KREVA、木村カエラ、斉藤和義、SCANDALら21組による“ロックのお祭り”に1万2千人が熱狂 『ビクターロック祭り2019』レポート

SPICE

2019/3/18 00:00


『ビクターロック祭り2019』が、3月16日(土)に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催され、21アーティストが出演。観客約12,000人が集まった。

『ビクターロック祭り』はレコード会社・ビクターが「ずっとロック、これからもロック」を合言葉に開催する“ロックのお祭り”。2014年に初開催され、今年で6回目を迎える。今回は、昨年に引き続いて2ステージ制での開催となった。会場には高さ5メートルに及ぶビクターのシンボル犬“ニッパー”の巨大オブジェも登場している。

昨年KICK THE CAN CREWとして出演し、今年で通算3回目の出演となるKREVAを筆頭に、木村カエラ、キュウソネコカミ、go!go!vanillas、斉藤和義、サンボマスター、THE BACK HORN、四星球、LOVE PSYCHEDELICO(Premium Acoustic Set) 、Awesome City Club、どうぶつビスケッツ×PPP、吉田凜音、DJやついいちろう(エレキコミック)らビクターを代表するアーティストにくわえ、SCANDAL、Nulbarich、Shiggy Jr.が初出演。オープニングアクトに「初代 お祭りハッピーにゃんこ」のむぎ(猫)、今年で5回目となるDJダイノジ、ビクターロック祭りへの出演をかけた「ワン!チャン!!」オーディションで昨年グランプリに輝きメジャーデビューを果たした琴音、超能力戦士ドリアン、今年度のグランプリzo-sun parkなど、21アーティストがステージを展開した。

会場内のサテライトスタジオでは、LINE LIVE特番がビクターエンタテインメントチャンネルで生配信された。番組には、出演アーティストが多数登場し、会場に駆けつけることができないファンにも、現場の熱気やインタビューを届けている。

BARK STAGE

むぎ(猫)

のむぎ(猫) 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
のむぎ(猫) 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

BARK STAGE、今年のオープニング・アクトを務めたのは、3月20日にアルバム『君に会いに』でメジャー・デビューするむぎ(猫)。ビクターのキャラクター、ニッパーくんを伴って登場。しかし「かわいいですね、でもむぎが主役ですからね、むぎより前に出ないでください」とニッパーくんを制したりしながら、過去1枚だけリリースしているアルバムのタイトル曲「天国かもしれない」と、ニュー・アルバムのタイトル曲「君に会いに」の2曲を披露した。

「むぎは、歌って踊って木琴を叩いてハアハア息切れする猫です」という自己紹介のとおり、歌いながらダンスしたり、間奏やイントロで見事な木琴の叩きっぷりを披露したり(初めて観た人たちが「おおっ!」と声を上げたほどだった)、ニッパーくんと手をつないでぐるぐる回ったり、と、朝イチから集まったオーディエンスを楽しませる。今日は「ビクターロック祭り2019オフィシャルサポーター『初代お祭りハッピーにゃんこ』」というミッションもあるそうで、このあとも会場内のあちこちに出没する、ニッパーパークで一緒に写真を撮ったりもできる、見かけたら声をかけてくださいね、とのことです。

Text by 兵庫慎司

go!go!vanillas

go!go!vanillas 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
go!go!vanillas 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

BARK STAGEのスターターを務めるのは初のメインステージ登場となるgo!go!vanillas。療養中の長谷川プリティ敬祐の代打としてこの日サポートベーシストを務めるマイケル(夜の本気ダンス)を含めた4人でステージに登場すると、1曲目「マジック」からアクセル全開のロックンロールをぶちかます。うん、絶好調。ビシッと決まったジェットセイヤ(Dr)のヘアスタイルとライダースジャケットのようにタイトなアンサンブルが、いつもよりちょっと早いかもしれないぐらいのテンポでカタマリとなってぶん投げられてくる。耳に向かって飛んでくるロックンロールのビーンボール。とても避けきれませんが、避けないでぶつかればめちゃくちゃ楽しいのです。裏打ちのハイハットが気持ちよくオーディエンスを踊らせた「バイリンガール」、そして「1、2、3、4」のカウントから突入する「エマ」とキラーチューンを立て続けに投下すれば、オーディエンスのジャンプでフロアが大きく揺れる。

途中、マッシュルームカットにスタンドカラーのスーツというビートルズ風の出で立ちが似合いまくっている栁沢進太郎(G)がビクターのアイコンにもなっている犬・ニッパーくんについてのやけに詳しい知識を開陳する一幕を挟みつつ、バニラズのロックンロール・トレインは進み続ける。アイリッシュなリズムがフルスピードで突っ走る「ヒンキーディンキーパーティークルー」でさらに燃料をぶっこみ、先程のニッパー雑学でコール&レスポンスを完遂すると、「カウンターアクション」でバンドのテンションは最高潮に。そして「平成最後の祭りをここにいる全員としてえんだ」「この時代は俺たちの時代だ、さあいこうぜ!」という牧達弥(Vo・G)の言葉からスタートした「平成ペイン」で本当にあっという間にバニラズのショウは終わりを告げた。お祭りの始まりにぴったりの気付け薬。ロックンロールの効能を思う存分味わった。

Text by小川智宏

キュウソネコカミ

キュウソネコカミ 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
キュウソネコカミ 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

SEのFEVER 333「BURN IT」が大音量で響く中、登場したキュウソネコカミ、「推しのいる生活」でスタート。後半でセイヤ、「推しは推せる時に推しとけー!」と絶叫。SEに負けず劣らず、バンドの音もいつもよりでかい気がする。2曲目、プロのバンドマンの心情をあけすけに叩きつける「The band」では、セイヤ、「CDとかめんどくさくなってきてるけど、CDが売れた方が俺たちは儲かるぜー!」と、本当にそのまんまなことを口にする。そして「まるで俺たちの曲のようにやりまくっているあの曲!」と「KMTR645」(レキシ)に突入、その次は間髪入れず「米米米米」──と、ステージの上も下もどんどんテンションが上がっていく。

MCでは、何かしゃべりがぎこちないセイヤに、シンノスケが「おまえ大舞台でのMCのしかた忘れたんか!」とつっこむ一幕も(現在ライブハウス・ツアー中なので、ということのようです)。「靴底をきれいに磨いて、みなさんの頭の上に降臨していきたいと思います!」という宣言から突入した「DQNなりたい、40代で死にたい」では、セイヤ、PAの手前まで到達する。

「ビクターロック祭りならではのことをなんかやりたいと思ってさあ。ゲストを呼んでるんですよ。うちの事務所の後輩!」とシンノスケがむぎ(猫)を呼び込み、「俺たちは猫に噛みつくと言っておきながら、猫を踊らすこともできるんですよ!」(セイヤ)と、インスト・チューン「ネコ踊る」へ。まさにそのとおり、むぎ(猫)、ステージを左へ右へと移動しながら踊りまくる。ラストは「ビビった」で、今日何度目かのピークを迎えて終了。本当に一瞬のような全7曲だった。

Text by兵庫慎司

木村カエラ

木村カエラ 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
木村カエラ 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

今年、デビュー15周年を迎える木村カエラが、BARK STAGEに登場。バンドメンバーたちが準備を進める中、ステージの中央へとゆっくり歩いて向かった彼女を、待ちわびていた観客の明るい歓声が出迎えた。そして1曲目に披露されたのは、「Whatever are you looking for?」(2004年にリリースされたデビューシングルの収録曲)。瑞々しい歌声が、何とも言えず心地よい。彼女の音楽活動の幕開けを飾った曲のひとつを、こうして聴かせてくれたのが嬉しかった。耳を傾けていたファン各々の胸の内に大切な思い出がよみがえったのではないだろうか。

続いて「COLOR」(昨年の11月にリリースされたミニアルバム『?WHO?』に収録されている。連続ドラマ『プリティが多すぎる』主題歌)、「Samantha」(2007年)が披露された後に迎えたインターバル。「どうも、木村カエラです! 今年はデビュー15周年。もう15年も経ってしまって、どうしたものか(笑)。続けてこられたのは、聴いてくれる人がいて、自分ががんばって、支えてくれる人たちがいたから。今日は、かわいい曲たちをいろいろ歌ってみたいなと思っています。さっき歌った「Samantha」のサマンサってわかります? 『奥さまは魔女』にハマってる時に作って。ぜひ観てみてくださいね。6月には15周年のお祝いが日比谷野音であるので、遊びに来てください。じゃあ、15周年ということで、この歌を。知ってる人は一緒に歌ってください」――MCを経て届けられたのは「Butterfly」(2009年)。大合唱しながら掲げた腕を穏やかに揺らしていた観客は、心底幸せそうだった。

「ここからあっと言う間に上がっていこうと思います! あっと言う間に盛り上げますんで、ついてきてくれますか?」と観客に呼びかけて突入した後半戦は、パワフルなナンバーの連続だった。力強いビートにのりながら歌っていたカエラが、とても楽しそうであった「TODAY IS A NEW DAY」(2014年)。煌びやかなダンスビートに刺激された人々が、勢いよくバンザイをしながら開放的に踊っていた「BANZAI」(2009年)。そして、「あなたの笑顔が見たいという曲です。ジャンプして楽しみましょう!」という言葉を添えたラストの曲は「Magic Music」(2006年)。様々な時期の曲の魅力を改めて噛み締めさせられたと同時に、今後の彼女の活動への期待も大いに高まるライブであった。

Text by 田中大

Nulbarich

Nulbarich 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
Nulbarich 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

ニュー・アルバム『Blank Envelope』を2月6日にリリース、3月31日からそのツアーが始まるNulbarich。『Blank Envelope』からは「VOICE」と「Kiss You Back」の2曲、それ以前の代表曲が5曲、というセットリストだった。

サウンドチェックの段階から「音いいなあ」とつくづく感心しながら聴いていたが、本編の1曲目「It's Who We Are」が始まるとその感心が鳥肌に変わって全身を覆うような感覚に陥る。1曲終わるたびに周囲から「かっこいいねー」「すごいいいねー」と、初めて観るらしき人たちの感嘆の声がきこえる。よくわかります、何度か観ていてもこうして鳥肌立っているわけなので。

「よかったら一緒に歌ってください」とJQが呼びかけた「On and On」では、オーディエンス、「On and On!」コールで応える。そして続く「Kiss You Back」では、サビですさまじい多幸感がステージから降ってきて、フロアを覆い尽くす。すごい。耳の贅沢。曲終わりの拍手と歓声、それまでよりもいっそう大きくなった。

「じゃあ、踊る感じのやつを」という言葉で始まった5曲目「Zero Gravity」からダンス・チューンが並ぶ構成だったが、フロア前方はわからないけど、真ん中から後ろの人たちは、身体を少し揺らし、ただただうっとりと聴き惚れていた、放たれる音像の美しさに。なお、ラストの「Almost There」で、もう一回すごい多幸感が降ってきた。最後にJQ、「やりきったわ。へへっ」と笑ってから、ステージを下りた

Text by 兵庫慎司

SCANDAL

SCANDAL 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
SCANDAL 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

ここでBARK STAGEにSCANDALが登場。SCANDALは今年1月、ビクターエンタテインメントのColourful Records内にプライベートレーベル「her」を設立。「ビクターロック祭り」への出演は今回が初である。

HARUNA(Vocal & Guitar)の鋭いカッティングを機に「プラットホームシンドローム」でスタート。4ピースサウンドはキリッと締まっていて、続く「テイクミーアウト」では、連打するRINA(Drums & Vocal)を筆頭にバンドのボルテージが急上昇する場面もあった。演奏には4人の漲る気合いが表れていたが、その理由はMCでHARUNAが語った通り。本日はSCANDALにとって2019年初のライブであり、「せっかくビクターに仲間入りしたんだから、初ライブは『ビクターロック祭り』と決めていました」とのことだ。

後半に突入しても、勢いは収まるどころか加速する一方。「LOVE SURVIVE」のありあまる爆発力には驚かされたし、HARUNAがイヤモニを外し、観客の歌声を確認したあとにとびきりの笑顔を見せていたのも印象的だった。

ラストに演奏されたのは3月27日に「her」から第一弾シングルとしてリリースされる「マスターピース」だった。HARUNAによって「私たちの新たな始まりの歌です」と紹介されたこの曲を演奏する時、ツインテールを揺らしながらピョンピョン跳ねるMAMI(Guitar & Vocal)も、その場でくるくる回ったりしているTOMOMI(Bass & Vocal)も、笑顔で歌詞を口ずさむ姿がスクリーンに抜かれていたRINAも、バンドで音を鳴らすことを心から楽しんでいるのがよく分かる。重厚だがフレッシュな音を鳴らすSCANDALは、今、キラキラと輝いている。とても魅力的なバンドに育ったのだなあと、何だかグッときてしまった。

Text by蜂須賀ちなみ

斉藤和義

斉藤和義 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
斉藤和義 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

ピンスポットが当たるステージにアコースティック・ギターを提げて登場した斉藤和義。今日は弾き語りでのパフォーマンスだ。「イェーイ」とつぶやくと、「ちょっと声出ししてもいいでしょうか?」と、大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』にあやかってフレディ・マーキュリーよろしく「エーオ!」のコール&レスポンスをやってみせる。フロアもそれに応えて大声を張り上げて大盛り上がりだ。というかせっちゃん、「エーロ!」って発音している。たぶん、いや絶対わざと。そしてギターをかき鳴らして歌い始めたのは「やさしくなりたい」。個人的にこういう「大舞台でたったひとりギターを弾いて歌う」というライヴが大好きなのだが、それはもう丸裸といっていいくらいにそのアーティストの本質が顕わになるからだ。この人の場合はアコギと歌だけで思いっきりロックンロールが鳴ってしまう。レオパード柄のシャツが似合っているぜ。

と思っていたら2曲目に歌われたのは《思い出してごらんよ あの日のロックンロール》という歌詞が出てくる「Are you ready?」。渋い選曲。でも最高だ。目をつむってミュートさせたコードをかき鳴らす斉藤和義に熱視線が注がれる。「なんか、ひとりは寂しいです。盛り上げてね」という言葉に拍手が起き、「ずっと好きだった」へ。ギターソロを弾いて「幕張!」と叫ぶ。続いてドラマ主題歌としてリリースされた新曲「アレ」を披露。音源ではリズムマシンを駆使したちょっとレトロなビートが印象的なこの曲だが、こうしてギター1本になると、緊張感のあるコードに乗せて放たれる切れ味の鋭い言葉の数々によって曲のテーマがぐっと強調される感じがある。

ここでがらっと雰囲気を変えて、楽しげな手拍子の中で歌われたのは「歩いて帰ろう」。さらに美しいアルペジオから「歌うたいのバラッド」へとつなげていく。BARK STAGEに集まった多くの人が固唾を呑んでその歌に耳を傾けているのが伝わってくる。歌い終えた斉藤に降り注ぐ万雷の拍手。そこにとぼけた声で「ありがとねぇ」と返すのが彼らしい。そして4月からの弾き語りツアーを告知したあと、ラストはこれまた名曲「空に星が綺麗」をシンプルに。「ありがとう、またね?」。小さくピースサインをして帰っていきました。

Text by小川智宏

サンボマスター

サンボマスター 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
サンボマスター 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

BARK STAGEでは残すはトリのKREVAのみ、というタイミングでサンボマスターのライブがスタ-ト。山口隆(唄とギター)、近藤洋一(ベースとコーラス)、木内泰史(ドラムスとコーラス)が入場すると、山口が早速「おめえら準備いいのか、この野郎!」とオーディエンスへ投げかける。それに応えるようにフロアからたくさんの腕が上がっていった。そうして始まったのは「世界をかえさせておくれよ」。眩いばかりの光を背負って、メジャーコードが鳴り響いた。

「50だろうが80だろうが40だろうが中2だろうが、おめえは今から青春真っ只中!」と鳴らされた「青春狂騒曲」でも、「全員優勝」コールを巻き起こした「ミラクルをキミとおこしたいんです」でも、ライブを観に来た全員のことを四の五の言わずに肯定する。昨年同じステージで彼らを観た時にも思ったが、サンボマスターのライブはいい意味で変わらず、灯台のように私たちを照らしていてくれる。ここが小さなライブハウスだろうとも、ここが大きなフェスの会場だろうとも、今日も山口は「他の誰でもない、おめえとやりにきたんだよ!」と訴えかけるのだ。

ラストに演奏されたのは「輝きだして走ってく」。くだらない日常ではなく今このライブの中にある美しさこそが真実なのだと語り、そんな空間を作る観客へのリスペクトを絶やさないこのバンドだからこそ、唄うことのできる曲である。「また一緒に笑ってくれる人―?」と山口が投げかけると、フロア一面手のひらの海に。いつか挫けそうになる日が来たとしても、ここで結んだ約束の存在が私たちの心を支えてくれるだろう。

Text by蜂須賀ちなみ

KREVA

KREVA 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
KREVA 撮影=Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)

いよいよ今年のビクターロック祭りも最後のアクト。BARK STAGEのトリを務めるのは今年でソロデビューから15周年、現在「908-クレバの日」に向けて9か月連続リリースを展開中のKREVA! DJ/MPCの熊井吾郎+Key.の柿崎洋一郎、Gt.の近田潔人、Ba.の酒井太、Dr.の白根佳尚の5人編成が待つステージに華やかな白い燕尾服を着て登場すると、「パーティーはIZUKO?」でライヴをキックオフだ。《パーティーはIZUKO?》という問いかけにフロアから《ここだ!》とレスポンスが起きる。「これでラストなんで、最後楽しんでいきましょう! このマイクロフォンを通してああしろこうしろって言うんで付いてきてほしいんだけど、その前にこいつなら付いていこうと思うラップを2曲ばかり」と「基準 ~2019 Ver.~」へ。着けていたサングラスを外して、フロアに不敵な笑みを向けながらキレのあるラップを繰り出す。ハードなギターサウンドが曲の不穏で攻撃的なニュアンスを付け加えて、一気にここBARK STAGEのテンションが高まっていく。続けて「ストロングスタイル ~2019 Ver.~」。こちらもハード&ドライな仕上がりでスキルをこれでもかと見せつける。

「ここからは3曲はみなさんにも参加してもらいたいと思います」とKREVA。といいつつ「3月からロックフェスを楽しんでいる我々は、曲の中で成長できると思っています!」とあえて細かい注文はしないと宣言。「不可能を可能にしましょう!」と「ミッション・インポッシブルのテーマ」に合わせて銃を構えるポーズを決めると、レゲエのリズムが多幸感を演出する「OH YEAH」へ。コール&レスポンスもばっちり決まり、笑顔を見せる。続く「Have a nice day!」では掲げた一本指をゆっくり左右に振るアクションを、「イッサイガッサイ」ではハンドウェーヴと手拍子を。ここにいるひとりひとりが主役となって、幸せなステージが展開していく光景は感動的だ。

「祭りを楽しめるときは思いっきり楽しんだほうがいいと思うんですよ、後の祭りにならないように。そういうことでしょ?」と言うKREVA、そんなお祭りにとっておきの曲を持ってきてくれた。今から15年前の9月8日にリリースされたメジャーデビューシングル「音色」の2019年ヴァージョンだ。ドラマチックな歌とラップがますますメロウに艶めき、KREVAは美しいファルセットをも響かせてみせる。そして最後の曲「Na Na Na」へ。お客さんを巻き込んでの《Na Na Na》のコーラスがこの広い会場に広がってフィナーレを彩ってみせた。

鳴り止まない拍手に応えて再びステージに戻ってきたKREVA。いきなり「どの音楽サブスクリプションサービスを使っているか?」というアンケートをお客さんに取り始めて何かと思ったら、昨日3月15日にストリーミング配信がスタートした3曲のなかから1曲やるよという前振りだった。その1曲とは「アグレッシ部~2019 Ver.~」。どこか優しい感じも受けるバンドサウンドに乗るKREVAのラップが、このあと家路に着くひとりひとりの背中を押すように響いた。

Text by小川智宏

ROAR STAGE

琴音

琴音 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
琴音 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

いよいよ始まった「ビクターロック祭り2019」。ROAR STAGEで最初に音を鳴らしたのは、昨年「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~」でグランプリを獲得し、今月6日にメジャーデビューE.P.『明日へ』を発表したばかりの女子高生シンガーソングライター・琴音だ。本日は、ギター/ベース/キーボード/ドラムのバンド編成で登場。1曲目は「戯言~ひとりごと~」。弾むリズムが愛らしい、朝に似合う朗らかな曲だ。ROAR STAGEに行き渡るのびやかな歌声を聴いて、フロアには徐々に人が増えてくる。ここで琴音が「ビクターロック祭りに出させていただくのは2回目で、すごくたくさんの方にお会いできてとても嬉しく思っています」と挨拶。昨年は、緊張のあまりニッパーくんを見つめながら歌っていたそうだが、慎重に言葉を選びながら話す姿を見る限り、今年もどうやら緊張しているよう。しかし歌っている時の姿は非常に堂々としたもの。『明日へ』収録曲のなかで特に大事にしている曲だと紹介された「ここにいること」でのボーカルは特に素晴らしく、曲が進むにつれドラマティックになっていくバンドサウンドを、牽引していくほどの頼もしさがあったのだ。旋律の隅々にまで息を、命を吹き込んでいく彼女の歌は、素朴さと神聖さが共存しているような、独特の美しさがある。その美しさに囚われ、ステージをじっと見入るオーディエンスの姿も印象的だった。

Text by蜂須賀ちなみ

超能力戦士ドリアン

超能力戦士ドリアン 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
超能力戦士ドリアン 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

続いては琴音と同様、昨年「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~」でグランプリを獲得した、超能力戦士ドリアンが登場! 定刻になると「今から超能力戦士ドリアンのライブが始まるよ~!」と、ドラムセットの上に座るマスコットキャラクター・ピーチボーイが元気に挨拶。そのあとやっさん(ギターとボーカル)、けつぷり(ギターとコーラス)がステージに駆け込んできた。「いいですかー!?」→「興味あるー!」と恒例のコール&レスポンスを挟み、「恐竜博士は恐竜見たことないでしょ」から演奏がスタート。ここでおーちくん(ダンスとボーカル)が登場……と思いきや、ステージに出現したのは恐竜3体であり、そのうち、ティラノサウルスがセンターに陣取り唄い始める。何だ、この訳の分からない絵面は。そうやって戸惑う隙すら与えないハイテンションソングで盛り上げると、曲の後半でおーちくんがティラノサウルスの着ぐるみを脱ぎ、姿を現したのだった。

軽いMCを挟み、2曲目は「いきものがかりと同じ編成」。普通にカッコいいギターソロ(けつぷり)のほか、クラッカー(やっさん)、ドラム(同期)もソロを披露。そうしてサビに突入した頃にはみんながバンド名を連呼している、というある意味おそろしい設計の自己紹介ソングだ。持ち時間が10分しかないのに演奏を中断し、「これ、バリ売れてるみたいやん!」と写真撮影をする場面も。どこまでも自由な3人に翻弄されっぱなしであった。

Text by蜂須賀ちなみ

DJやついいちろう

DJやついいちろう 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
DJやついいちろう 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

ROAR STAGEを盛り上げるためにやってきたDJやついいちろう(エレキコミック)。お馴染みの衣装である三国志の諸葛孔明のコスプレで現れた彼を、観客の熱い拍手と歓声が出迎えた。「イエーイ! ビクターからCDを出して今年で10周年。みんなとお祝いするぞー!」と挨拶をして、オープニングにプレイしたのは電気グルーヴ「Shangri-La」。続いてレキシ「きらきら武士」へと突入すると、掲げた腕を左右に振りながら、明るい笑顔を煌めかす人々の輪がさらに広がっていった。

時折、DJブースから飛び出して、かぶっている金色の冠を輝かせつつ元気いっぱいに踊っていたやつい。フロアで身体を揺らしていた観客も実に楽しそう。途中でエレキシ(DJやついいちろう×レキシ)「トロピカル源氏」がプレイされたのだが……誰の曲なのかよくわからず、戸惑っていた観客。やついは自身のオリジナル曲に対する予想通りの微妙な反応を感じて大喜び。「冬だと思ってたけど、ここ夏だね。ぴったりの曲をやります!」と言って何度もリピートして観客を爆笑させている内に、フロア内から起こった《インザハウス!》という歌声が大きくなっていった。

ラストは、スペシャルゲストとしてSundayカミデが登場。彼とやついいちろうによるユニット「ライトガールズ」の曲、「夜のベイビー」が披露された。一緒に歌いながら笑顔を交わし合っていた2人の仲のよさが自ずと伝わってくる。歌い終えると、手を振りながらステージを後にした彼らを見送った明るい拍手。数々のフェスを熱く沸かせ続けているやついの魅力が多彩に示されたパーティータイムであった。

Text by田中大

四星球

四星球 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
四星球 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

ROAR STAGEの四星球は、北島康雄(シンガー)がコック姿で、まさやん(ギター)、U太(ベース)、モリス(ドラム)は野菜・肉・魚に扮して登場。いったい何事だ?と思いきや、北島、「『ビクターコック祭り』やと思うて来てもうた!」と大慌て。四星球が「ビクターロック祭り」に出演するのは、大阪公演を含めると今回で4回目。もはやこのフェスに、そしてビクターに欠かせないバンドになりつつあるというのに……。盛大な勘違いに場内爆笑である。

「金にならないバンドをお世話してくれるビクターにどう恩返しするか。それはもう、今日盛り上げることだと思ってますので!」と「クラーク博士と僕」でスタート。「25分間で4曲演奏」という彼らにしては高密度なセットリストを駆け抜けた。最新アルバム収録曲「いい歌ができたんだ、この歌じゃないけれど」では、北島が観客の男性に肩車されフロアを一周。「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」では、「V.I.C.T.O.R.ビクター!」と歌詞を替え、巨大ニッパーくんも登場。本来の主役であるまさやんが、その陰に追いやられてしまうというまさかの展開もあった。いずれもこのバンドのライブでしかまず見ることのない光景だ。

ラストには「go!go!vanillasのプリティの復活を祈願しまして、やらせてください!」と「妖怪泣き笑い」が演奏された。北島曰く、以前ファンから「リウマチで腕が上がらなかったのに四星球のライブの時は腕が上がった」という報告を受けたことがあるらしく、ここで「四星球は医療です」と堂々宣言。実際効用があるかどうかは分からないけども、そういう、まっすぐな情熱、理屈で説明できないきらめきが四星球のライブにあることは確かだ。今日のライブを観た人は彼らのライブが「笑えるのに泣ける」所以を改めて噛み締めることができたのではないだろうか。某3分間クッキングのSEとともに去る4人の背中がいつもより大きくみえた。

Text by蜂須賀ちなみ

zo-sun park<ワン!チャン!!オーディション グランプリ>

zo-sun park 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
zo-sun park 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

インディーズバンドを幅広くサポートするEggsとビクターが行ったオーディション「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2019への挑戦~」でグランプリを獲得した北海道・札幌の3人組zo-sun parkという説明をダイノジのふたりが行ったうえに散々フロアをあっためたあと、ぬるぬるっとステージに登場した田辺亮輔(Vo・G)、キクリン(B・Cho)、ヤマセ・ハン(Dr・Cho)。軽いギターのフレーズとバイオリンベースが鳴らすぬくもりのある音と、意外なほど硬質なドラム。に、ちょっとふにゃっとした歌声とほんとにひとつかふたつのことしか言っていない歌詞。全部足すと生活感のあるローファイ・オルタナ・サイケ・ロックになる。んなわけないと思うが、このzo-sun parkはそういうバンドである。

「こんなたくさんの人に拍手されることなんてないんで、緊張します」と言いながらまったく緊張しているようには見えない田辺の佇まいもいい感じだし、何より曲がよい。底抜けにポップなわけでないけれど、どの曲にも耳に残るキラーなメロディラインが仕込まれている。「ランドセル小学生」にはじまり、「TOKERU」「シャイボーイ」など全6曲。初々しいというよりどこか飄々とした姿が新世代を感じさせるバンドだった。気になる人はYouTubeなどでチェックしてください。

Text by 小川智宏

Shiggy Jr.

Shiggy Jr. 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
Shiggy Jr. 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

2017年にビクターエンタテインメントへ移籍。今回が「ビクターロック祭り」初出演となるShiggy Jr.。本日は池田智子(Vo)、原田茂幸(Gt&Vo)、森夏彦(Ba)、諸石和馬(Dr)にギターとキーボードを演奏するサポートメンバー2名が加わり、6人編成だ。1曲目は「TUNE IN!!」。池田のボーカルはキュートで個性的なだけではなく、常に音の真芯を捉えているからすごい。そんな彼女のハイトーンボイスと低音のバッキバキに効いたバンドサウンドが鮮やかなコントラストを作り、聴く者の心を上下にガンガン揺さぶり倒す、極彩色のアンサンブルを生みだしていく。なお、「TUNE IN!!」と「LISTEN TO THE MUSIC」では森がシンセベースを演奏。カラフルだが実は筋肉質なこのバンドのサウンドが、さらに刺激的なものになっていた。

他のステージが終わると共に人の増え始めたフロアの後方が興奮気味にざわつき始める。そこで畳み掛けるように「サマータイムラブ」を投下。さらに「ピュアなソルジャー」までぶっ通しだ。自由にノるフロアの人々から溢れ出る幸福感を前に、良質な音楽さえあれば余計な言葉など要らないのだと、改めて痛感させられる。

軽いMCを挟み、リリース前の新曲「D.A.Y.S.」で終了。「みなさん思い思いのロックの姿っていうのがあると思うんですけど、私としては自分自身でぶつかっていく姿にロックの魂みたいなものを感じるんです」と池田が話していたように、自分たちなりのやり方でとことん魅せるこのバンドの姿に、ハートを射止められてしまった人、多かったのでは? Shiggy Jr.の手により、ROAR STAGEはノンストップのダンスフロアへと塗り替えられたのだった。

Text by蜂須賀ちなみ

どうぶつビスケッツ+PPP

どうぶつビスケッツ×PPP 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
どうぶつビスケッツ×PPP 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

けものフレンズ』から飛び出したユニットが2年ぶりのビクターロック祭り参戦だ。サーバル(尾崎由香)、フェネック(本宮佳奈)、アライグマ(小野早稀)のどうぶつビスケッツに、PPPからロイヤルペンギン(佐々木未来)、コウテイペンギン(根本流風)、ジェンツーペンギン(田村響華)、フンボルトペンギン(築田行子)、そして、マーゲイ(山下まみ)が加わった「どうぶつビスケッツ×PPP+マーゲイ」の8人がステージに登場すると大きな歓声が。そしてTVアニメ『けものフレンズ2』のオープニング主題歌「乗ってけ!ジャパリビート」から勢いよくキュートなパフォーマンスが繰り出される。続けて「フレ!フレ!ベストフレンズ」でもピタリと息のあった歌とダンスを披露する。

「楽しいですね~!盛り上がってますか!?」というサーバルの問いかけにフロアからも大きな声が上がる。さらにみんなで「うー、がおー!」の練習をして、ラストの楽曲「ようこそジャパリパークへ」へ。最後の決めポーズまでばっちり完遂し、何度も「ありがとうございました!」と頭を下げながらステージを降りていった8人。フロアからも「え~!」という声が上がっていたが、確かに3曲はあっという間だった!

Text by小川智宏

吉田凜音

吉田凜音 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
吉田凜音 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

最初に届けられたのは、吉田凜音が初めて作詞作曲に挑戦したナンバーであり、今年の2月にリリースされた『#film』に収録されている「#film」だった。温かい質感の歌、瑞々しいラップのフロウが心地よい。ライトに照らされながら身体を揺らし、声を豊かに響かせている姿は、眺めていると深く引き込まれずにはいられなかった。卒業をむかえる彼女は、この曲について「大切な友達と共に過ごした日々を思いながら作った」と様々な場で語っている。宝物のような思い出の数々をじっくり噛み締めるように歌っていた姿が印象的だった。

「みなさんこんにちは。来てくれてありがとうございます。盛り上がってますか? 音楽が大好きな人がたくさん集まってますね。次の曲は、今日、初披露です。がんばってる人への曲になっているので、いい感じで手拍子をしてくれたら嬉しいです」というMCを経て披露された2曲目は、サンドラッグとのコラボレーション曲として制作された「S&R」。ダンサーのkenken、amaneと一緒に踊り、ビートを巧みに乗りこなしながらラップをしていた彼女に合わせて、観客は力強く手拍子。夢や希望を胸に頑張っている人への応援ソングであるこの曲は、フロアからステージを見つめていた人々の胸に温かいエネルギーを届けているのを感じた。

ラストを飾った「パーティーアップ」は、彼女のラップの切れ味の良さを感じさせてくれるスリリングな場面の連続だった。力強いコール&レスポンスがステージ上の彼女とフロアにいる観客の間で交わされたりもしつつ、華々しくエンディングに至った瞬間、爽やかな余韻が会場内に漂っていた。彼女のライブを初めて観る人もたくさんいたと思うが、圧倒的な表現力に魅了されたに違いない。

Text by田中大

LOVE PSYCHEDELICO(Premium Acoustic Set)

LOVE PSYCHEDELICO 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
LOVE PSYCHEDELICO 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

KUMIとNAOKI、ふたりでのアコースティック・ライブ。NAOKIは1曲目から3曲目までアコースティック・ギターで4曲目がセミアコ、5曲目がエレアコ。KUMIは曲によってアコースティック・ギターを弾いたり、マンドリンに持ち替えてソロを聴かせたりするステージ。

2017年リリースの最新アルバム『LOVE YOUR LOVE』収録の「123」で始まり、2007年の「I saw you in the rainbow」や、昨年12月にリリースしたばかりのデジタル・シングル「Sally」を経て、2002年の「裸の王様」、そしてデビュー曲であり最初の大ヒット曲である「LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~」でしめくくる、つまりLOVE PSYCHEDELICOの歴史をぎゅっと圧縮したようなセットリストだった。

「I saw you in the rainbow」ではKUMIの歌うメロディにNAOKIがハモリをつけ、「Sally」ではギターを置いてハンドマイク になったKUMIの声が響く。会場のお祭りムードが一転、厳かな空気がメッセに満ちた瞬間だった。

「裸の王様」では後半でNAOKIがすさまじいギター・ソロを聴かせる。NAOKIのボトルネック・ギターのボリュームが上がっていくと同時に歓声のボリュームも上がっていき、その末に始まったラストの「LADY MADONNA」では、フロアにハンドクラップが広がった。

Text by兵庫慎司

Awesome City Club

Awesome City Club 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
Awesome City Club 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

現在、全国ワンマンツアー『Awesome Talks -One Man Show 2019-』の真っ只中であるAwesome City Club。完全にライブモードへと入っている彼らの演奏は、序盤から素晴らしいサウンドの連続であった。

SEが流れる中、ステージ上にatagi(Vocal/Guitar)、PORIN(Vocal/Synthesizer)、モリシー(Guitar/Synthesizer)、マツザカタクミ(Bass/Synthesizer/Rap)、ユキエ(Drums)が勢揃い。「今晩は! Awesome City Club です! 楽しんでますか? 最後までお付き合いください、よろしく!」という挨拶の言葉の後、1曲目に届けられたのは「GOLD」。

atagi とPORINが絶妙なコンビネーションで交わし合った歌声、グルーヴィーに躍動したバンド演奏は、清々しいエネルギーの濃密な結晶であった。タンバリンを打ち鳴らしながら歌っていたPORINと一緒になって観客が響かせた手拍子が力強い。続いて「SUNNY GIRL」と「Don’t Think, Feel」も披露されて、興奮しながら踊る人々の輪がますます広がったフロアは、とても爽やかなのが独特だった。ブラックミュージックへのピュアな愛情を滲ませつつ、幅広いエッセンスも絶妙に採り入れている彼らの深い魅力を、この時点で既にたっぷり体感することができた。

「楽しんでますか? 僕らも楽しみにして参りました。手前味噌ですが、ビクターは僕らも好きなかっこいいアーティストがたくさん揃ってます。シンパシーを持って、みなさんと一緒に楽しみたいです。最後までお付き合いよろしくお願いします!」というatagi のMCを経て、ライブは後半へ突入。昨年の12月にリリースされた 1stフルアルバム『Catch The One』の1曲目を飾っていた「Catch The One」は、足でステップを踏んで身体を揺らしたくなるサウンドを伸び伸びと会場いっぱいに響かせていた。そして、ラストに披露されたのは「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」。笑顔を輝かせた観客で一杯のフロアは平和そのもの。演奏が終了した瞬間にステージへ向かって届けられた拍手と歓声は、とても大きかった。メンバーたちにとって、ツアーの後半に活かせる気持ちいいエネルギーをたくさん得られたライブだったに違いない。

Text by田中大

THE BACK HORN

THE BACK HORN 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
THE BACK HORN 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

結成20周年イヤーをしめくくる日本武道館ワンマンを、2月8日に大成功に終わらせたばかりのTHE BACK HORNが、今年の『ビクターロック祭り』のROAR STAGEのトリ。2019年3月16日現在のTHE BACK HORNの最強ポイントを、無理矢理30分に圧縮して解き放ったような、超高濃度なステージだった。

「声」「罠」「夢の花」「Running Away」「コバルトブルー」「刃」というセットリスト。「声」「罠」のあとにちょっと意外な「夢の花」を持ってきて、最新ミニアルバムから「Running Away」をやって、「コバルトブルー」「刃」と必殺曲二連打でしめくくる、というこの流れを見た時点で「これはよさそうな気がする!」と思ったが、生で浴びたらその期待のはるか上を行っていた。「コバルトブルー」のイントロがブレイクして菅波栄純が弾くあのリフが響く、今まで何度も体験してきたが、今日は格別にくるものがあった。「立ち上―がーれー」という山田将司の歌で「刃」が始まる瞬間も然り。

前半のMCで松田晋二は、ビクターと共に歩んできたことの感謝の気持ちを言葉にした。中盤のMCで将司は「まだまだまだまだ最高の音楽人生を、一緒に歩んでいきましょう!」と、オーディエンスに向かって叫んだ。20年という歳月の重厚感と、今日初めて音を出したような瑞々しさと、常にギリギリなところで闘っている人たちならではの危うさや儚さが、今日のステージにもあった。

Text by兵庫慎司

DJダイノジ

DJダイノジ 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)
DJダイノジ 撮影=タマイシンゴ(SOUND SHOOTER)

ROAR STAGEで『ビクターロック祭り2019』を華麗に締めくくったのは、漫才師×DJのハイブリッドエンターテイメント集団、日本中の音楽フェスで何万人もの人々を汗だくにして盛り上げてきたDJダイノジ。DJを大谷ノブ彦、エアギター&パフォーマンスを大地洋輔が担当しているこの唯一無二のユニットは、どのような空間を作り上げるのだろうか?待ち切れない様子の観客が、どんどん集まってきていた。

大分からやってきた高校生による準備体操が、観客の身も心もほぐした後、ついにDJプレイがスタート。「お疲れ様でございます。今から打ち上げをします!打ち上げが盛り上がるかはあなた次第。主役はあなたたちでございます!」という大谷の開会宣言を経て放たれたオープニングナンバーは、くるり「ワンダーフォーゲル」。続いてサカナクション「アイデンティティ」、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」も鳴り響いて、最早誰も彼もが激しい興奮状態!ダンサーたちと一緒に飛び跳ねまくっている大地は、既に肌が汗でテカテカ。BARK STAGEのKREVAのライブが終わり、急激に後方まで観客で埋め尽くされていったフロアは、すさまじい熱気で満たされてしまった。

TOTALFAT「PARTY PARTY」、KEYTALK「MONSTER DANCE」、ASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」、Hi-STADARD「stay gold」、電気グルーヴ「富士山」……などなどが連発されたことにより、絶大なエネルギーで震え続けていたフロア。途中で登場したゲストのむぎ(猫)のダンスも観客を大喜びさせていた。

星野源「Hello Song」をプレイした後、「楽しかったですか?今年も大成功でございます。最高のアーティストたちに拍手!今年も呼んでくれてありがとう!来年も会いましょう!」と大谷が挨拶。ラストにSMAP「Joy!!」をプレイして、ステージを後にしたDJダイノジを見送った観客の拍手は、楽しい時間を過ごさせてくれたことに対する感謝に満ちていた。フロアに集まった人々の音楽に対する「好き」をとことん肯定し続ける彼らのパワーは、やはり絶大だ。今後も各地の音楽フェスを明るく盛り上げまくるだろう。

そして約12時間に及ぶ「ビクターロック祭り」は大声援の渦の中、音楽愛にあふれたイベントのフィナーレを迎えた。

Text by 田中大

※原文ママ

当記事はSPICEの提供記事です。

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