あなたが、楽しく生きられますように―大森靖子 新作へ込めた願い

UtaTen

2019/3/17 17:01

「みんながかわいく、いつも楽しく生きられるように」という優しい願いを込めて製作したシングルのこと、道重さん用にカスタマイズした歌詞に込められたエピソード、そして「普通に生きるわたしたちが、かわいく生きるためにはどうすれば良いのでしょうか…?」というささやかな疑問にも、とても愛情のこもった視点から答えてくれました。

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ぜひお楽しみください!それでは本編へ。

メジャーデビュー5周年をむかえて


──私が大森さんをはじめて知ったのは、二宮ユーキさんが撮影したインディーズ時代のライブ映像を見たときです。当時は色々あって、自己肯定感がウエハース並みに脆かったのですが……。

大森靖子:ウエハース!?中身のほうですか?

──外側の方です。

大森靖子:サクッてなるってことですね。

──それくらい脆かったものが、大森さんのライブ映像をただ眺めているだけで、どうしてかはわからないながらもすごく伝わってくるものがあり、ウエハースが焼き豚みたいになりました。

大森靖子:もはや別物(笑)それはよかったです!

──あらためまして、メジャーデビュー5周年、おめでとうございます!

大森靖子:ありがとうございます。

──まずは、この5年間で「これは最高だったな」というエピソードを教えていただけますか?

大森靖子:ライブが好きなので、ひとつひとつのライブとか、お客さんの顔とかをよく思い出します。それから、準備も含めて印象に残っているイベントといえば、2018年の「ビバラポップ!」です。

──「ビバラポップ!」では、大森さんとアイドルの方たちがコラボレーションライブを展開していましたね。

大森靖子:私は、アイドルがライブハウスで対バンライブをはじめた時期に一緒にライブをすることも多く、ロックとアイドルが混ざり合っていくカルチャーの中で育ってきました。
そして今、アイドルが色んなフェスに出演する流れになってきて、「何がやりつくされていて、逆にどういったことがやられていないか?」という考えを巡らせることがあって。

だから、そういうアイドルと一緒に出られるイベントを自分で作れるっていうことに思い入れもたくさんあったし、憧れの人道重さゆみさんと一緒にステージに立ったこともあって、結構印象に残っています。

──ありがとうございます。逆に「こんな思いはもうしたくないなぁ…」というところはありますか?

大森靖子:うーん……炎上とかもうしたくないです。毎回イヤだなあと思ってます。あはははは(笑)

──炎上しやすいところだけ切り取られちゃったりするじゃないですか。

大森靖子:燃やすぞー!と思っているわけじゃないので、本当。

最愛の人=道重さゆみとのコラボレーションは、“さいこー”のお祝い!


──今回、道重さゆみさんとのコラボレーションは、「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」企画の第1弾とのことですが、どのようなスタート地点からはじまったのでしょうか?

大森靖子:自分がこうしたいというよりは、エイベックスの担当の方が、「5周年のお祝いだからなにかひとつの企画がやりたいんですけど、どうですか?」と持ってきてくださって。
それで、「さいこー!なんていい会社!」と思いました。

──大森さんといえば、「ただのおりこうさんではない」という印象をお持ちの方も多いと思います。日ごろ、エイベックスさんとケンカをすることもあるのでしょうか?

大森靖子:今、周りにいてくださっている方とは、まったくケンカしないです(笑)

──そうですよね。変なことを聞いて申し訳ありません……。

大森靖子:あぁでも、エイベックスさんの悪口ではないんですけど、実は、私のことをエイベックスに誘ってくれた方と、今関わっている方が違っていて。「どうして…さみしい…」みたいな気持ちはあります。

──「転職に誘ってくれた先輩がいなくなっちゃった」みたいなこと、周りでもよく聞きます(笑)

大森靖子:まさにそんな感じ!「口説かれたのに…コクられたのに…振られたあ!」って(笑)

──大森さんの身にもそういうことが起きていたなんて、親近感が持てるような気がします!また、他の企画も進行中かと思いますが、今言える範囲で、こんな感じだよー!というところを教えていただけますか?

大森靖子:ひとつは47都道府県ツアーの詳細のことだと思います。それから、ずっとライブをしていて、ライブがすごい好きなので、ライブのこととかもあります。今回のシングルのようなコラボ系もあります。

──盛りだくさんですね。楽しみにお待ちしています!

「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」。インディーズ時代から、変わったフレーズは?


──ここからは、3月13日にリリースする「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」についてお聞きしていきますね。まずは歌詞についてですが、インディーズ時代から変わっている部分がありますよね。たとえば、サビ前の歌詞が「ナチュラルに生きて好かれたい そんなのあたりまえ前提 ファビュラスマットなガチ赤リップも これが私 きらめくの」と。

大森靖子:「ナチュラルに生きて好かれたい そんなのあたりまえ前提」というのは、最近道重さんが「ナチュラルなかわいいがいい、自分そのもののかわいいでやりたい」という発言をされていて、そういうモードなんだぁと思って書いたっていうのがあります。
その後、「ファビュラスマットな~」の部分は、道重さんのリップに合うような、小さい「っ」が多い感じにするなどの工夫をして、リズムのいい言葉を組み合わせました。

道重さゆみさんの「SAYUMINGLANDOLL~宿命~」の公演を見て、自然と「あー超ファビュラス……」という感想が出てきた自分がいて。ファビュラスっていう単語自体を、あまり感想として思うことってないじゃないですか。
編集注※ ファビュラス(英:fabulous)とは…一般的には、伝説的な/物語に出てくるような/途方もない/ものすごいという意味で用いられる。

──たしかに、日常で使う単語ではないかもしれません。どうしてその単語が浮かび上がってきたのでしょうか?

大森靖子:その公演のために道重さんへ提供した「EIGAをみてよ」という曲がきっかけです。曲のストーリーは、映画を彼氏と一緒に見るんですけど、「お前を見ている方がかわいいよ」って彼氏に言われて、「自分はこの映画を見て、映画を通して分かち合いたいので、私を見ないでください」というもので。

──そのストーリー、共感するところがあります!

大森靖子:その歌詞に、「ポップコーン噛む音うるさいんだよね」というところがあって……私が道重さんに「うるさい」って言ってもらいたいだけの曲なんですけど。実際のステージでその台詞を道重さんがかなり冷ややかな目線で歌ってくださったときの表情が良すぎて、「ファビュラ~ス!」 って思って。

そのことがきっかけになって、その次の「SAYUMINGLANDROLL」という公演で、 「SHIBUYAのファビュラス」っていう曲を提供させてもらったんですよ。

──そんなエピソードがあったんですね…!それから、道重さんが歌う「絶対女の子がいいな」の語尾をしゃくり上げるところなんかに、道重さんらしさが出ていますよね。

大森靖子:それは私からお願いしたんです。いいな、は語尾を上げてでお願いしますっていう。

──道重さんを愛する大森さんならではのリクエストですね!また、全体を通して、道重さんの声も加工されていて、電子音も使われている中で、大森さんの歌声自体は、素の優しさが出ています。

大森靖子:モーニング娘。現役時代から、道重さんの声が加工映えする声っていうのがあって、曲もそれを活かすようになっています。
ただ、それに私が合わせてしまうと、道重さんほどの加工強さがないんですね。なので、そういう感じになったのかなと思います。

あなたのこうしたい/こうなりたいを失う機会がなくなりますように




──今回のリリースを発表した1月20日のLINE LIVE配信では、「道重さんの“圧倒的かわいい”と、大森さんの“アンダーグラウンドな手数かわいい”が混ざり合う曲になっている」と仰っていましたね。

大森靖子:掛け算になったかなぁと思っています。道重さんっていうのは、「かわいい」を職業にされている方じゃないですか。そしてその「かわいい」を努力で手作りしている方なんです。自分はかわいい…かわいくないかもしれない…けどそうだからこそ、表情を完璧に練習するとか。

──それに対して、大森さんのかわいいはどういったものでしょうか?

大森靖子:私は「かわいい」までの距離がかなりあるんですね。「自分はかわいいって言ってはいけないんじゃないか?」っていうところから始まったうえで、そこを壊さないといけないところから、かわいくなるためにいろんな手数を踏んで、ハリボテをして……ハリボテしつづけてきて。「だから、自分をかわいいって言っていい!」という曲にしようというのがあって。

──「かわいい」の出発点が両極端なおふたりでいらっしゃる。

大森靖子:それから、「いつも元気なんて無理だもん」というセリフがあるのですが、「無理」って、文字にすると同じ言葉じゃないですか。
でも、道重さんと私の両極端なところから言うことで、二つの極限からのかわいいを見せられるので。
「かわいい」のベクトルは真逆なのに、同じことを言うことで、新しい説得力が生まれると思います。

──リスナーさんの中には「とはいえ、靖子ちゃんも道重さんも人前に出る職業だし…普通の私が、自分をかわいいって言ったら変なのでは?」と、苦しんでいる方もいると思うんです。そんな方たちが今この瞬間からかわいく生きたい場合、どのような言葉を掛けますか?

大森靖子:「かわいい」に限らず、「これは自分に似合わないんじゃないか」「キャラじゃないんじゃないか」「どうせ頑張ってもこれにはなれないんじゃないか」と思って逃しているもったいないことっていっぱいあるじゃないですか。

──つい自分を否定してしまうことってあります。

大森靖子:音楽で「人間を変える」とか「世界を変える」とかって言ったら大げさだから、そこまでは求めてないけど、その損している部分を減らすことっていうのはできると思ってるんですよ。そういうチャンスの損失を、絶対に減らしたいっていうのはあって。

──なるほど。「かわいい」というテーマのみならず、そういった視点からも作られているんですね。

大森靖子:そこを目指すかどうかって、その人の気持ち次第じゃないですか。
でも、絶対にできることを、できないのほうに合わせさせておいたほうが波風立たないから、できないのほうに合わせさせるパターンってすごい社会の中で多いなーって感じることがあって。

──大森さんの著作「超歌手(毎日新聞出版)」でも仰っていたような、「超エグい基本的人権の否定」ですよね。

大森靖子:そうそう。幸せのほうを否定するみたいな。

──そっちの方が無難にまとまるのでしょうね。

大森靖子:無難な幸せでも良いと思うのですが、「無難でいないと、人じゃない」くらいの感じじゃないですか。でも実際、完全にそこに当てはまる人なんているわけがないですよね。
だってひとりひとり違うんだから。

──むしろ、はみ出す部分にこそ、人のかわいらしさが出たりしますよね。

大森靖子:そういう部分を一個一個、自分以外の意見に賛同してあてはめていくことって、自分の良さを減らすことになると思うんですよ。
情報が短い文章になって、単純化して、消費され、簡単な共感をしていく…っていうリズムになっていくと。

──ロックアーティストが「みんな踊ってー!」と同じダンスをすることを煽るのもそういう感じじゃないかなって思ってて。

大森靖子:それが楽しかったら全然いいんですよ。でも、みんながこうしているからこう、っていうのじゃなくていいと思うし、あえてそっちにあてはめていくことは、幸せが減るなって思います。

──世の中の“正解”にあてはめていくことで、世間には認められても、本当の自分が消えてしまうんですね。

大森靖子:歌とかでも、よくぞこの言葉を歌ってくれた―!みたいなのがあるけど、でも、その言葉イコール自分だ!と思い込んでしまうと、本当はもっとたくさん気持ちがあったはずなのに、その言葉だけが自分になっちゃう。
そうじゃなかった自分の気持ちを自分から減らしちゃうのはもったいないなーって。

──たしかに、その時の感情にピッタリくる言葉を歌われると、「この歌、私のことを歌っている!」って盲目的になることもよくありました。

大森靖子:人が抱えている気持ちの総量とか、持っているものってもっと多いから。
簡単に「自分はこういう人間だ」「こう思っている」っていうのを決めなくていいなぁと思います。
「これも、これも、これも」って選び取るものが多ければ多い方がいいし。

──大森さんが時々「子供を産んだからって女は母親という生き物に変わるわけではない」とおっしゃっていて、すごく勇気づけられるなって思います。

大森靖子:それでも、インターネットやテレビには極論が好きな人も多いから。
「女は自動的に母親っていう生き物になるわけじゃない」と言っているだけなのに、「いつまでも自分だけが可愛い母親が虐待をするんじゃん!!」みたいな叩きを受けたりとかもするんです。
「いやいや、それって極論じゃん?そんなことは言ってなくねえ!?もっとほかにも、バランスとかいっぱいあるじゃん!」って。

──両方あってこそですもんね。

大森靖子:色んな面があるのが自分じゃんって、よく思います。本来、自分っていうのをあらわすのに、そう簡単に一言できゅっと喋れるわけではないじゃないですか。それが仮に記事の見出しになって。
アーティストに限らず、政治家の方とかでも、ここだけ抜き出したら意味変わるよね、みたいな部分だけを抜き出して書かれてしまうこともありますよね。いや、全文(笑)って思います。全文読まないと無理じゃないですか。そのために時間費やして生きているわけだから。

──そこまでみんな余裕がないのかもしれませんね。

大森靖子:たしかに私も、音楽活動をする上では、短い時間の中で錯乱させたいって思うこともあるので、相性が悪い単語同士をぶつけることはあるんです。
というのも、弾き語りというのは、「その瞬間に飽きられると終わり」なので、一曲を全部聴いてもらったらやっと意味がわかるようじゃ遅いっていうか。音数も少ないし、必ずしも、曲自体を楽しめるものがあるわけじゃないし。

──「飽きられた終わり」の緊張感をもっているからこそ、目が離せないライブになるのかもしれませんね。

大森靖子:そういった状況を思い出すと、意外にみんなその、自分が弾き語りで気にしていたようなリズム感──飽きられたら終わり──で生きているのかもって思います。それが、すべての情報量の答えではないのになあ……。

「自分じゃダメかな」「今日の自分はだめだな」と思った時に聴いてもらえたら


──次は、2曲目「LOW hAPPYENDROLL--少女のままで死ぬfeat.平賀さち枝--」についても教えてください。先日、吉田豪さんのSHOWROOM配信へゲスト出演されていた際は、女性シンガーソングライターとして、平賀さち枝さんのことを一方的に意識していたとも仰っていましたが、実際に楽曲でご一緒してみて、いかがでしたか?

大森靖子:この曲は、映画「21世紀の女の子」の主題歌として、山戸 結希(やまと ゆうき)監督からのオファーがきっかけで製作をしました。「自分のジェンダーや人格がゆらいだ瞬間を作ってください」というご依頼がある中で、平賀さんとやってくださいっていうのを、山戸さんから受けたんですね。

──なるほど、監督からのオファーでコラボレーションが決まったんですね。

大森靖子:私、平賀さんについては、私しばらく共演もNGにしていた時期もあるくらい好きすぎて、やっぱりすごく意識している存在なので、向き合わなければいけないんだなあと思いました。

──そんな平賀さんと、今回は一緒に作詞されたんですね。

大森靖子:平賀さんが歌うパートは平賀さん、私が歌う部分は私が書きました。

──大森さんが特にこだわりを詰め込んだ歌詞はありますか?

大森靖子:この曲は、歌詞というより、曲にこだわりがありますね。「平賀さんは、音域とメロディはこれを歌ったら完璧」っていうところに当てに行きました。

──また、3曲目の「VOID(シン・ガイアズver.)」は2018年リリースの「クソカワPARTY -銀茜宴"シルバニアフェス"-」収録バージョンとは違ったものになっていますね。体が勝手に踊り出しそうになります!

大森靖子:ありがとうございます。

──それぞれ個性の際立った3曲ですが、大森さんが「ここから聴いてほしい!」というところはありますか?

大森靖子:えーと、道重さんとコラボレーションした「絶対彼女」から聞いてほしいです(笑)

──ありがとうございました!最後に、インディーズ時代から応援している方や、メジャーデビューで知った方、これから大森さんを知る方たちへ一言お願いいたします!

大森靖子:みんながいつも楽しく生きてってくれればそれでいいなーっていう気持ちがあります。「絶対彼女 feat.道重さゆみ」が、楽しく生きるための1枚になれれば嬉しいです。「自分じゃダメかな」「今日の自分はだめだな」と思った時、そこもいいじゃん!と思える曲になっています!

──本日はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました!



TEXT Megumi Nakamura
Photo 片山 拓

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