佳子内親王「姉の一個人の希望がかなって」に批判殺到! でもおかしいのは眞子内親王・小室さん結婚潰しの世論のほうだ

リテラ

2019/3/27 06:58


 秋篠宮眞子内親王と小室圭氏との婚約問題に、妹の佳子内親王が踏み込んだ発言をし、話題を呼んでいる。佳子内親王はICU(国際基督教大学)卒業にあたって22日、宮内記者会の質問に対して文書コメントを発表したのだが、そのなかで、眞子内親王と小室氏についてこう述べたのだ。

「姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」

「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形に」。つまり、結婚は個人のもの、という近代社会においてごく当たり前の結婚観を表明したうえで、姉である眞子内親王を擁護した。

ところが、この佳子内親王の文書コメントの内容を報じた朝日新聞の記事が、Yahoo!のトピックスになっていたのだが、そのコメント欄に、こんな批判的投稿が相次いだのだ。

〈皇室のような立場のある方々なら、それなりの家柄や経済力のあるお家の方と縁組されるのは当たり前〉
〈真剣に姉の幸せと将来の皇室を想うのなら、破談させるべきでは...〉
〈お相手として全く相応しくないと多くの国民が思っており、大抵の場合その判断が間違っていなかった事を証明する結果になるのですが…〉
〈自由にしたいんなら、皇籍離脱してからすればよろし。皇族の自由のために、私たちは税金を支払っているわけではない〉

まさに“一億総小舅・一億総小姑”状態。しかもこれは、ネット民に限った話ではなく、この間の眞子内親王と小室氏の結婚問題に関する報道にも共通するものだ。

眞子内親王と小室氏の結婚問題をめぐっては、婚約内定発表直後から、母親の男性問題、母親の金銭問題など、真偽不明の様々なバッシング報道がなされてきた。2017年末に小室氏の母と元婚約者男性との“金銭トラブル”が報道され、昨年2月婚約延期が発表された。

昨年11月の誕生会見で秋篠宮が「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、私たちは婚約にあたる『納采の儀』というのを行うことはできません」「結婚したいという気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をするべき」とコメントしたあたりから、小室母子バッシングは再燃。

その秋篠宮の言葉を受ける形で、今年1月それまでこの問題について沈黙を通してきた小室氏が、母親の金銭トラブルについてはじめて、「解決済みと認識していたが、話し合いたい」という旨のコメントを公表。すると、それまでは小室氏がこのトラブルになんのリアクションもしていないと批判していたワイドショーだったが、案の定コメントを出したら出したで、小室氏への批判は収まるどころか、バッシングはさらに燃え上がった。

この間、週刊誌もワイドショーも小室氏の舌出し写真とか友人たちとの飲み会とか、数カ月ぶりに髪を切ったとかどうでもいいネタを連日報じ続け、真偽不明の小室氏および母親の人格攻撃を繰り広げている。その様は、さながら“結婚阻止キャンペーン”だ。

●竹田恒泰が「小室さんは皇室を“利用”した」とブーメラン攻撃

しかし、テレビでも多くの弁護士がコメントしているとおり、この「金銭トラブル」、男性サイドは「貸した」と言っているが、借用書が存在しておらず、婚約相手の子どもに支援したというだけで、裁判に訴えたとしても男性サイドには勝ち目はないだろうというのが、大方の見方だ。

ところが多くのワイドショーやコメンテーターたちは「法的には問題なくても道義的には……」などと言い、あれこれ文句をつけているのだ。しかも「お金がないのに学費の高い学校に行った」とか「お金がないのに皇族と結婚しようとしている」とか「分不相応」だとか、民主主義社会とは思えない、貧乏人差別と身分制肯定を全開にするような発言も少なくない。

なかでも皇族の減少と皇統維持への危機感もある右派論客たちは、眞子内親王の結婚阻止に血道をあげている。

たとえば“ネトウヨのアイドル”として知られる竹田恒泰氏は、極右月刊誌「WiLL」(ワック)2019年4月号に「小室さん、男らしく手をひきなさい」と題する文章を寄稿。そのなかで、小室氏をこうこき下ろした。

〈小室さんの一連の行動を見ていると、中身が伴っていないのに「肩書き」などの“アクセサリー”で自分を取り繕い、人から注目されることに優越感を覚える我欲むき出しの性格が透けて見えます。男として、最もタチが悪いタイプです。「国際弁護士」を目指しているのも、「海の王子さま」というかつての肩書きも、彼のそんな性格を象徴しているのではないかと、あえて邪推してしまいます。〉
〈もし、宮さまを“アクセサリー”のように見て近づいたとすれば、何と畏れ多いことか。
 何はともあれ、小室さんは「眞子さまの“フィアンセ”」という理由で留学の特別待遇を受けている。そう、小室さんは皇室を“利用”したのです。〉

おいおい、“明治天皇の玄孫”なる看板を使いまくっていたアンタがそれを言うのかと、開いた口が塞がらない。

しかし、週刊誌やテレビのコメンテーターも竹田恒泰氏と似たり寄ったり。その言い分は時代錯誤の言いがかりばかりなのである。

●皇室制度は皇族をこそ圧迫!「一個人として」発言は佳子内親王の叫びだ

だいたい、極悪犯罪のように喧々諤々と議論している金銭トラブルだが、これ、小室氏自身の問題ならまだしも、あくまで“母親の”金銭トラブルにすぎない。

意外なことにタカ派の木村太郎が、「親の問題で結婚延期なんて、海外じゃありえない」という旨の発言をしていたが、その通りだろう。実際、昨年イギリスでヘンリー王子と結婚したメーガン妃の兄は、暴力事件で逮捕歴があったが、それで結婚NGとはならなかった。

税金から支度金が払われると言う者もいるが、結婚しなくて皇室にとどまっていてもお金はかかっている。税がかかっているから、「支度金制度を見直せ」というならわかるが、「結婚の自由を制限せよ」というのは明らかにおかしい。

小室氏が皇室を利用しようとしている、とか、あんな男と結婚したら眞子内親王が不幸になるなどという批判も同様だ。もちろん、小室氏が竹田恒泰ばりの“皇族なりたいマン”だったり、小室氏との結婚が結局破綻する可能性もゼロではないだろう。しかし、ロクでもない人間と結婚する自由だって、破綻するかもしれなくても結婚する自由だって、結婚に失敗する自由だって、本来すべての個人にある。

皇族にそれが許されないのだとすれば、それこそが皇室制度そのものの欠陥なのだ。それどころか、皇族を特別扱いする以上、結婚によってその皇室制度を悪用しようという輩が近づいてくる可能性は常にある。いや、結婚相手だけでない。皇族に生まれた人間がひどい人間で、皇室制度を悪用する危険性だってある。世襲をベースにした皇室制度というのは、そういうリスクのある制度だ。

眞子内親王の結婚をめぐる問題は、現代民主主義社会で皇室制度を存続させていることの矛盾であり限界を露呈させており、天皇制がある限り今後も同様の問題は起き続けるだろう。

そして、この制度は、今の社会では、当の皇族をもっとも苦しめている。佳子内親王が今回、卒業に際する文書コメントのなかで「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」と、「一個人」を強調するかたちで自分の意見を表明したことは高く評価したいが、それは逆にこれだけ強い言葉を口にせざるをえないくらい、皇族が「個人の自由」を抑圧されているということのあらわれでもある。

“一億総小舅・一億総小姑”状態となって、結婚をつぶそうとする世論とマスコミ報道を前に、わたしたちは改めてこの前近代的制度の異常性を認識すべきだろう。
(編集部)

当記事はリテラの提供記事です。

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