『いだてん~東京オリムピック噺』でピエール瀧容疑者の代役を演じる、三宅弘城とは?

wezzy

2019/3/20 15:05


 俳優でミュージシャンのピエール瀧容疑者(51)が、コカインを使用した麻薬取締法違反容疑で逮捕されたのは3月12日のこと。そこからの1週間、メディアはまさに“瀧容疑者一色状態”となった。本日も瀧容疑者がらみで新しい情報が発信された。新しい情報とは、瀧容疑者が出演していたNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』の足袋職人・黒坂辛作役の代役が決まったというニュースだ。

新たな黒坂役としてNHKから20日にも正式発表されるだろうと言われているその俳優の名は、三宅弘城(みやけひろき・51)。所属事務所は大人計画で、劇団ナイロン100℃のメンバーでもある。これまで『いだてん』で脚本を執筆している宮藤官九郎のドラマや舞台にも多く出演しており、いわゆるクドカンファミリーの一員だ。宮藤とは<グループ魂>というバンドでも活動中で、三宅は<石鹸>の名前で19997年からドラムを担当(これが非常に力強く、素晴らしい演奏なのだ)している。

宮藤とは盟友ともいうべき仲であり、その三宅が今回黒坂役の代役を引き受けたというのは筆者としてはなかなか胸アツな展開なのである。すでに瀧容疑者の演技で一定の評価があった黒坂幸作役を新たなイメージで作り上げなくてはならないこと。昨年6月にはもう撮影が始まりスタッフ・キャストの絆が固まっている中にひとり飛び込まなければならないこと。三宅に課せられた課題は多いが、筆者は彼ならきっと大丈夫だ、新しい黒坂を演じてくれるはずだと放送を観る前からすでに確信している。

なぜなら、この人は上手いのだ。とにかく芝居がべらぼうに上手い。それも大仰な芝居ではなく、非常に細かく、そして人の心を静かに揺さぶるような芝居ができる人なのである。三宅が出演した舞台を鑑賞して「あれ、いつのまにか頭の中に三宅さんが棲みついて離れてくれないわ」という状態になることが何度かあった。

たとえば2007年に三宅が太田川剛役で出演した舞台『宝塚BOYS』。男子禁制の宝塚の舞台に立つことを夢見て宝塚・男子部に集まった男たちの物語なのだが、筆者はこの舞台の三宅演じる太田川を観て切ないのと愛しいので人目をはばからず大号泣してしまった。終演後に鏡を見て我ながらぎょっとするぐらいに、目が腫れていたことを覚えている。もちろん脚本や演出、つまり物語自体が素晴らしかったことが言わずもがななのだが、とくに三宅の演技がいつまでも忘れられないほどに余韻あるものだったのだ。

と、やや熱く語ってしまったが、世の中にはまだ三宅弘城という名前と顔が一致しない方も多いだろう。彼の出演した作品の中でメジャーなものを少しあげてみたい。子育て中のお母さん世代ならNHKEテレの子ども番組『みいつけた!』の椅子の応援団長・みやけマン(自称40歳)、と言えばわかっていただけるかもしれない。そう、白い体操着を着て番組中にバク天など見事な技を披露するあの彼。あのみやけマンが、「いだてん」の足袋屋になるのだ。

三宅は高校時代に体操部であったため身体能力は抜群で、グループ魂でドラムを叩き続けていることもあり、筋骨隆々なのである。そのため、舞台でもその身体能力を生かした役柄を演じることが多い。

幅広い世代に「あー、あの人か!」と思ってもらえるのは、やはり2015年度下半期放送のNHK朝ドラ『あさが来た』の加野屋の中番頭・亀助役だろう。女中のふゆに恋をして、優しく見守り、ついに添い遂げることとなった亀助。三宅の亀助は好評で、後に亀助を主役にしたスピンオフドラマも制作されている。今回三宅が黒坂を演じることで「大抜擢!」というコメントがネット上では多いが、個人的にはその言葉には違和感がある。三宅はすでに充分なキャリアと実績を積んだ俳優なのだから。

代役といえば、三宅は過去にも代役で舞台を務めあげて話題を呼んだことがある。それは2010年に劇団☆新感線が上演した『鋼鉄番長』だ。主演の橋本じゅんが腰痛のため、途中降板、公演は一時中止となった。この時、橋本の代役を引き受けたのが三宅であり、三宅は短い稽古を経て主演として舞台に立った。三宅はそれまでにも新感線の舞台に出演していたため、まったく勝手がわからないということはなかっただろうが、なんといっても『鋼鉄番長』では主役の代役である。そのプレッシャーたるや、どれほどだったことか。しかも、舞台である。大勢の観客が目の前で観ている、生ものなのだ。

そんな状況で『鋼鉄番長』を無事にやり遂げた三宅だからして、なにかと注目度の高い『いだてん』での代役もきっと大丈夫。プレッシャーもあるだろうが、グループ魂の楽曲「石鹸のテーマ」(石鹸は三宅のバンドネーム)の中で、「体は20歳、頭は5歳」とイジられる三宅のことである。きっと今回も外野の声などどこ吹く風で飄々とした様子で乗り切ってくれることだろう。

(エリザベス松本)

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