3日間持ち歩いた「一番かわいい大事なもの」 不倫が招いた昭和の猟奇的事件

しらべぇ

2019/3/3 09:00

(manop1984/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)
昭和の負の遺産とされる遊郭「大正楼」が、老朽化にともない取り壊されることになった。「特定空き家」とされていたが、修繕対策がされず、近く除去される計画が進んでいるとのこと。歴史ある建物が消えていくことに賛否が集まっている。

「大正楼」と聞いてもピンとこない人も少なくないだろう。愛する男と駆け落ちをした末、首を絞め男性器を切り落とす…という猟奇的な事件を起こした犯人・阿部定が娼妓として最後に勤めた遊郭である。

■阿部定が娼妓として勤めた遊郭


娼妓だった定は、関西や名古屋の遊郭を転々としながら暮らしていたが、その生活に嫌気がさし、兵庫県篠山市内にある「大正楼」を最後に逃亡。

娼妓から足を洗い東京に出てきた定は、鰻料理店の店主・石田吉蔵(いしだきちぞう)と出会い、まもなく不倫関係におちいった。二人は吉蔵の妻に不倫がバレたことをきっかけに駆け落ちし、二人きりの時間を過ごしていた。

■愛しすぎたゆえの悲劇


事件が起きたのは、軍事クーデター「二・二六事件」などが起こり、社会情勢も混沌としていた昭和11年。

定の吉蔵に対する愛情や独占欲は徐々に大きくなっていくものの、ある日吉蔵が、いったん家に帰ると提案したことをきっかけに定の狂気は加速。寝ている吉蔵の首を絞め、彼の男性器を切り落としたのだ。

定は、逮捕されるまでの3日間、男性器とともに吉蔵のシャツとステテコを身につけて過ごしていたそうだ。その行動からも定の想いの強さと狂気が伺える。後に定は尋問で以下のように語っている。

「殺してしまえば、外の女が指一本触れなくなりますから、殺してしまったのです」

「一番かわいい大事なものだから、誰にも触れさせたくない。石田の男性器があれば一緒にいるような気がして淋しくないと思った」

この定の破滅的な愛情は、聞くひとの心に爪痕を残し、映像化されるほど語り継がれている。

■歴史ある建物の取り壊しに賛否


「大正楼」は老朽化など損傷が激しく、崩れ落ちているところも。このため、市は昨年12月に現在の所有者に対し、除去か修繕を命じたが対策はされず、近く取り壊しの方向で話を進めているという。

負の遺産といわれる遊郭といえど、歴史ある建物が取り壊しになることに反対意見もある。一方で、地元の気持ちを最優先と考える意見も。

「こういった建物も保存して次の世代に伝えたい」

「遊郭と、阿部定という女がしでかした愛の形がその頃あったと言うことだけは記憶に残すべきかと感じる」

「地元自体がマイナスなイメージを強く持っているのであれば取り壊しも仕方ない」

「実際にこんな崩れかけた建物が自分の家の隣にあったら嫌だ…」

■不倫の恋は幸せなのか?


不倫の末、家庭や人生が崩壊した人、新しい愛を見つけた人。そして一時でも幸せを感じた人…そのはじまりや終わりには様々な形があるだろう。

しらべぇ編集部が全国20~60代の不倫経験者の男女111名に「不倫」についての意識調査をしたところ、「不倫に幸せを感じた」と回答したのは約4割。



その瞬間は「幸せ」と感じていても、結果つらく苦しいことを思い出すのか、多くの人は、幸せを感じられなかったと回答している。

娼妓の道を離れ、東京へ出たことが皮肉にも事件を起こすきっかけとなってしまった阿部定。吉蔵と2人でいる時は幸せだったかもしれないが、それは一時のことだったのかもしれない。

最後に娼妓として勤めた場所「大正楼」がある一帯は、京口新地という遊郭だった。阿部定の影響か、今でもカメラを持って建物を訪れる人がいるという。

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(文/しらべぇ編集部・与沢 舞

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月20日~2016年2月24日
対象:全国20代~60代の不倫経験者男女111名

当記事はしらべぇの提供記事です。

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