2人の芸術家「イサム・ノグチと長谷川三郎ー変わるものと変わらざるもの」が横浜美術館で開催

TABROOM NEWS

2019/2/13 21:41

changinandunchanginngthings-noguchiandhasegawa_001 イサム・ノグチ≪顔皿≫ 1952年 陶、30.8 × 27.3 × 2.9cm、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵 (c)The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo:Kevin Noble

50年代の日本美術を再考する

2019年1月12日(土)から3月24日(日)まで、神奈川・みなとみらいの「横浜美術館」にて「イサム・ノグチと長谷川三郎ー変わるものと変わらざるもの」展が開催されています。

イサム・ノグチは日米の血を継いでいるバックグラウンドから、東西を超えた芸術活動を展開した彫刻家です。そして長谷川三郎は戦前の抽象美術を牽引し、理論家としても西洋の近代美術と日本の芸術文化を見つめる視点を持っていました。

本展ではこの二人の芸術家に焦点を当て、二人が出会い共に歩んだ1950年代を中心にノグチ作品約50点、長谷川作品約70点を紹介しています。

芸術家としてよく似たビジョンを抱いていた二人は、1950年5月の出会いから友情を育み、長谷川はノグチにとって建築、庭園、書、絵画、茶道、禅、俳句など日本文化の案内人となりました。一方のノグチは対話を通じて長谷川の創作意欲を刺激し、長谷川が新たな創作にとりくむきっかけとなったのです。

会場ではふたりの代表作のほか、日本初公開となる作品も多数展示。横浜開催後はアメリカ・ニューヨークのノグチ美術館とサンフランシスコのアジア美術館にも巡回する予定で、日米の芸術史にとっても重要なエキシビションと言えます。

会期中は展覧会をより楽しむための講演会やギャラリートークなども開催予定です。世界的に有名なイサム・ノグチ作品が50点も集まるのも見所ですが、これまで関東地方で紹介されることが少なかった長谷川三郎作品も時代背景と併せてじっくりと鑑賞できる貴重な機会となりそう。

戦後間もない50年代にふたりの芸術家たちがどんな理想を描いていたのか、ぜひその目で確かめてみてください。

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左:イサム・ノグチ≪書≫
1957年 鋳鉄、木、縄、金属、178.8 × 43.5 × 40.6cm、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
(c)The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo:Kevin Noble
右:イサム・ノグチ≪捜す者、捜し出したり≫
1969年 玄武岩、94.0 × 100.3 × 49.8cm、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
(c)The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo:Kevin Noble

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長谷川三郎≪無題≫
1954年 紙、リトグラフ、33.5 × 51.2cm、ティア & マーク・ワッツ・コレクション Photo:Kevin Noble

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左:長谷川三郎≪自然≫
1953年 紙本墨、拓刷、ニ曲屏風一隻、各135.0 × 66.5cm、京都国立近代美術館蔵、展示期間:2019年1月12日(土)~2月13日(水)
右:長谷川三郎≪無題≫
1954年 紙本墨、138.8 × 70.0cm、学校法人甲南学園 長谷川三郎記念ギャラリー蔵
changinandunchanginngthings-noguchiandhasegawa_003 イサム・ノグチ、1950年
Photo:三木淳
写真提供:イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)

イサム・ノグチ
1904年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。父は詩人の野口米次郎、母はアメリカ人作家で教師のレオニー・ギルモア。
幼少期は東京、茅ヶ崎、横浜で過ごす。
1924年からイサム・ノグチとして彫刻に専念。
1927年パリへ留学。彫刻家ブランクーシの助手として半年間働く。
1929年からニューヨークで肖像彫刻の制作で生計を立てつつ、公園設計、公共彫刻、舞台美術を手がける。
1931年に来日し京都、奈良を訪れる。
1950年に再び来日、丹下健三、瀧口修造、長谷川三郎など日本の建築家、芸術家と交流。
1988年、ニューヨークで逝去(享年84歳)

changinandunchanginngthings-noguchiandhasegawa_006 長谷川三郎、1956年頃
写真提供:学校法人甲南学園 長谷川三郎記念ギャラリー

長谷川三郎
1906年 山口県豊浦郡(現・下関市)生まれ。
青年期を芦屋で過ごし、甲南高等学校在学中に小出楢重に油彩画を学ぶ。
東京帝国大学に進学し、美術史を専攻。
卒業後パリに3年間留学。1936年から抽象的作品を描き始め、「自由美術家協会」の創立に関わる。
1947年、「日本アヴァンギャルド美術家クラブ」を結成。
1950年にイサム・ノグチと会い意気投合。まもなく油彩画の制作をやめ拓本や水墨による表現にとりくむ。
1953年、アメリカ抽象美術家協会より「第18回 アメリカ抽象美術展」への出品招請をうけて「日本アブストラクト・アート・クラブ」を設立。1955年9月にカリフォルニアで教鞭をとるためため渡米。その後病に倒れ1957年3月に客死(享年50歳)

イサム・ノグチと長谷川三郎ー変わるものと変わらざるもの
会期:2019年1月12日(土)~3月24日(日) 10:00~18:00 ※3月2日(土)は20:30まで(入館は閉館の30分前まで)
※木曜休館・3月22日(金)休館。3月21日(木)は開館
会場:横浜美術館/神奈川県横浜市西区みなとみらい 3-4-1
観覧料:一般1500円(税込)、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料、65歳以上1400円 ※要証明書、美術館券売所でのみ対応

▽関連イベント
学芸員によるギャラリートーク
日時:2019年2月1日(金)、2月15日(金)、3月15日(金) 14:00~14:30
2019年3月2日(土) 18:30~19:00
会場:企画展展示室
参加費:無料(事前申込不要、当日有効の本展観覧券が必要)

展覧会・ココがみどころ!
横浜美術館のボランティアが展覧会の魅力をコンパクトに紹介
日程:2019年2月以降の毎週火・土曜日 11:00~、13:30~、14:30~
会場:グランドギャラリー
参加費:無料(事前申込不要)
Writing:Ruiko Eguchi
Edit:塩見直輔

当記事はTABROOM NEWSの提供記事です。

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