貴乃花の元妻・河野景子の自伝で、離婚原因や洗脳騒動の真相は明かされた?

女子SPA!

2019/3/21 15:45



元貴乃花親方(46)と昨年離婚した元フジテレビアナウンサー河野景子(54)が今月、離婚後初のエッセイを発表しました。世間で“暴露本”ともささやかれたこの本には、どんな内容が綴られているのでしょう。話題の新刊を、男女・夫婦事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

◆暴行事件の真相や、離婚の原因は明らかになる?

貴乃花氏の元妻・河野景子さんが書いた『こころの真実 23年のすべて』を読んでみた。貴乃花氏の弟子が横綱だった日馬富士に暴力をふるわれた真相、その後の頑なともいえる当時親方の対応、そして今度は自分の弟子が付け人に暴行をふるった事件、さらに部屋を突然閉じた謎、離婚の原因……などなど知りたいことはたくさんあった。

何か真実を暴露しているのか、少なくとも相撲界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)さかげんとか花田家にまつわる親兄弟との不仲の不思議さとか、それらには触れているのかと思ったが、知りたいところにはまったく触れられていないのが真相であった。

彼女は著書の中で、貴乃花氏を絶賛し続ける。彼は常に相撲のことを考え続ける勝負師であった、と。現役アスリートなら誰もがそうに違いない。「鬼の形相」といわれた、あの一番。そう、小泉元首相が「痛みに耐えてよくがんばった」と褒め称えた2001年の五月場所については詳細に書かれているのだが、そのとき夫である横綱が何を言ったか、夫婦の間にどんなやりとりがあったのかの記述はない。だから貴乃花がどれほどの決意をもってあの優勝決定戦に挑んだのかがわかりづらい。

◆90年代の“洗脳”騒動を、妻の立場から語る

「封印してきたいくつかのこと」とタイトルのついた章では、これまで報じられてきたさまざまなことに反論している。貴乃花が整体師に洗脳されたと父親にまで言わしめた話を持ち出してはいるが「洗脳ではなく、身体を治してくれる方に対して礼をもって接していただけ」と断言している。礼をもって整体師に接していると親や兄と疎遠になるのだろうか。

あのころ確かに仲のよかった兄の相撲への態度を批判するようになり、父とも口をきかなくなったはずだ。洗脳でなければなぜ親兄弟と不仲になったのか。その疑問も解けない。そもそも彼女にとっての義父母や義兄についていっさいの記述がないのだ。そしてこの章では、メディアへの疑心暗鬼がこれでもかというくらい書き込まれている。

貴乃花は株など手を出したこともないのに株で大損したと書かれたとか、彼女が銀座でメディアを巻いたら翌日「銀座で豪遊」と書かれたとか。読む側としては、今となってはどうでもいいことのようにさえ思われる。

◆夫婦の修羅場や言い争いを乗り越えて

離婚の原因など、当事者だってわからないことがあるのだから、その真相を知りたいと思うのはよけいなお世話だ。ただ、彼女はこう書いている。

「以前から離婚することが二人の間で話題になるような感情的な言い争いや修羅場のようなことがありました」

これがただの夫婦ゲンカという範疇(はんちゅう)のことなのかどうかはわからない。どういうことが原因だったのかもわからない。「修羅場」という言葉まで使っているところを考えると、ただの夫婦ゲンカとも思いにくい。

ただ、この文章のすぐあとに、「乗り越えなければならない出来事が起こって、ふたりで乗り越えてきた」と書かれている。さらに文章はこう続く。

「私たちは、夫婦でありながら同志、戦友のような存在でもありましたし、彼は矢面に立って私をはじめ家族を守ってくれていたのです」

修羅場のような夫婦ゲンカをしながらも、乗り越えなければいけないことがいつも起こってふたりで乗り越えてきた。そこまではわかるのだが、結局、彼は矢面に立って家族を守ってくれていた……。この文章の意味がわからない。夫婦のことに関しては、こうやっていつの間にかはぐらかされているような感が拭(ぬぐ)えないのだ。隔靴掻痒(*)とはこのことか。

*隔靴掻痒(かっかそうよう):かゆいところに手が届かないように、物事の核心や急所に触れず、もどかしいこと。

◆円形脱毛症になった妻を支えた貴乃花

一方で、控えめながら真意を吐露(とろ)していると思われるところもあった。6年前に円形脱毛症になったことを何度か書いているのだが、これは明らかにストレスだろう。心も体も悲鳴を上げていると彼女自身、感じていたという。

ただ、ここでまた不思議な記述が出てくる。そんなとき、貴乃花が「河野景子として仕事をしてみたらどうか」と言ってくれたというのだ。

そこまでこまやかに妻の生き方まで考えてくれるような夫と、「修羅場のような」ケンカがあるのだろうか、と読者であるこちらは頭を抱えてしまう。

◆読者の知りたいことと、著者の伝えたい“真実”とは別だった

貴乃花は離婚後、「円満離婚ではないです」と言った。だが景子さんは著書の中でも「円満離婚」を強調する。その認識の違いが、結婚生活にも起こっていたのかもしれない。

個人的には、景子さんを非難するつもりはまったくない。結婚も離婚も個人の自由である。ただ、せっかく「言えないことがたくさんあったけど、自分の言葉で伝えたい」とオビにまで書かれているのだから、読者が期待することに少しは応えてくれてもよかったのにと思わないでもない。

相撲のことしか考えられない夫についてはよくわかる。だが、一般社会人から見て、あの日馬富士がらみの暴行騒動のときの親方の態度や行動は、首を傾げざるを得ないものがあった。協会の人たちが自分の部屋に来ているのをわかっていながら車を発進させてしまったこと、話し合いを拒否し続けたことなどなど。隠蔽(いんぺい)されると思ったのなら、公開での話し合いを要求するなどメディアを味方につける方法だってあっただろうに。彼がそうせずにただ黙していたのはなぜなのか、それを妻である景子さんはどう感じていたのか。

そして、せっかく興した部屋をなぜあれほどあっさり手放したのか。親子とも自認していたような弟子との関係をどう思っていたのか。知りたいことはわからないままだが、彼女は「第三の人生を自分らしく生きていきたい」と述べている。

結婚も離婚も、自分の意志でするものだ。新しい扉を開けば別の世界が見えてくる。結婚はめでたいが、離婚もまためでたいものなのかもしれない。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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