水卜麻美アナ「『太ったね』はセクハラと思わない」の大前提

wezzy

2019/3/17 09:05


 3月13日に一夜限りの復活放送がなされたバラエティ番組『犬も食わない』(日本テレビ系)で、MCを務める日本テレビの水卜麻美アナウンサーが「セクハラ」についての持論を展開した。

昨年10月~12月にかけて放送された『犬も食わない』は、巷で見かける“ディスり合い”を女優や芸人が再現する“バトルコント”で、MC担当の二人、水卜アナとオードリーの若林正恭のかけ合いも人気だった。

“ディスり合い”のテーマには「自撮りマスト女子vsインスタパトロール女子」「若者は金を使えおじさんvs若者の事わかってますおじさん」「オタサーの姫vs医大サーの大奥」「恋愛工学を信じる男vs半信半疑の男」などがあった。

13日の復活放送で、水卜アナがセクハラについて自身の考えを語ったのは、「セクハラビクビクおじさんvsセクハララインわかってますおじさん」が取り上げられた時だ。

セクハラについて「やっぱりみんなびくびくしていると思います、今は。どえらい気を遣ってます、最近」と語る若林。飲み会で「私飲めないんです」と言う女の子が「乾杯だけでも」とお酒を渡されているのを見て、「こんなんもダメなんだよなぁ」と思ったという。収録でも料理上手な若い子に「将来いい奥さんになるよ」とも言いにくく、「春日しかいじれないよ」とぼやく。

ディスり合いコントVTRが流れた後も、若林は「俺ビクビクおじさんだもん」と嘆き、共演者の誕生日に「(自分はプレゼントを)貰ったは貰ったけど、返すのでいいのかなあ」「事務所からってことにしてもらおうかなあ」と悩むといい、水卜アナが体型について指摘されているのを傍から見ていて「大丈夫かなあ」と思ったそうだ。そんな若林に「セクハラだなぁと思うこと」はあるのかを問われたを水卜アナの答えは「私はないです」だった。

「本当に人って受け止り方だと思うんですけど、これ放送できるかわからないですけど、私はすごい楽しいと思っているから」

「たとえばだけど、『ちょっと太ったんじゃない』って言われるのは多分ダメなんですよ。でも『痩せた』もダメなんです、ほんとは。『ちょっと痩せたんじゃない』もダメです」

「セクハラって結局信頼関係と受け取り方なので、私は会社の人好きなので『痩せた』って言われたらすごい嬉しいし、『太ったね』とか言われてもむしろ面白いのでいいんですけど、全部禁止されちゃうと、女子も女子でちょっと困る人、もいるでしょうね。もしかしたら古い考えかもしれないですけど」

若林が冗談交じりに「でもこれからの時代、コンプライアンスも厳しくなってくるから、水トちゃんにそういうこと言うのは世の中でやめたほうがいいね」と言うのに対しても、水卜アナは「それは困るんですよ、本当に困るの。本当に困る!」と冗談めかして返し、スタジオは笑いに包まれた。

水卜アナが「会社の人」から自分の体型について言われてもセクハラとは感じず、むしろ「楽しい」「面白い」と感じるのは、水卜アナと「会社の人」との間に信頼関係が成立しているから。少なくとも水卜アナはそう認識している。だから “アリ”なのだと水卜アナが受け止めることも、もちろん彼女の自由だ。

ネット上では、水卜アナの持論を支持する声も少なからず出ている。何でもかんでもセクハラ扱いされるとコミュニケーションが取りづらい、息が詰まる、一般的にはデリカシーに欠けるとされる発言だとしても信頼関係があるならいいじゃないか、等々。しかし、水卜アナはあくまでも信頼関係のある「会社の人」とのやりとりなら良いのだと言ったにすぎない。また、たとえ職場の人間関係が良好であっても、どんなに信頼している相手だったとしても、とにかく体型に言及されるのは“ナシ”という人もいる。

水卜アナは「セクハラって結局信頼関係と受け取り方」だといっていたが、信頼関係があればセクハラされてもいいと考える人ばかりではないだろう。「信頼関係があるのだからいいじゃないか」という同調圧力や、「かわいがってくれている証」「むしろおいしいポジション」という風潮によって、本当は迷惑や苦痛を感じているのに声を挙げづらくなる可能性もある。

一方で水卜アナは、「『痩せた』もダメなんです、ほんとは」と、他者の体型や容貌に言及することが「ナシ」だという認識も持っている。若林のように、悪気のない言動が「セクハラ」と見なされないかビクビクし、「どこから」が「セクハラ」になるのか、その基準を知りたいという人もいるだろう。

その辺りは厚生労働省がガイドラインを示している。

<職場におけるセクシュアルハラスメントは、「職場」において行われる、「労働者」の意に反する 「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」に より就業環境が害されることです。 職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれます>

ただし、ガイドラインは法律ではない。「どこからアウトか教えて欲しい」ではなく、まず自分で考えてみてほしい。自分と相手の関係性はどういうものなのか。それにビクビクして口をつぐむのではなく、日常会話の中で相手を不愉快にさせる言動をしたと自覚したら謝ればいい。

人間関係には立場の上下がつきまとう。たとえば片方は「対等な男女」と認識していても、相手にとっては「逆らえない上司」かもしれない。ハラスメント加害を未然に防ぐには、自分が相手にとってどういうポジションなのかを自覚することが重要になる。管理職や指導者、先輩からの言葉には、NOという声を挙げづらいものだ。ゆえに加害者側が自分の加害を認識しにくいという構造の問題もある。

ハラスメントに「NO」と発言しても不利益を被らないことは大前提だが、誰でも「NO」と言える雰囲気作りも必要だろう。

当記事はwezzyの提供記事です。

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