娘のパスポートでセキュリティチェックを往復すり抜けた母親、出入国管理の甘さに唖然(英)

英出入国管理局では、これまでも本人ではないパスポートを見せてセキュリティチェックを何の問題もなくすり抜けられるという事態が発生していたが、このほどイギリスからフランスを通ってベルギーへ日帰り旅行した女性が、娘のパスポートで難なく出入国審査を通過するという出来事が起こった。『Mirror』『Metro』などが伝えている。

イースト・サセックス州ベクスヒル=オン=シーに住む2児の母アニータ・ターナーさん(58歳)は、1月19日に仲のいい友人ら5人と車でベルギーまでの日帰り旅行に出向いた。

午前9時25分発のフランス、カレー行きのフェリーに乗り込むため、アニータさんが運転した車でケント州のドーバー空港に到着。フェリーの乗船券を受け取ると同時に、アニータさんの友人が出国審査をする国境警備局員に全員のパスポートを提示しようとして、アニータさんのパスポートが本人のものではないことに気付いた。

アニータさんは、娘レベッカさん(30歳)のパスポートを誤って持参していたのだ。レベッカさんのパスポート写真は23歳の時に撮影したもので、いくら親子といえども58歳のアニータさんとは別人であることは明らかだ。アニータさんは車を運転する者が自分しかいないことから、「あぁ、もうこれで旅は終わったな」と思いガッカリした。

しかし何を思ったのか、アニータさんはそのまま娘のパスポートで強行突破をすることを決意。国境警備局職員に気付かれるかどうか、リスクの高いチャレンジを試みることにしたのだ。そしてアニータさんは、何の問題もなくイギリスから出国できた。カレーを通ってベルギー西部のアディンケルケまで行き、友人らと楽しいひとときを過ごして午後3時20分のフェリーで再び帰路につこうとした時、いよいよアニータさんは「多分帰りにひっかかるだろうな」と予測した。

ところがチェックイン時と入国審査時の2度にわたり、またしてもアニータさんは難なく通りぬけた。最初の港でのチェックイン時には行き同様、友人がアニータさんと全員分のパスポートを職員に手渡したが、何の問題もなく通過できた。驚きながらもアニータさんは、そのすぐ後の英入国審査ではさすがに止められるだろうと思っていた。この時、男性職員が車の窓を開けるようアニータさんらに指示し、全員の顔を見渡した後、アニータさんらから渡されたパスポートの名前をチェックして写真を車内5人と見比べた。

「パスポートを見せた時、職員は『レベッカ』とパスポートに表記されていた娘の名前を呼んだのです。思わず『はい』と言ってしまいました。そして写真と私の顔を見比べて、ブースに戻って行ったんです。バレたかと思いましたが、戻ってきてどのレーンに車を行かせるか指示しただけでした。驚きました。こんなに簡単に出入国審査をすり抜けられるなんて。私は3月で59歳になるんですよ。娘のパスポートで往復スルーできるなんて、いったいどれだけイギリスの出入国審査は甘いのかと唖然となりました。」

ドーバー選出の保守党下院議員チャーリー・エルフィッケ議員は「国境警備を強化するために早急な改善が必要です。英国を出入りする全ての人を適切に確認できるようにするには、世界クラスのテクノロジーが必須です。私たちの国境がこのように水漏れ状態だと、それを悪用する犯罪者が増えるだけです」と語る。また、英内務省のスポークスマンは「国境警備局の職員らは偽の書類を持っている者が国内へ入らないよう厳重に訓練されています。彼らは、海外の航空会社や入国管理官の訓練にも携わっています。2010年4月~2018年12月の間に、無効な書類で旅行を拒否された人々を含め、英入国拒否者は159,000人以上もいます」と述べている。しかしながら、出入国審査が甘いことを実感する英国民が存在することは確かだ。昨年9月にはバーミンガム空港で4歳継子のパスポートを誤って持参した男性が難なく出国でき、旅先のポーランドの空港で気付いて止められたり、英在住のインド人女性がインドへ行くのに間違えて夫のパスポートを持って行ったものの、マンチェスター空港を問題なく通過でき唖然とさせられたという事例がある。

このニュースを知った人からは「自分もスタンステッド空港からフランスまで行った時、パスポートを全然チェックされなかった。出る人には甘いけど、だいたい入国時は厳しいもんだけどね」「英国のEU離脱(Brexit)が起こったら、こうはいかなくなるんじゃない?」「ん? この女性は今犯罪を告白したんだよね?」「これって、偽のパスポートを持って出入国したこの女性を罰すべきか、ちゃんと仕事してない職員を罰すべきなのか…」「出入国審査員、まともに仕事してないくせになんで空港ではいつも順番回って来るまで散々待たされるんだ!」「ベルギーの出入国管理もザルだな。職員の目は節穴」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2019年1月29日付「Brit mum, 58, used daughter’s passport to travel - even though she’s 23 in picture」(Image: Triangle News)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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