ヒット。

『パズドラ』が2000万DLを突破し、スマホが“新たなゲーム機”として台頭。4月には『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』が配信され、「育成+音ゲー」が人気ジャンルに。のちに覇権を握るスマホアプリ『モンスターストライク』が始まったのもこの年。7月には3DSで『妖怪ウォッチ』がリリース。翌年のアニメ放送も後押しとなり、「妖怪メダル」が品切れ状態となりました。

そのほかの注目のヒットゲーム

・艦隊これくしょん(ブラウザゲーム)

・チェインクロニクル(iOS、Android)

・モンスターハンター4(3DS)

・グランド・セフト・オートV(PS3、Xbox 360)

◆平成26年(2014年)

平成26年は、消費税が5%から8%に増税され、増税前の駆け込み需要で薄型テレビが売れた年。STAP細胞に関する騒動が持ち上がり、報道合戦が過熱しました。『笑っていいとも!』が3月に最終回を迎えています。

「プレイステーション4」が2月に日本でも販売開始(欧米では前年に発売)。世界的に人気を獲得しつつあったゲーム実況をターゲットにした「シェア」機能が話題となりました。マイクロソフトの「Xbox One」も日本ではこの年発売。絶好調のスマホアプリは、『LINEディズニー ツムツム』『グランブルーファンタジー』『白猫プロジェクト』など今でも支持されるタイトルが続々配信開始。スマホゲーム市場の規模は7000億円を超え、4000億円を切った家庭用ゲーム市場と完全に逆転しました。

そのほかの注目のヒットゲーム

・妖怪ウォッチ2(3DS)

・ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト(iOS、Android)

・ねこあつめ(iOS、Android)

◆平成27年(2015年)

平成27年は、中国人観光客による「爆買い」が注目を集めた年。東京五輪のエンブレムデザイン盗用疑惑が浮上し、白紙撤回されました。ピースの又吉直樹さんが『火花』で芥川賞を受賞しています。

任天堂がDeNAと提携しスマホゲームをリリースするという発表が3月に行われ、その直後の7月に岩田聡社長の訃報があるなど、任天堂ファンに動揺が走りました。不振にあえぐWiiUでしたが、アクションシューティングをポップにアレンジした『スプラトゥーン』がスマッシュヒット。『スーパーマリオメーカー』もゲーム実況勢に受け、次世代への種はまかれていました。また、『マインクラフト』ブームもこの時期。年末には『ラブライブ!』のμ’sが紅白出場を果たしています。

そのほかの注目のヒットゲーム

・モンスターハンタークロス(3DS)

・刀剣乱舞(ブラウザゲーム)

・アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(iOS、Android)

・Fate/Grand Order(iOS、Android)

◆平成28年(2016年)

平成28年はリオ五輪の年。閉会式で安倍首相がマリオのコスプレで土管から現れました。11月に米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選。日本では「ゲス不倫」を皮切りに「文春砲」が炸裂。年末にはSMAPが解散しています。

東京ゲームショウで行列を作るなど長らく話題だった「PlayStation VR」がついに登場。一方、任天堂は「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を投入。ゲームの未来と過去が交錯する年でした。スマホでは『ポケモンGO』の配信が始まり、世界的なブームに。日本でもヒトカゲやミニリュウを求めて公園に人が押し寄せるなど社会現象化しました。12月にはiOSで『スーパーマリオラン』が配信。

そのほかの注目のヒットゲーム

・ポケットモンスター サン・ムーン(3DS)

・クラッシュ ロワイヤル(iOS、Android)

・シャドウバース(iOS、Android、PC)

◆平成29年(2017年)

平成29年は、前年に史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太四段(当時)が、デビュー以来29連勝で歴代最多連勝記録を更新。流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」。1月から始まったアニメ『けものフレンズ』がまさかのヒットに。

ゲームでは、任天堂が3月に「Nintendo Switch」を発売。据置機にも携帯機にもなるハイブリッドなゲーム機で、事前の予測に反して品薄状態が続きました。「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は発売から3か月で世界400万台の大ヒット。ソフトではPS4と3DS向けに『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』が発売され、全世界出荷400万本以上を記録しています。

そのほかの注目のヒットゲーム

・スプラトゥーン2(Nintendo Switch)

・アズールレーン(iOS、Android)

・どうぶつの森 ポケットキャンプ(iOS、Android)

◆平成30年(2018年)

平成30年は、平昌五輪で活躍した女子カーリング日本代表の掛け声「そだねー」が流行語となりました。フィギュアの羽生結弦選手の金メダルも印象的でした。大谷翔平選手や大坂なおみ選手などスポーツ界での活躍が目立った年。菊川怜さんがお尻でルーペを踏んだのもこの頃です。

ゲームでは、レトロハードのミニ化復刻ブームが波及し「ネオジオ ミニ」「プレイステーション クラシック」が発売。セガから「メガドライブ ミニ(仮称)」も発表されています。すでに世界規模で盛り上がっていたeスポーツですが、日本でも「eスポーツ元年」の掛け声が高まるように。『PUBG』や『荒野行動』『フォートナイト』などバトルロイヤルゲームが一気に流行。その影でスマホゲームのバブルが弾けたとの声も囁かれ、短期間でサービス終了になるタイトルが増えてきました。

そのほかの注目のヒットゲーム

・モンスターハンター:ワールド(PS4、PC)

・大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(Nintendo Switch)

・Marvel’s Spider-Man(PS4)

駆け足で30年を振り返ってきました。平成2年にスーパーファミコンが発売され、ファミコンから着々と進化を遂げたテレビゲーム。今や文化としても産業としても、“ゲーム”は世界に深く根付いています。平成はテレビゲームにとって、大いなる躍進の時代だったと言えそうです。

【卯月鮎】

ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイト「ディファレンス エンジン」

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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